仕事が途切れないマーケティングライターの制作術#004 【クライアントの信頼には理由がある】
組織に縛られたくないからフリーランスを選ぶ
今回は、マーケティングライターに必要な基礎的素要その3「ビジネスパーソンとしての常識を備えている」についてお話ししたいと思います。
ここでいう「常識」とは、ビジネスマナー的なものというより、ビジネスの意思決定に関わる行動原則であったり、企業組織が収益や社会価値を創出するメカニズムであったり、本質的なビジネスの仕組みがわかるかという話です。
フリーランスのライターは、組織にしばれたくない、会社に与したくない人が少なくありません。そのため会社員経験がない人も多く、それが「ビジネスパーソンとしての常識」を理解できない背景となっています。
実は、その事実に多くのクライアントは気付いていません。クライアント側(広報やマーケ部門、経営企画、事業部門)は、「ビジネスパーソンとしての常識」は、社会人であれば全員持っていると思い、ライターに仕事を発注します。
ところが、発注を受けたライターは専門知識と文章を書く技術はあるものの、組織の論理やビジネスパーソンの思考、企業の行動原理を理解できません。その結果、原稿がクライアントの意にそぐわないことになるわけです。
いわゆるマーケティングライターは、そこをしっかり理解できているので、クライアントの期待に応えられるのです。
ビジネスパーソンとしての常識を理解しているマーケティングライターの価値
マーケティングライターがビジネスパーソンの常識を理解していると、どういう価値を発揮するのかを解説します。
・担当者が求める結果を出す
会社という組織で社員は、必ずしも自分のやりたい仕事をしているとは限りません。マーケティングライターは、その立場を理解した上で、この担当者は何を求めているのか、どんな成果を出したいと考えているのか、そこを慮って仕事ができます。それは、担当者の言いなりになるという意味ではありません。意見が対立しても、最終的には担当者の評価が高まる成果を上げるということです。
・ステークホルダーに価値を届ける
ビジネスパーソンであれば、自社の利益を考えるのは当然です。自社の利益とは売上に限りません。社会的評価、株価、企業価値、社員のプライドなど、指標はさまざまです。マーケティングライターは、自分が書いた文章をクライアントのステークホルダーが読む可能性を想定して記事を作成するので、クライアントに利益をもたらせるのです。
・競合との差別化を訴求できる
例えば、商品訴求型コンテンツを作成する場合、競合の商品をしっかりリサーチしてクライアントの優位性を引き出す文章を構成することは、とても重要です。ただし、クライアントの内側視点に立つことは厳禁です。マーケティングライターは、常に客観的視点でコンテンツを書かなければいけません。そうしないと、社員が書いた記事と差がなく、読者に対する説得力を持たないからです。
・リスクを避けられる
企業が発信する情報は、消費者、株主、競合、行政などから常に批判的視点にさらされているという意識が必要です。その意識があれば、誤解を招きやすい文章・単語の使用を回避できます。誰が読んでも誤解を招かない文章が書けることは、マーケティングライターの基本要件です。
・成果にコミットする
いわゆるライターの仕事の中には「自分の書きたいことを書く」ことで成立する仕事があります。その場合、自分なりの目標はあるでしょうが、成果を求められることはありません。一方、マーケティングライターは、クライアントの求める成果にコミットすることを第一に考えており、自分を出すことは考えていません。そこが大きな違いと言えます。
ここまで紹介した3つの基本的素養は、マーケティングライターであれば当然そなえているものといえます。
次回からは、「仕事が途切れないマーケティングライター」になるためのワンランク上の7つのスキルを解説していきます。
よろしくお願いします。
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