仕事が途切れないマーケティングライターの制作術#013 【文章を読みやすくする連結式】
文章が「二度見文」になっていませんか?
文章を読んでいるとき「何を言っているのかわからない」とか「何回読んでもわからない」とか「何となく言っていることはわかるけど読みづらい」、そういうことってありますよね。
そういう文章の構造を分解してみると、「二度見文」になっていることがあります。「二度見文」とは、一度読んだけれど、意味がわかなず、前の文節に戻って読み直さなければならない文章のことです。私が勝手に名付けた造語ですけどね。
文章を書くことと、話をすることとは、似ているけど、使う文章が異なります。会話は、相手との間合いみたいなものがあるので「ここまで言わなくてもわかるよね?」という部分は、略すのが一般的です。しかし、文章はそこを略してしまうと「この文章の主語は誰?」「この言葉はどの単語にかかっているの?」と読者を迷わせてしまい、二度見・三度見が起きてしまいます。
この「主語がわからない」と「前文とのつながりが理解できない」を解決するだけで、文章は格段に読みやすくなります。
電車のように連結された「連結式文章」を書く方法
私が、この問題に気づいたのは、フリーランスのコピーライターとして仕事を始めた頃でした。文章の出来がよくないとクライアントに指摘され、「この人みたいな文章を書いてほしい」と、あるライターが書いた文章を渡されました。
その文章は本当に読みやすく、難しい話でも1回読めば理解できる魔法のような文章でした。その文章の読みやすさを理解するため、私は何度も複写したり、模倣した文章を書いたりし、その結果、ある法則に気づきました。
それは文節と文節の間に連結部分があることでした。例えば「新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に多大な影響を与えました。感染症の拡大を防ぐため外出自粛が求められ、人と人との接点が極端に減少しました。人との接点が失われた結果、うつ病患者が増加したといわれています」という文章は、最初の1文にある「感染症」という単語が、1個目の連結部分です。この「感染症」という単語が2文にも使われていることで前文とのつながりがわかり「二度見」を防いでくれます。さらに2文目の「人との接点」が次の連結部分です。この言葉が3文目と連結されていることで、スムーズに文章がつなが理、スッと言いたいことが頭の中に染み込んでいきます。
これが私が発見し、名付けた「連結式文章」です。ときには単語ではなく「これ」「あれ」といった指示詞が使われることもありますが、気をつけてみると読みやすい文章には大抵連結部分があります。もちろん、連結が不要なこともありますけどね。
いずれにせよ、前文と次文が同じ意味を共有する単語を含むことで緩やかに繋がり、意味をわかりやすく、読みやすくしてくれるのが「連結式文章」の特徴です。このテクニックは、徒然なるままに言葉を綴るエッセイやブログには必要ないかもしれませんが、何かを解説することが多いマーケティングライターには、とても有効です。
相手は何もわかっていないが大前提
この「連結式文章」って、実は小さな子どもに何かを教えるとき、誰もが無意識に使っている方法なのです。例えば、子どもにカッターの使い方を教えるとき、「これは紙を切るときに使うカッターだよ」「これ(カッター)を使うときは、まず刃を出して」「あ、刃を出すときは気をつけてね。手を切っちゃうかもしれないから」「刃を出したら、手を切らないように、こういう向きに持って・・・」といった具合に、何もわかっていない人にやさしく手順を教えるときって、基本的に「連結式文章」で人は話をするのです。
要は、相手は何もわかっていないという前提で、噛んで含めるように書けば、自然と「連結式文章」になるのです。それができない理由は「このくらい説明しなくてもわかるだろう」と雑な書き方をしているか、そもそも「わかってもらおう」と言う意識がないまま文章を書いているか、あるいはライター自身も正しく理解しないまま書いているか、いずれかだと思います。
マーケティングライターとして生計を立てたいならば、一度「連結式文章」を意識してみることをおすすめします。
よろしくお願いします。
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