"体験を売ること"は誰にでも意識できることだ、と江の川鐵道の県境越えトロッコに乗って思った話
ゴールデンウィークで地元へ帰省した際、廃線となったJR三江線を走るトロッコに乗る、という体験をしました。
このトロッコがなかなか面白かったのですが、乗っている時にふと「これが"体験を売る"ということか。そして"また来たい"という気持ちに繋がるんだな。」と感じたので、このことを本記事にまとめておきたいと思います。
きっかけ1 帰省の道中で立ち寄った飲食店での体験
少しネガティブなお話になりますが…
地元に電車で帰る道中で立ち寄った飲食店が僕にとってはあまり良い印象ではなく、「もうこのお店には来ないかな…」と感じました。その理由を改めて考えてみたのですが、
と、このような理由です。
僕が飲食店に関してど素人であること、GWでお店が忙しかったことを踏まえても「払った金額に見合わなかった」と、そのときは感じていました。
きっかけ2 江の川鐵道の県境越えトロッコでの体験
この江の川鐵道のトロッコですが、地元住民や三江線のファンの方々が結成したNPO法人「江の川鐵道」が運営するトロッコ型車両です。
最初にこのトロッコを知った時には「珍しいな」程度の気持ちでした。
しかし、地元住民や三江線ファンの方々によって運営されていることから、トロッコに乗りながら三江線の昔話を聞いたり、「今後は沿線をもっと伸ばしていきたい」というようなトロッコに対する熱い想いを聞いたり。その土地の特徴を活かした体験を通じて、「また乗りたい」「応援したい」という感情が湧きました。鉄道マニアのお客さんが運転手の方と鉄道トークをしていたり、トロッコを見た近所の子どもが手をふるという和やかな景色がある、といったこともあり、ただトロッコに乗るだけではない体験がここにはありました。
「トロッコ、なかなか面白い体験だな〜」と感じた時に、ふと、飲食店での体験を思い出して「あれ、これが体験を売ることの大事さなんじゃないか?」と気付きました。
感じる価値をコストより大きくすること
お金を払うことは”商品のみに感じる価値”だけではなく、”商品を通した経験全てに感じる価値”だと身を持って感じました。そして、価値(体験・感情の変化)と支払うコスト(お金・時間)を比較したときに、『価値>コスト』であれば「また来たい」と感じ、『価値<コスト』であれば「もう来ない」と感じると考えました。
また、価値にプラスになる要素とマイナスになる要素は人によって違うとも考えました。
「きっかけ1」で挙げた出来事が気にならない人は食事が美味しいことがプラスになり、『価値>コスト』だと感じるでしょうし、気になる人はマイナスが大きくなり、「もう来ない」という感想になるのではと考えています。こう考えると、人によってはあの飲食店もまた来たいと思う人がいて、自分のようにネガティブな印象を持つ人ばかりではないのだと気付きました。
商品の体験(使う・食べる・感じる)も含めて良い要素として提供することが「また来たい」と思ってもらえることに繋がるのだと思いました。
まとめ プロダクト開発でも活かせること
これは何にでも活かせる考えだと思います。
自分が携わるWebサービスで例えると「Webサービスとして使えることは大前提。その上でユーザーにポジティブな感情を感じてもらうにはどうすれば良いかを考えること」に繋がると思います。こう考えると、WebサービスのUIや機能の考え方もより面白くなると思いました。サービスの提供だけでなく、"ポジティブな感情も合わせて提供すること"を意識していきたいと思います。