10月でも平気で海に入れる沖縄で、貴族の遊びをしてきたよ 初手
遊び方が最早、貴族。ていうか大名の風格。じいや、籠を持てー!
フリーランスの私と、自営業の婚約者の二人で、ド平日の真昼間に家から車で20分の沖縄県北谷町の「ちゅらーゆ」という銭湯&プールに行って来たよ!
10月でも平気で海に入れる沖縄。でも今日とか何かめちゃくちゃ寒い。この寒さは異常気象か。ああ、温まりたい。デカいお風呂に入りたい。お風呂お風呂。お風呂はいりませんか。お風呂はいりませんか。マッチはいりませんか。
家中どこを探してもマッチは無かったので(時代)朝も早よからネットで検索。今日22日は「夫婦の日」だから男女二人なら3割引になる、銭湯の安いプランを見つけて早速向かうことに!
そしてちゅらーゆに到着すると、これが!大変!広い屋外温水プールつきの温泉銭湯で!
持参の水着でザブンと屋外温水プールにはいると、ほうと一息。水温は温かいし、空は果てしなく青いし、雲はスラスラ泳ぐし、黄色いモンシロチョウは水面を飛んでるし。最早プールだけど既に軽い温泉模様。
はー、極楽。もう来て良かった。大変幸せ。幸せ幸せ。人間は簡単です。
でも綺麗な蝶々さんまで飛んじゃうのはヤバい。流石にプールにそんな奇跡はふらない。いくら天国でも幻覚見えたらヤバい。これは現実かと蝶々さんを追いかけてみる。うん、やっぱり追いつけない。プールで蝶々を追いかけるうすら笑いの四十路は、側から見ていてどういう風に見えたでしょうか。奇行以外何物でもない感じだったでしょうか。世界は広く、疑問は尽きません。
蝶々さんのことはさっさと忘れて、ウキウキとプールで一人、水死体の真似をしていると、婚約者に水面で頭を押さえつけられる。普通に息継ぎができない。手と足をバタバタとさせる。水面が遠い。ヤバい、体が重い。
この人、私のことを殺す気だ・・・!!!
温水プール殺人事件。バーン!ジャジャーン!ガーン!でもまだ私は死にません。
「何すんだ!」
私が鼻から水を垂らして水面から脱出すると、婚約者は
「エラ呼吸をすれば良かったのに」
と真顔で言った。
「こちとら人類なんで!(憤慨)」
「えっ、いつから!?(驚愕)」
「えっ、2、3日前からかな・・・?(疑問形)」
唐突に質問されて、変な答え言っちゃったよ。
おかしいな。私は母親のお腹の中にいた時から人類の筈なのに・・・。お母さん、私は人類です・・・よね・・・?
そのままどっちがエラ呼吸に近づけるか戦っていると、プールに人が一人もいなくなった。
「はっ!プール独占!プール貸し切り!このプールは我が手中にあり!今、このプールは我が手中にあり!」
私が叫ぶと、婚約者は拍手をしてくれました。
いやあ、それほどでも。
プールが相当楽しくて、今日は婚約者もご機嫌。とても良く喋るし、とても笑ってる。それが私はとても嬉しい。良い日だ。良い休日だ。GOOD SUNDAY!いや、金曜日だけど。休日じゃなくて、帰ったら仕事だけど。
とにかく、婚約者の笑顔を見て、ああ、この人と出会えて良かった。残りの人生、この人と一緒で良かった。婚約者、私はあなたと一緒にくらしていて毎日すげえ幸せだよ。前世でどんな徳を積んだんだろうってくらい、幸せだよ。いつも大事にしてくれてありがとう。寝るとき、いつも手を繋いでくれてありがとう。布団を蹴っ飛ばす私に、いつもかけ直してくれてありがとう。髪の毛に埃がついてたら、王子さまみたいにそっととってくれてありがとう。いつもいつも、本当にありがとう。もう、感謝しかないよ。
興奮気味に一人でニヤニヤしていたら、あれ?婚約者がプールの中で体を斜めってる。平衡感覚がおかしくなってる。えっ、大丈夫?体が斜めになるほど楽しいの・・・?
って・・・あっ!うわ!この人、酒飲んでるわ!
今日、やたら持参の水筒の水を飲んでるなと思ったら、水筒の中、沖縄名産のお酒、泡盛じゃね―か!
しかも水筒、結構巨大。すげえ量飲んでやがるなお前!
そらご機嫌だわ!そら饒舌になるわ!
私、酒飲んでる奴の戯言に浮かれてたのかよ!
お前・・・私の喜びと感謝を返せ!
いや酒飲むのはいいんだけど、プールサイドで泡盛飲むな!せめて小粋なフルーツカクテルにしてくれ!大量の泡盛ってどんな大酒飲みだ!あんた普段、土曜の夜に少し晩酌するだけだろ!すげえ仕事できる癖に、どうしようもないところ、見せ過ぎなんだよ!
でもまあ、二人での久々のお出かけが相当楽しみだったんだね、大量の泡盛を持ち込むほど楽しみだったねって思うと、普通に、良かったなぁとすら、思うよ。
(ちなみにこのプールでは、プールサイドに食べ物飲み物持ち込み可です)
何だかね、それでね、二人で、また、笑ったよ。
奇声をあげるその辺のちびっこらに、めちゃくちゃ水をかけられながらね。
そのままプールを出て、銭湯の露天風呂に入って隣の知らない人とゆんたく(沖縄の方言でおしゃべり)したり、付属のサウナに入って暑くて無理で10秒で出たり、脱衣所が濡れてて滑って転びかかったり、お風呂上がりにさんぴん茶を飲んだりして、プール&お風呂大満喫。
結局、楽しみすぎて11時に入って、16時までいました。
スーパー銭湯でもないのに、そんなにバカでけえ風呂でもないのに、それは長時間滞在し過ぎです。
婚約者は
「プロはこれくらいやらなきゃねぇ」
と楽しげに言っていました。
何のプロかは聞きませんでした。
駐車場に戻ると、私たちの隣の車からおじさんが降りて来て。
でもおじさん、何故か裸足でした。地面、コンクリートなのに。ガチガチで絶対痛いのに。
私が密かに驚愕していると、婚約者は
「沖縄はハワイだから」
と言って、私はそうか。と思いました。(思うな)
夕方の空はピンクとパープルのグラデーションで、そのあまりの眩しさに私は、不意に、祈ったよ。神社でもなく、教会でもなく、車の中で祈ったよ。自分の中にいる神さまに祈ったよ。
美しい一日にありがとう。沖縄にありがとう。全部にありがとう。明日も、無(すべて)が嬉しくありますように。
私は婚約者に向かって、前歯を突き出して変な顔をしながら
「またどこかに、行きたいねぇ」
そう、言ったんだ。
サポートしていただけたら嬉しくて小躍りします。あと、アイスを買います。太ります。