人類史上一番偉大な旅
人類史上一番偉大な旅とはどの旅でしょうか?
何を持って偉大というのかは議論が分かれますが、ぱっと思いつくもので、世界史でいえばバスコダガマやコロンブスの旅でしょうか。
日本でいえば松尾芭蕉や伊能忠敬あたりですか。
けれど”人類史上”といえば、人類そのものが世界中へ移動した旅、いわゆる「グレートジャーニー」ではないでしょうか(なんかチートな答えのような気がしますが)。
今から100万年以上前アフリカで人類の祖先であるホモ・エレクトスという原人から約7万年という歳月をかけて世界中を移動した旅です。
もうこれに勝てる旅はないでしょ笑
人類の祖先はどうして旅なんて始めたのでしょうね。
より良い環境を求めて?
でも残った人類もいるんですよね。
アフリカには祖先が生まれてずっとその土地に留まった子孫がいるんですかね?
人類レベルで祖先を遡って先祖代々とどまり続けた人種…旅好きを公言している僕とは真逆の人ですわ。
そんな人類の大移動も東アジアから太平洋の島々に渡る海の旅で最終章となります。
ぜひここ沖縄に遊びに来た際は、海の旅の歴史を学べる海洋文化館によってはみてはいかがでしょうか。
美ら海水族館がある海洋博公園内にありますよ。
海の旅ついでに、とてもロマンのある旅をひとつ紹介させてください。
それは、ハワイのホクレア号の旅です。
ホクレア号はポリネシア人が自分たちの祖先がかつて行った海を渡り切った航海を当時の技術を使って再現するという旅です。
動力を使わず風の力で進む船、星の位置が頼りの航海術”スターナビゲーション”などあらゆる再現を行っています。
1987年の旅から現代まで数々の航海を行い、2007年には日本にも訪れています。
これは単なる”再現”ではなく、彼らにとってはハワイの伝統文化を見直す「ハワイアンルネッサンス」の意味を持ち、彼ら自身の誇りを取り戻す取組でもあるのです。
ホクレア号の船長を務めたナイノア・トンプソン。
彼にスターナビゲーションを伝授した師匠マウ・ピアイルックは、水平線を指さしナイノアにこう訊ねたそうです。
「お前はあそこに島は見えるか?」
360度見渡しても海ばかり。
何日進んでも海ばかり。
それを星や風を頼りに進路を決める船長は「本当にこの進路で当たっているのか」と何度も疑いたくなる瞬間があるでしょう。
その迷いは文字通り命取りになります。
水平線の向こうにはっきりくっきりと島が見えるくらいの確信が船長には求められます。
確信に足る知識や経験を兼ね備えていることは最低条件で、何より自分を信じ続けるメンタルが船長には必要なのです。
とても考えさせられるエピソードです。
漫画ONE PIECEで主人公ルフィは、敵の親玉アーロンに「剣術も料理も航海術もできない不甲斐ない船長だ」とバカにされます。
「そんなお前に何ができる?」と問われたルフィはこう答えました。
「お前に勝てる!」と。
ナイノアやルフィのエピソードは、”リーダーとは”ということを示しているような気がします。
「島にたどり着く」「お前に勝てる」、明確なビジョンを示すことが率いる役目を持った人には必要なのではないでしょうか。
最初にアフリカを旅だった人類を率いたリーダーはどんな人だったのでしょうか。
何千年も続く旅の序章となることを知るとびっくりするでしょうか。
彼?彼女?にインタビューなんかしてみたいですね。
そんな妄想をしてみた夜なのでした。