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トー横問題を手っ取り早く解決できるか?

少し掲載するのに時間がかかりましたが、トー横の若者のために設けられた相談施設・居場所で、わいせつ行為をはじめとしたトラブルが相次いでいるというニュースがテレビや新聞等で出ました。ご覧になった方も多いのではと思います。

仕事柄この場所を知っていた身としては、なるほど・・というのが一番の感想。こちらの現場はいったことがないので、こちらの場所についての深い言及はできないですが、なるほど・・と思ったのは、こちらの成り立ちや、広報等に違和感があったから。

そもそも誰が運営主体?

そもそも、こちらの相談・居場所は、運営主体は社会福祉法人やまて福祉会で、東京都から委託を受けて運営しています。東京都の管轄はというと、生活文化スポーツ局で、これは東京都オリンピック・パラリンピック準備局と東京都都民安全推進本部を統合し、名称を再び「東京都生活文化スポーツ局」になったものです。

元都民安全推進本部の主な役割は以下の通り。福祉の管轄というよりは、警察と似た観点の部署になるのです。

都民安全推進本部とは?主な役割

  • 都民の安全・安心の確保

  • 防犯対策の推進

  • 交通安全対策の推進

  • 消費生活の安全確保

東京都にはスポーツ文化局とは別に福祉局というのがあって、こちらが福祉を取りまとめる局になるので、そもそも福祉の観点ではなく、トー横の防犯・取り締まりの観点で立ち上がった部署であることが推測できるのです。

トー横に集まる子ども・若者は、虐待、貧困等、家庭に頼れないケースが少なくありません。そういった子どもたちの状況に寄り添うというのが福祉の観点だとすると、様々な困難を抱えた子どもたちが非行・犯罪等に走りやすい現状がある中で、補導・非行の取り締まりみたいな観点が防犯・取り締まりの観点になるのです。

このあたりはもちろん部署がそうだとしても、担当者が非常に意識があって、その部署の方が政治的に支援を立ち上げやすい等の事情もあるので、あくまで推測の域を出ませんが、立て付けとしてはそのようになっていることは事実です。もともとオリンピック準備室とも統合した部署ということもあり、小池さんが自由に政策を実施しやすい部署でもあると、都庁関係者に聞いたこともあります。

都民安全の観点から見たトー横キッズ

推測を延長させると、防犯・取り締まりの観点からすると、とにかくトー横という目に見えやすい場所に未成年や、非行・犯罪予備軍がうろうろしているという現状を、手っ取り早く見えなくしたいというのが、都民安全という目的からすると自然でしょう。

これはホームレス等の支援でもよくある観点で、ホームレス問題を解決するという話が、ホームレスを追い出す、見えなくするということになっていくというのはあって、窓もないようなシェルターに追い込んで解決したつもりになるということと似ています。
精神障害者を医療保護入院で見えなくするという話とも似ていますね。

見えなくなれば、解決なのか?

見えなくする、手っ取り早く解決したつもりになるためには、今回の居場所の在り方はとてもロジックが通ってしまいます。

トー横に集まっている人たちの背景には手っ取り早くは解決できない、様々な社会の縮図があり、それをひも解いていくのはとても時間がかかっていくものです。
今回の事件は、そのような背景があるのでは、というのをニュースを見て思った次第です。

ちなみに社会福祉法人やまて福祉会は、中高年事業団やまて企業組合というところが母体になったところで、情報はあまり見つかりませんでした。以下で、役員名簿等が見れますが、代表者の新津伸次さんの情報もネットではほとんど見つからず。なぜ東京都からよく委託を受けているのかは、見つかりませんでした。

じゃあどうやって居場所を運営していけばよいか、というのは、またそれはそれでとても大きなトピックなので、また今度。。。最近とても忙しくて、記事更新が滞ってます涙!


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