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ガブリエルシャネル展にて

日本では32年ぶりのガブリエルシャネル展


シャネル本人に焦点を当てた美術展。

約350展の展示は
シャネルスタイルの本質が見えてくる。
本質を見据えつづけてきたからこその世界観とは
新しいエレガンス。


<以下考察>

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身体をしなやかに動かせる
それは
骨格を理解して作られた
着物的な立体構造。

身体を自由にしなやかに動かすには
骨の使い方を、
骨格を理解していないとできない。

シャネルは本能的に、
人体構造を理解していたのではないか?

実際、シャネルは亡くなるまでスリムで余分な肉がない体型だった。
骨格と動作(しぐさ)がエレガントに見えるか
魅せるかを感覚的確に自身の身体を持って
わかっていたんだと思う。

それくらい、肩、背骨、骨盤、膝
という骨と関節部分が綺麗に見える
デザインばかりだ。

パリでシャネルの展示会は何度が観てきたが
今回のように年代ごとのアーカイブに沿った洋服の展示は初。
故に
見えてくるシャネルの世界観

また、

香水、スキンケアの一般公開は
2006年の私が、
シャネル在籍時には
考えられなかった。

シャネルパリ本社には
ごく一部のスタッフだけが
入室できるアーカイブ図書館みたいな部署があり、
入社当時、
私はそこでトレーニングを受けた。

シャネルの哲学、世界観を学ぶために。

その時、そこの責任者の方に尋ねたことがある。

「こんなにたくさんの素敵なシャネルのお宝を
美術館のようにしたらどうですか?
絶対、世界の人々は観たいと思う」

そしたら館長は優しく微笑み、
「それはシャネルではないんだよ」
と言われた。

2006年
情報開示しないことが、
全てを見せないコトが
ラグジュアリーだった。

秘することでの希少感、憧れ、
それはブランディングだった。

時を経て2022年
ラグジュアリーという魅せ方の変化。


貴重でそして美しい展示の数々は
いろんな気づきを
もたらしてくれる。

新時代と言われた
1920年代後半から戦後にかけて
シャネルが見据えて
掴み取ったチャンスとは?


現在の事象(ニューノーマル)と
シャネルの時代背景を重ね
比較することも、また良し

今回の図録Bookもオススメです。


#voicy  ではこの展示会の
お話ししてます。
良かったら聴いてみてください


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