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ロボットそうじき【こびとエッセイ3】

こんにちは。こびとです。


あぁ……。

ロボットそうじきが、……おそろしい。

あんな非じんどう的なさつりくへいきをのばなしにしておいて、いいんでしょうか。ひょっとしてにんげんは、あのへいきで、こびとを駆逐しようとしているのですか。


わたしがなぜこんなことを言うのか、わかりますか?

おそわれたからです。
ついさっきです。
ロボットそうじきにです。


おくられてきた、マシンへいき

わたしは、おなかがへってました。

家のじゅうにんである「たかださかな」は、ちょうど留守でした。そのすきをねらい、だいどころにおやつをとりにいこうと思ったのです。

今日のめあてはじゃがりこでした。「たかださかな」はじゃがりこをつねにストックしているのです。しかもいろんな味をたくさんです。でもそれはどうでもいいんです。ぜんぜんかんけいないんです。ぜんぜんかんけいないことにまどわされてはいけません。わたしはいつもまどわされます。

こんかいの事件だって、おいしいじゃがりこのまりょくにまどわされ、たいせつなことをわすれていたがためにおこったようなものです。


そう。
それはきのうの夜のこと。

あほづらの「たかださかな」が、届いたばかりのつうはん段ぼーるを、うれしそうにかいふうしていたのです。

しかしわたしは見のがしませんでした。その段ぼーるから、いかにもふおんなくうきがただよってたことを。

もうおわかりでしょう。

それはネットつうはんでポチった、ロボットそうじきだったのです。

あれにちかづくのは、よそう。
わたしはかたく心にちかいました。

……。
…………。

でも朝になったらわすれていました。

わたしはのん気にもおなかをすかし、じゃがりこをもとめて、すみかをとびだしました。

そして。
であってしまったのです。


ロボットそうじき。
あいつはやばいやつです。

ふぃーんふぃーんと、まるでけもののようにうなり、ふろーりんぐを這いながら、わたしを捕食しようとせまってくるのです。まさにかいぶつへいきです。もんすたーうぇぽんです。


「あ!おおげさ!盛ってる!たかだが家電なのに!」


まぬけなあなたはそう思うかもしれません。

イメージできてないからです。
こびとのすけーる感とゆうものを。

こうゆう、きょうあくそうなきょだいマシンをそうぞうしてください。それがこびとにとってのロボットそうじきです。


あいてがにんげんなら、まだ対話のしようもあるというものです。

ですがむこうはマシンロボット。そこにじひやあわれみなどありましょうか。あるはずがないのです。ぴこぴこと光るやつのひとつ目は、まるでこう告げているようでした。

「みろ、こびとがごみのようだ」と。


わたしのあいぼうアカイさんがやつをはかいしてくれなければ、わたしは火曜日のもえるごみとなって、しかばねをさらしていたことでしょう。

さっきマシンロボットにじひやあわれみはないといいました。あれはうそです。アカイさんにはあります。さすが、ちょうこだいこびと文明のけっしょうですね。

いや、そんなことはどうでもいいのです。

わたしは、もの申したい!

おろかなにんげんたちよ。
ロボットにそうじをさせてはいけません!


ひつよう性について

ひょっとしてあなた今、こんなことかんがえてるんじゃないですか?


「えぇ〜でもでも〜仕事とかほかの家事とかスマホゲームとかで忙しいし〜、自分で掃除してる暇なんてないし〜」


このおまぬけさん。

あなたは気がつくべきなのです。じぶんがおろかな固定かんねんにとらわれているとゆうことに。

そうじする時間がないなら。
そうじしなければいいじゃない。

ちょっとくらい家がきたなくても、にんげんはたぶん、死にません。にんげんは、しぶといいきものです。

げんにどうです? わたしのてりとりーである「たかださかな」の家ときたら、ものであふれかえってるじゃありませんか。ゆかのほこりがどうとかゆうレベルじゃないです。まるでさんぞくのアジトです。

このじじつからみちびきだされるこたえは、たったひとつです。


そうじは、あんまりひつようない。

すくなくともロボットをつかってまでするひつようは、まったくないのです。

さぁ。
にんげんたちよ。

今すぐロボットそうじきを、そだいごみにだしてください。

やつは今、ゆだんしています。じぶんはつねにそうじする側で、まさかそうじされる側になるなんて1ミリも予想してないはずです。これはチャンスです。マシンあいてにじひやあわれみはふようです。さあ。さあさあ。


……もうすてましたか?

すてましたね?

これでみなさんの家のこびとは、いのちをすくわれました。こびとたちはかんしゃのきもちをひょうめいするため、今夜みなさんのまくらもとに、そっとひと粒のどんぐりをおいとくことでしょう。

そしてみなさんは「そうじしなくちゃ」というせいしん的じゅばくから解放され、さらにこびとの命をすくえたまんぞく感をいだき、ぐっすりあんみんできるとゆうからくりです。これがごうり的システムとゆうやつです。


あぁ。
なんだかこんかいは、すごくためになるはなしをした気がします。

ちなみにさっきから「たかださかな」がひめいをあげてて、うるさいです。アカイさんによって粉みじんにされたロボットそうじきの残骸をはっけんしたみたいですね。どうでもいいことです。

とにかく。
わたしの言いたいことはこれだけです。

ロボットそうじきよ、さらば。


では、さようなら。

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