本当のウクライナ(岡部芳彦)- 感想:ウクライナのロシア語話者
「本当のウクライナ」という本を読みました。
神戸学院大学の岡部芳彦さんが書かれた本です。
本を読んで驚いたのが、ゼレンスキー大統領の第一言語はロシア語であるということです。
ウクライナ語は第二言語のため、流暢に話せるようにかなりの努力をされた、というエピソードが紹介されていました。
このお話しに関わるデータを見てみたいと思います。
20年前のデータで古いですが、2001年の国勢調査で、ウクライナ東部と南部では、住民の過半数がロシア語を話していた地域が多いことがわかります。
以下の地図は、2021年の国勢調査の結果です。
この地図から、ゼレンスキー大統領の出身地、クリビ・リフ市(Kryvyi Rih)のあるドニプロペトロフスク州(Dnipropetrovsk Oblast:赤で囲った州)では、3割ほどの住民がロシア語を第一言語としていたことがわかります。
30年ほど前までは、ソビエト連邦の一部でしたので、ウクライナにロシア語話者が多いのは当たり前だと思います。
ただ、第一言語の地域別の分布をデータから見ることで、国の一つの特性がわかることが大変興味深かったです。
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「本当のウクライナ」について。
同書では、岡部氏がウクライナ政治家との直接関わる中で得られた一次情報が多く紹介されていて、大変貴重な本だと思いました。
私のウクライナについての知識は限られていますが、この本はかなり読みやすかったです。
ウクライナに興味のある方は、是非とも本書を手にとってみてください。
参考資料:
本当のウクライナ - 訪問35回以上、指導者たちと直接会ってわかったこと - (ワニブックスPLUS新書)
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