【ショートショート】勇者タケヒサと伝説の武器と仲間たち

　数々の試練を乗り越えた勇者・タケヒサは、ついにこの世界を支配する魔王・ヤスノリの城の前に居た。
　タケヒサは魔王を倒すため、旅をし、そこで伝説の武器を手に入れ、多くの仲間達を味方にすることが出来た。
　これなら、絶対に魔王を倒せる。

　……しかし、ここで大きな問題があった。

　魔王を倒すことのできる伝説の武器を100種類もゲットしたのだ。
　どの武器で魔王を倒すべきか、タケヒサは悩む。
　普通に剣か？それとも弓か、槍か？いや、案外、盾も捨てがたい。

　更に、もう一つの問題が。
　タケヒサには仲間が1000人もいた。
　ある事情で魔王と戦えるパーティーメンバーは、自分を含めて4人まで。
　つまり、この1000人もいる仲間たちの中から3人だけを選ばなくてはならない。
　タケヒサは頭を抱えた。
　仲間の1000人全員が魔王と戦いたがっている。

　武器はどれにすべきか？
　仲間は誰と誰にすべきか？
　悩み続ける勇者・タケヒサ。

　すると、一つのアイデアが思いつく。

　城の頂上には、魔王ヤスノリが居た。
　魔王の前に勇者タケヒサと1000人の仲間達が立っており、床には伝説の武器が100種類置かれている。
　魔王は困惑した。
　タケヒサは魔王に向かって、

「……すまないが、どの武器で、誰に倒されたいか……選んでくれないか？」

と言った。

完