【ベト飯】フエにあるブン・ボー・フエの有名店に行ってみたら気がついたこと
フエに行ったことがある。ベトなく中部の港湾都市ダナンから鉄道で2時間か3時間か。フエは1801年から1945年まで阮朝の都だった地域で、ユネスコの世界文化遺産に指定される建造物などがある。また、ベトナム戦争時は1968年にいわゆるテト攻勢によって激戦地になり、市街が戦場と化した。映画「フルメタルジャケット」の中で後半の市街地戦がフエという設定になっている。
このフエにはいろいろと名物料理があるのだが、中でも有名なのがブン・ボー・フエだ。ブンは形状がそうめんに似ている、微発酵させた米粉麺だ。ボーは牛肉なので、フエの牛肉麺を指す。ベトナム各地にもブン・ボー・フエの店があるのだが、やっぱり本場で食べたいと思い、有名店に行ってみた。
ブン・ボー・フエはハノイにもホーチミンにも看板を掲げた店がある。たとえば中部だとミークアンなどの郷土料理的な麺類があり、基本的にはダナンやホイアンなどでした食べられない。しかし、ブン・ボー・フエは各地にある。でも、やっぱり地元で食べてこそ「ブン・ボー・フエを食べた」と言えるのかなと思い、フエに行ったら絶対にこれは食べると決めていた。
今回行った店は上の画像の店だ。あとで聞いた話ではもっといい店があったようだが、当時フエの情報が少なく、ガイドブックにも紹介されたことがあるというこの店に行ってきた。正直、こういうふうに看板に日本語があると逆に狙ってきているような気がして大丈夫なのかと思ってしまう。やっぱり地元民が来る店がいいのだし。
とはいえ、ちゃんと地元民も来ていた。中の看板は古くて、時代を感じさせる。といっても、いつ創業なのかとかは全然わからない。田舎なので、なかなか英語が通じないからだ。
従業員たちはみんな若かった。無料Wi-Fiがあるのでそのパスワードを訊いたけれど、向こうの言っていることがわからないので打ち込んでもらった。当時、ボクのスマホはフリック操作になっていたのだが、普通に打ち込めた。ベトナムではフリック操作で打てない人が多かったので、その点に妙に感動した。
フエ料理というのはちょっと辛いものが多いらしい。確かにこのブン・ボー・フエもやや辛みがあった。牛肉は柔らかく煮込まれていたし、とてもおいしいと思った。
ところが、食べていて重大なことに気がついてしまった。ボクはブンがあまり好きではないのだ。ブンはタイのカノムジーンとほぼ同じものものなのだが、考えてみればカノムジーンも好きではないからほとんど食べないし。ブンで唯一好きなのは、ハノイのブン・チャーくらいだ。
だから、というかそもそも、ブン・ボー・フエをほかの地域でも食べたことがない。ブンが好きじゃないのだから、わざわざブン・ボー・フエの店に行くわけがない。だから、このフエの店のブン・ボー・フエがおいしいかどうかは相対的にはわからない。ただ、牛肉とかスープは十分においしいものだとは思ったけれど。
すごいのは、この店の人気にあやかってなのか、隣にもブン・ボー・フエの店があった。「Số 1」てナンバーワンという意味らしく。両方の店に書いているし、なんだかねえ。
ハノイの旧市街にあるブン・チャーの人気店も、その隣にナンバーワンを掲げた模倣店がある。旅行代理店のシンカフェもそうだけれども、人気店を騙るということにベトナム人は抵抗がないというか、モラルもなにもないらしい。
場所はここだ。当時は気がつかなかったが、この並びに何軒もブン・ボー・フエの店が並んでいる。ブン・ボー・フエ激戦区なのでしょうか。聞いた話では宮殿近くによりおいしい店があるとか。