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嵐よういち著「モンスタートラベラー」を読んだ

 ボクが何冊か執筆させてもらった「裏の歩き方シリーズ」の彩図社を中心に著作の多い嵐よういちさんが主催するポッドキャスト「海外ブラックロード」の開始10周年を記念した書籍「モンスター・トラベラー 海外ブラックロード大放談」(イーストプレス)を読んだ。

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 執筆陣、というか対談型の内容になっているので、中心メンバーである嵐よういちさん、丸山ゴンザレスさん、和田虫象さんの3人の共著ということなのだろうか。

 目次はイーストプレス社の書籍詳細によるとこうなっている。

PART1 俺たちの街
俺たちの街カオサンなんて潰れてしまえ!【タイ・バンコク】
否が応でもテンションが上がる街【ブラジル・サンパウロ】
不法滞在したいほど好きな街【アメリカ・ニューヨーク】
褒める部分はないけど、ネタの宝庫【南アフリカ・ヨハネスブルグ】
無法地帯感が残る国際都市【カンボジア・プノンペン、シェムリアップ】
PART2 懐かしい話
【日本人宿】
【地球の歩き方】
【バックパッカー】
【ジェネレーションギャップ】
【JBL向井さんを偲ぶ】
PART3 ガイドブックには載らない旅の知恵
【飛行機、空港】
【タクシー・移動】
【ホテル、トイレ、洗濯、シャワー】
【言葉】
【メシ、酒、タバコ】
【スマホアプリ、SNS】
【セキュリティ】
【人種差別、国民性】
【夜遊び、女、オナニー】
PART4 失われゆく世界の1000円以下風俗を求めて
JOJO(海外風俗ブロガー)×和田虫象

海外ブラックロード傑作選

 実はこの3人とは普段も仲よくさせてもらっていて、ボク自身もブラックロードに出させてもらったこともあるし、嵐さんがバンコクに来たら飲み会にいつも呼んでいただいている。彩図社に初めて訪問した際に嵐さんの書籍を編集者にいただいて読んでいた。最初はむちゃくちゃ怖い人なのかと思っていた。実際に会ってみるとそんなことはなく、ボクにも気さくに接してくださる兄貴的な人物だった。

 丸山さんはテレビ出演も多いので知っている人も多いでしょう。ボクもあるライターを通じて繋がり、その後公私共に仲よくさせてもらっている。今は丸山さんがタイに来れば通訳も兼ねて案内しているし、逆にボクが日本に行った際には丸山さんの仕事関係者と繋げてもらい、それが形になるケースもある。ボクの著書「バンコクアソビ」や「亜細亜熱帯怪談」などがそうだ。

 虫象さんは主に日本でお目にかかるケースが多い。タイでは1度だけだったはず。話し方や気配りは物腰柔らかな感じなんだが、見た目がいかつく、かつ旅の行動がすごすぎる。突き抜けている人という感じで、初めて会った飲み会ではたまたまボクの向かいに座っていたのだが、ボクはなんと平凡なんだと強く感じたほど、虫象さんが持っているネタはすごいものだった。

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 そんな熱い3人が集まっているのだから、内容も旅のあるあるから、上級者だからこそ知っている話で、最初から最後まで旅好きなら飽きない。対談式なので、3人の間合いなども感じられて、あっという間に読み終えてしまった。本人たちを実際にご存じない人はわからないけれど、嵐さんを弄り倒す丸山さんとか、そのときの嵐さんの返し、ときどきすっと入ってくる虫象さんなど、本当に飲み会で見る光景そのままである。

 内容はあくまでも旅の思い出などを中心に語っている。だから、旅好きが読むとすれば、こういった突き抜けた人たちの旅の様子と、自身の旅の思い出を重ね合わせることでノスタルジックに感じることだろう。

 一方で、これからバックパッカーとして旅をしたい若者には、ある意味ひとつのテクニックを伝授するバイブルになり得る。格安航空会社で如何に手荷物の重さをごまかすか、深夜便の場合は空港をホテル代わりにするだとか、そんな最底辺の旅行術をここまで細かく語っている本はほかにはないからだ。

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 表紙は雑多な旅の様子を、そして裏表紙は彩図社の雰囲気を再現したのだろうか。いいデザインになっている。これはボクの「亜細亜熱帯怪談」のデザインをしてくださった勝浦悠介さんが手がけている

 ちなみに、ボクはいつの間にかブラックロード・ファミリーのバンコク支部長に任命されていたようだ。事前に嵐さんにボクのことを話しているとは聞いていたが、まさかの冒頭に登場していた。この書籍の最初の話題がバンコクで、最初のページにすでにボクの名前が出ており、次の見開きではボクの写真まで載っていた。

 そんな旅のプロたちの対談、そしてかつてポッドキャストで神回となったパートの書き起こしもあるので、ブラックロードを知っている人も知らない人も、旅をしてきた・旅をしたいと思っているなら必ず楽しめる1冊だ。Kindle版もあるので、旅のお供に最適でもある。

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