【東南アジア飯】カエルが美味
タイ料理、ベトナム料理、カンボジア料理など東南アジアの料理は中華料理ほどではないにしても、日本よりずっとアグレッシブに食材を利用している。ベトナムでは犬も食べるし、カンボジアは昆虫の種類が多く、タイ料理は淡水魚をよく食べるなど、それぞれに特徴がある。
その中でボク自身が好きな食材のひとつがカエルだ。食べたことがない人からすればゲテモノ的なイメージを持たれやすいが、案外に食べやすく、おいしい。今回はそんな東南アジアでボクが食べたカエルをおすすめしていきたい。
この画像は2000年撮影で、シェムリアップからトンレサップ湖に繋がる集落と道だ。東南アジアはご存知のようにこういった湿地と緑が多い。そのため、昆虫や爬虫類が豊富にいて、救荒食というわけではなくそれらが食される。
カエル料理は東南アジア各地にある。タイだと東北地方が多いだろうか。東北の屋台や食堂などでときどき見かける。どちらかというと、姿焼きのような小さなサイズのものではなく、脚だけで数センチはあるような大きなカエルがおいしい。食べやすいのは脚のから揚げだろう。これなら東南アジア各地にある。
都心では下町の住宅街などでカエルをみかける。地方出身者が多いエリアだ。それから、画像のような完全ローカル食堂など。ここはスワナプーム国際空港をずっと東に行ったところにある、シカやイノシシなどの肉を食べさせてくれる食堂だ。ここにもカエルがあった。
あと、バンコクなら中華料理店でもよく見かける。塩こしょうでから揚げにしたようなシンプルな料理が多い。これが本当においしい。
ただ、一時期ボクは中華料理店のカエルが苦手になったことがある。もう15年も前の話だが、シーロムの遼寧餃子館という店でトイレに入ったときに、便所の片隅にカエルの置物があったのだ。その日2回目に入ったときに違う場所にも置物があって、風水かなにかかと思っていた。
3回目に入ったときに見たら、また違う場所にあったカエルの口になにか挟まっている。トイレットペーパーだった。紙を置くものだったのかとよく見たら、単に本物の生きたカエルが落ちていた紙を喰っていただけだった。
要するに、厨房から逃げ出し、どういうわけかトイレを歩き回っていたのだ。ボクが店員に言うと、彼女は何事もなかったかのようにそのカエルを掴み、厨房に持って行った。それで、ちょっと食べられなくなってしまった。
初めてカエルを食べたのは、先の画像を撮った2000年のシェムリアップだった。アンコールワットに新婚旅行に行く姉に通訳として駆り出された。そのときはボクはタイ語学校に通うためにバンコクにいたので、バンコクで合流し、シェムリアップには飛行機で飛んだ。当時はシェムリアップも道路が全然舗装されていなくて、すごい街並みだった。
そのときに入ったレストランにフロッグとあったので頼んだ。確かから揚げだったと思う。白身魚と鶏肉の中間のような食感で、これはイケると感じた。
それからというもの、メニューにカエルとあれば頼みたくてウズウズしてくる。ただ、食べられない人もいるので、確認してからになるので、ありつけないときもあるのだけれど。
一度、日本でもカエルを食べたことがある。東武伊勢崎線の谷塚駅近くにあったおしゃれな居酒屋バーみたいな店で。そのときもから揚げだったかな。肉厚でおいしかった。
ベトナムはタイよりも中国に近くて、食材が多彩という印象がある。犬は食べるし、ヤギもあれば鳥も食べたり、貝などもいろいろな種類を食す。もちろんカエルもある。
ハノイで食べたのはタマリンドのソースで炒めたカエルだった。肉が厚めで、食べ応えがあった。カエルはいずれもそうだが、難点は骨が多いことだ。あれだけどうにかなれば、もっといい食材なのに。
それから、ホーチミンの日本人街であるレタントン通りとハイバーチューン通り(だったかな?)の交差点にある、夜にだけ現れる食堂のカエルもよかった。ここは甘辛く煮た鍋料理で、なにも入っていないおかゆと一緒に食べる。これもよかった。ただ、今は店はあるものの、店主が替わったのかカエルの看板は下ろされてしまっている。食べられなくなって残念である。
東南アジアは食が豊富だ。その中で日本では滅多にお目にかかれないカエルもぜひ試してほしいところだ。