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シンハ・ビールのマイクロブリュワリー「EST.33」

 タイはアルコール関係のコマーシャルやメディア特集に規制があって、アルコール飲料の情報があまり出回ってこない。一方で、実はバンコクはクラフトビールの店が増えていて、ビール党にはなかなか楽しめる環境になってきている。

 ビアホールのタワンデーンなどが昔から有名だが、最近ならビア・シン(シンハ・ビール)の直営レストラン「EST.33」がおすすめだ。ビア・シンの黒生が飲める(正確には飲めた)ということで、ほかでは味わえないシンハのビールがあるので、ビール好きなら一度は行くべき店である。

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 EST.33のネーミングはビア・シンの醸造会社ブンロート・ブリュワリーの創業年1933年に由来する。ビアホールではなく、分類的にはマイクロブリュワリーになるのかと思う。現状3店舗がバンコクにある。郊外にあるラマ9世通りの商業施設ザ・ナインの店舗と、クリスタル・デザイン・センターの2店舗に醸造タンクがあり、その場で作ったビールを楽しめる。

 最も行きやすいのはアソーク通りの一番奥にあるシンハ・コンプレックス内の店だ。ボクはこっちには行ったことがないのだが、サイトを見ると残念なことにアルコール販売はないようだ。ちなみに、今回の画像はラマ3世通りの近くにあって店舗で、もうなくなっているらしい。

 というわけで、実際にビールを飲むならマイクロブリュワリー付きの2店舗になる。店舗ごとに内装のコンセプトが違うので、同じメニューではあるものの、店舗によって印象が違う。

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 今でこそコンビニにEST.33の名前を冠したロング缶があるが、それまではビア・シンのクラフトビールなんてなかった。ましてや黒、しかも生なんて飲めるところはなかったわけで、ビア・シン好きからすると歓喜の店であった。缶ビール版は黒ではなく琥珀色のアンバーエールみたいなタイプで、味がひどく、EST.33を再現できていない。やっぱり飲むなら店舗でということになる。

 EST.33で楽しめる生ビールは5種類ある。そのうちのひとつはノンアルコール、ふたつがアンバーエールのような琥珀色のビールだ。そう、残念なことに今は黒がない。いつの間にかなくなっていた。

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 ビールカクテルも充実している。ビアカクテルは10種類かな。フルーツ入り5種。

 驚くべきは爆弾酒があることだ。前はなかったが、サイトで見ると「ビア・ボム」がある。韓国や日本の爆弾酒から来ていると推測される。絵柄で判断するにはどちらかというと日本の爆弾酒を参考にしていると見る。ショットグラスがジョッキ内に沈んでいるからだ。メニューにはショットに入れるスピリッツは選べるらしい。

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 数年前のメニューを見ると、ちゃんと黒ビールがある。今は上記画像で言うと左のふたつしかない。ラガーとコッパ―(これは缶バージョンにもなっている)だ。今はこのほかにそれから香りのついたスノーウィー、それから琥珀色のペールエールだ。スノーウィーはもしかしたらワイツェンビールになるのかもしれない。

 メニュー上では見当たらないが、かつてはお試しセットもあったし、ピッチャーやタワーもあった。だいぶ内容は変わったのだな。

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 料理も結構充実している。タイ料理もあるし、洋物が中心。値段も100バーツ台200バーツ台が中心だ。高いものでも豚足のから揚げが490バーツ、鱈や牛肉のステーキが630バーツというのがあるくらいで、最近のこういったしゃれた店の傾向から考えれば安めの設定だ。

 アソークは前述の通り、マイクロブリュワリーというよりもランチなどを楽しむ食堂的な存在だ。まあ、ビア・シンが作るランチがどんなものか興味はあるけれども。

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 ボクが知る限りではバンコク都内で本当にクラフトビール、あるいはマイクロブリュワリーと言えるのはこのEST.33とタワンデーンしかない。タイのクラフトビールを楽しみたければ、このいずれかだ。その中ではまずはEST.33を推したい。ビールの種類もなんだかんだ多いので。

 場所やメニューなどは上記の公式サイトを参考にどうぞ。

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