スリウォン通りソイ・タンタワン
スリウォン通りは、かつてバンコクの原宿などと呼ばれたサイアムスクエアの南の方にある通りで、バンコクではスクムビット・エリアよりもずっと下町で古い感じのする場所だ。今でこそ日本人の生活者か観光客の中心地はスクムビットだけれども、20年くらい前はこのエリアにも日系企業は多かった。
そんなスリウォン通りにソイ・タンタワンがある。移住歴を2002年としているが、実際にボクが初めてタイで生活をしたのはそれより前で、2000年6月から2001年8月にかけてのことだ。そのときに住んだのがこのソイだった。初めてタイで働き始めたときもまたこのソイだったし、なにかと縁のある場所である。
このソイは観光客にも有名だ。特に日本の団体旅行者には知られていたと思う。今はどうなのかわからないが、ここにはタイスキのコカレストラン本店がある。団体旅行者がここに来るので、知っている人も多いのではないかな。
コカは元々は中華料理店だったそうだ。タイスキは火鍋が原型で、コカがオリジナルというわけではない。ここはタイで初めて、エアコンつきの部屋を無料にしたのだと広報に聞いた。エアコンが有料? と思うかもしれないが、昔はそれが当たり前だったし、10年くらい前でもバンコクでさえ別料金を取られる店があったものだ。今もタイ人向けの店の中にはエアコン有料の店があると思う。
コカといえば、本店の向かいにマンゴツリーもある。ここも2000年初頭にはすでに店はあった。そういえば、2001年のタイ旧正月の初日にボクはこのソイでハリウッド俳優のマット・ディロンを見かけている。日本の芸能人もよく見かけた。
当時このソイの和食店といえば、電波少年で猿岩石がバイトしたとん清、あとはちょっと高級店っぽい雰囲気でやっていた泰平という店があった。今はとんかつ屋に居酒屋にとたくさん増えている。
コカレストランを曲がって西に向かっていく通りなんかだと、今回の画像の「とかち」、それからボクが最も贔屓にしているヤキトリの店「鳥波多゛(とりはだ)」もある。以前はそちらの方面だとハクロという店があった(字を思い出せない)。ここも高級店だったけれども、昼のランチは現在の平均単価より全然安かった。確かオーナーが亡くなったとかで閉店したような。
ソイ・タンタワンは2000年代初頭はゲイバーの聖地だった。今はなくなったが、近年はずっとソイ・トワイライトというタニヤ通りに近い辺りがゲイバー集合地帯だったけれど、当時はその辺りは数軒しかなくて、むしろソイ・タンタワンの方が多かった。
噂だけれども、日本人の有名なニューハーフがいて、その人がこの辺りでバーをしていたから、ということを聞いたことがある。今も数軒、ゲイのゴーゴーとバーがあるが、ボクが住んでいたころはもっといっぱいあった。
ソイ・タンタワンはシーロムのソイ6と繋がっている。シーロムのソイ2、ソイ4、そしてこの6が当時はゲイ向けスポットとして有名だったけれども、今はたぶんソイ2が一番有名で、6はもうだいぶ静かになったのかな。
ソイ・タンタワンは和食店が多くてアツい通りだ。でも、20年前も形は違うけれどアツいソイだったんだよな。なんてことを思い出したりして。
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