怪談トークイベントを見学して
今朝、東京に帰ってきた。昨晩、大阪を出発して、朝7時くらいに東京近辺に着いた感じで。往復すべての行程をモノガタリの木村さんが運転したので、移動はそれほど疲れず。
昨日28日はボクの出番はなかったけれども、3公演を全部見学させてもらった。1部は怪談師・田中俊行さんのワンマンショー、2部は27日にボクが出た3部で共演した怪談師・村上ロックさんと田中さんの、3部はロックさんのワンマンショーだった。
昨日も思ったが、こういうトークイベントというのがあって、それを観に来る人がいて、このカルチャーはおもしろいなと思う。ライブ会場の運営者たちもこういうカルチャーが好きで仕方がなくて働いている感じがした。彼らがどこまで意識しているかわからないけれども、このカルチャーを支えているのは紛れもなく会場の運営者とスタッフだ。
そういう意味では、こういう裏方もまたひとつのクリエイターだなと感じる。マイクのセッティング、カメラとか、そういうものを用意して、ライブ中も全体を見張っていて、なにかあったら静かに動き出す。出版で言えば編集者と同じで、書き手がいなければ本は出ないけれど、一方で編集者がいなかったらやっぱり本は出ない。それと同じような関係かな。
昨日のイベントはまず第1部は田中さんのワンマンショーだ。昨日は一昨日パソコンを会場に忘れて帰ったおかげで時間があったから、朝8時から延々と大阪を歩いて周った。そして、13時半に開場ということで、13時ちょっと前に会場に入った。
そうしたら、田中さん、来ていない。田中さんは関西を中心に活動する怪談師(肩書はオカルトコレクター)だが、ちょっとした事情で東京に今住んでいる。仕事の関係でボクらとは別に大阪入りすることになっていて、当日会場に来て、打ち合わせしてパフォーマンスという話だった。ところが諸事情で遅刻し、開場1分前に滑り込んできた。
実は田中さんのパフォーマンスを生で観るのは初めてのことだ。元々はベトナムをカルチャーを紹介するブロガーでありライターのネルソン水嶋さんの紹介で連絡を取り合うようになったのだが、実際に会ったのはモノガタリの木村さん絡みだった。
怪談トークショーなんて一体どんなものなんだろうと、内心ワクワクしていたが、その期待があった分、衝撃的だった。まず遅刻の理由から始まり、母親になじられている生の録音を聞かせられ、キラキラ輝く全身タイツに早変わりしての歌。このあたりでボクは怪談トークショーの自由さに衝撃を受けたね。
その後いくつか怖い話をしたが、終始田中さんを知らない人ならぽかんとする内容で、すごいなと思った。ファン層をかなりピンポイントにえぐってくるあたりに、田中さんのすごさがあった。
2部はロックさんと田中さんの掛け合いで、これもおもしろかった。田中さんの遅刻で打ち合わせが開場の直前。それも観ていたが、完璧にやるのではなく、ささっとこんな感じという風に一部分だけ合わせて終わり。舞台の場数を踏んでいるとこうなるんだな。
本番もとてもおもしろかった。3部はロックさんの単独だが、こちらも怖さと笑いを織り交ぜて、プロを感じさせてくれた。8時だよ全員集合に絡んだ恐怖話など、怖い話は鳥肌モノのものばかりだった。こんなに怖い話聞いたことないってくらいで。ロックさんに訊くと、怪談1本でやっている怪談師はロックさん含め、おそらく日本に5人もいないのではないかということだ。それだけロックさんの活動は貴重で、怪談トークショーの魅力が詰まっていた。
2部が終わると田中さんは用事で実家に帰り、21時半の我々の帰京出発時間までに帰ってくると言っていたが、実際に帰って来たのは23時半前だった。まあ、案の定という感じだったし、嵐みたいになっていたので、雨が上が手から出発できて逆によかった。
イベント会場になったなんば紅鶴の週1生配信にもちょっと出演した。また、ロックさんが会った人に必ず訊くという「コミック・ボンボン派か、コロコロコミック派か」で、ボクを含め大半がボンボン派で、会場の楽屋にボンボンが置いてあり。ボクが読んでいた時代の少しあとのものだったけれど、30年以上ぶりに読むことができた。
道中は奈良の辺りで濃い霧に包まれたり、路面が濡れていてちょっと危ないところもあったが、なんとか東京に無事辿り着いた。今度、チャンスがあれば東京でもイベントに参加したいな。