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ベトナムのススメ【ダナン編】

 ベトナムが好きだ。なんなら、今、タイよりも好きだ。タイにはもう長く暮らしているので、むしろ自分にとっては外国ではない。だから、好きな外国を訊ねられたら、現在は真っ先にベトナムと答える。そんなベトナムのどこがいいのか、ボクの見てきた感覚で紹介する。今回の一連の最終回は、ハノイの次に好きになった中部の都市ダナンだ。

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 ダナンは今の60代以上の世代には行ったことがなくとも思い出のある地名のようだ。ベトナム戦争時はちょうど北と南を分ける軍事境界線が、ダナンの北にあるフエの先にあった。そのため、米軍が大規模な基地を造り、1968年のテト攻勢では大きな戦闘になった。連日、日本のニュースで報道されていた地名でもある。

 ハノイでもホーチミンでも言われたことはなかったが、ダナン到着時に画像をSNSにアップしたら、父親から「自分の息子がダナンに行っているなんて、なんだか不思議な気持ちだ」というようなことを言われた。ボクが生まれたときにはすでにベトナム戦争が終わっていたので、ベトナム戦争はアメリカの映画の中の出来事だが、父にはついこの間の話なのかもしれない。

 ダナンには12月に行ったので寒く、またなぜか湿気が多かった。それでも全体的にいい街で、もっとダナンのことを知ったらハノイよりも好きになるかもしれない、というほど気に入った街になった。

 思い入れもたくさんあるので、今回は画像多めで、よかったものを羅列していこう。

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 ホイアン5大料理のひとつとも言われるが、ダナンにも専門店が多いのがこの「ミークアン」だ。要するに、厳密にはホイアン料理ではなく、無理矢理5大に組み込んでいるだけで、ダナン料理と言った方がいいらしい。

 ミークアンはホイアンの麺料理カオラウよりもコシはないが、野菜や肉がたっぷりでかき混ぜて食べる。ヘルシーな味わいがあり、うどんサラダのような印象を受けた。右奥の米粉のせんべいを砕いて入れてもおいしい。

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 同じくホイアン5大料理とされつつどこにでもあるのが「コム・ガー」だ。コムはご飯、ガーはニワトリなので「鶏飯」といったところか。単純料理なので、名前だけで言えばベトナムのどこにでもある。ただ、ダナンやホイアンのコム・ガーは、中国の海南鶏飯、タイのカオマンガイに並ぶ、アジア鶏飯の代表選手になる。

 コム・ガーを食べた店は宿の真ん前にあって、あまりの寒さと長期の取材で疲れ果て、ダウンしてしまったときに寄った。

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 店頭を見てわかりやすかったので入ってみたものの、英語が1ミリも通じない。しかし、おかゆの大きな鍋があったので指さしで頼め、なんとか胃に優しい食べものにありつけた。

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 この鶏肉のおかゆがとにかくおいしい。ラーメンどんぶりのサイズにひたひたに入れてくれているのに、これで2万ドン(約93円)だ。安い。そしてなんとおいしいことか。結局、2日連続でおかゆを食べ、3日目には先のコム・ガー、それからその数日後に・・・・・・。

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 このバージョンの鶏飯も食べた。ぱっと見でサフランライスかと思ったら、黄色いもち米だった。でも、これもおいしかった。

 ほかにローカル飯でよかったのは、子牛の丸焼きだ。

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 肉自体はそんなにおいしいとは言えないが、このワイルド感がよかった。

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 ここも英語が通じなくて大変だったが、ダイレクトに子牛を指さしなんとか注文が通った。カンボジアでも子牛の丸焼き屋台に行った。あっちはもっとタレとかに工夫があったが、ここのタレはちょっと臭くて、なにもつけない方がよかった。マム(魚)か小エビを発酵させた調味料を使っているのではないかと感じた。

 肉は生春巻きの皮で包んで食べる。ハノイのシーフード屋台で生エビを食べたときにも出てきたので、ベトナムでは定番の食べ方のようだ。

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 ちょっと高めの店というか、きれいなレストランなら「陳めし」が絶対的におすすめしたい。日本に住んでいた台湾人が開いた中華料理店とかそんな話だ。日本語も通じるし、なにを食べてもおいしかった。久しぶりに麻婆豆腐を食べたが、サイコーだったな。

 あまりおすすめできなかったのはダナンの「ノボテル・ホテル」の上にあるルーフトップバーだ。とりあえず高い。一応、取材時はベトナムで最も高い場所にあるバーという触れ込みだったが、ビールはバドワイザーしかなく、しかも18万ドン(約840円)となっている。ワインなどはボトルもあるが、ビールでその値段だ。場所も高いが、値段も高過ぎで厳しい。

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 その値段を払う価値があればいいが、ダナンは言っても地方都市なのでそんなに夜景は期待できない。そこにこの値段はありえない。もし行くとしたら、18時オープンと同時に行くべきだ。日が沈む前の明るい時間帯なら街中が見渡せて迫力がある

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 ダナンの見所は東側の新市街のような場所がビーチリゾートのようになっている。ホテルも新しいところが多い。

 あとは川沿いにシンガポールのマーライオンをモチーフにしたような像があり、その横のドラゴン橋は毎週末の夜にショーが行われる。

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 橋のモチーフであるドラゴンが火を噴き、水を吐く。それをダナンの若者たちは見に来るのだが、正直なにがおもしろいのか。脱力系ショーとしてはおもしろいかもしれない。

 というのは、なにか音楽がかかって、スペクタクルに満ちあふれているのかと思えばそうでもなく、無音の中、ドラゴンの口からボッと火が出て、ブシューっと水が吹き出る。ただそれだけなのだ。

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 ダナンへは飛行機がいい。格安航空会社も数社あるし、日本やタイからの直行便もある。また、空港自体も市街地から近く、川くらいまでなら歩いて行けるくらい近い。

 さて、「ベトナムのススメ」のシリーズはこれで最終回となる。しかし、これが完全版であるとは思っていない。ベトナムの魅力が更新されたら、また情報をアップデートしてお伝えしたい。

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