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【タイ飯】バンコクでさえ意外とないのがクレープ

 オジサンもたまにはクレープやパフェが食べたい。ただ、誰も気にしていないとはわかっていても、妙な恥ずかしさと自尊心が邪魔をして、なかなか注文できない。

 とはいえ、タイではそんな心配はいらない。タイ人は他人にあまり干渉しないので、自分がしたいことを堂々とできるから、というのもあるが、現実的にクレープやパフェを、バンコクにおいてでさえなかなか見かけないからだ。

 その中で唯一と言ってもいい、日本的なクレープを楽しめるのが「AINO]だ。多くの商業施設にある、スタンド形式のクレープ店である。

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 なぜかタイにはクレープやパフェがあまりない。おそらく生クリームがあまり普及していなかったからではないか。今でこそどこでも生クリームのケーキなどがあるが、2000年代初頭は生クリームのケーキなんてそう見かけるものではなかった。日本的なパフェはほぼ皆無と言ってもいいかもしれない。今でもそう見ない気がする。

 パフェと比べたらクレープはまだ見かける方かもしれない。タイ式の菓子で「カノム・トーキョー」があるが、あれなんかは原型がクレープなのではないか。あるいは、たい焼き、大判焼き、もしくはどら焼きが原型かもしれないが。

 カノム・トーキョーは直訳すると東京菓子である。これは、かつてあった日系商業施設の大丸が売り出した日本的な菓子としてこう命名されたという説がある。中身は多くがタイ的なカスタードクリームや、タイの香草で作ったサンカヤーというクリームのほか、ソーセージを挟んでいる場合もある。

 最近は屋台などでもクレープが出てきた。フランス料理などのクレープ料理のように野菜やソーセージなどを挟んだ食事的なクレープもあるし、先に出てきたようにサンカヤーを入れているものなどいろいろある。

 ただ、ローカル屋台のクレープは多くがボクが求めるものではない。というのは、タイ式のクレープは生地がパリッパリ、あるいはカリッカリに焼かれているからだ。あれではクレープと言うよりはせんべいサンドで、「なんか違う!」感が半端ない。

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 その点、この「AINO]のクレープは日本的に生クリームを使うし、アイスやプリンを載せたり、生地も理想的な半生な感じでおいしい。生クリームなんかは若干素人感があって甘すぎないというか。それも案外よかったりする。

 ボクは高校が上野にあったし、生活圏も東武伊勢崎線、日比谷線沿線だったから、上野界隈によく出かけた。そのときにABABの入り口横にある(今もある?)クレープ店で生クリームとアーモンドとチョコレートのクレープを食べた。安く、かつ最も食べたいクレープの感じで好きだった。

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「AINO」のクレープは20種類はあると思う。どれも数十バーツレベルなので、日本よりも安く食べられるのは嬉しい限りだ。

 ただ、「AINO」のマイナスポイントを挙げるとすれば、多くのタイミングでクレープの生地が作り置きで冷たいということだ。上野のクレープ店は注文ごとに作ってたので、外は温かく、中がひんやりという食感だったが、残念ながらここではそれは叶わない。まあ、タイで日本的なクレープが食べられるというだけでも贅沢な願いを叶えてもらえているわけなので、これ以上をボクは望まない。

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