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イサーン・ディスコは一番おもしろいタイの夜遊び

 タイの夜遊びで特にタイらしさがあるのがイサーン・ディスコだ。タイ東北地方の雰囲気を持ったディスコであるが、正確にはそんなジャンルはないのかな。タイ人にはたぶん通じないと思う。カフェーと呼ばれる昔ながらの夜遊びのスポットがよりイサーン(タイ東北部)の色合いを強め、かつ若者や女性でも楽しめるようになった飲食店がこれに当たる。こういった店を外国人などがイサーン・ディスコと呼ぶのだ。ボクが初めて行ったディスコがまさにそれで、強烈な印象を受けたことを憶えている。

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 今だとバンコクのイサーン・ディスコで一番有名なのは、パタナカーン通りの「イサーン・タワンデーン」でしょう。ほかにはラマ3世通りの近くの通りや、郊外の方に点在している。

 かつては王宮前広場の横に架かるピンクラオ橋を渡ったエリアにイサーン・ディスコがたくさんあった。橋を渡ったすぐ右手のタウンハウス内にあったし、商業施設のパタの建物周囲にも何軒かあった。最近は遠くて行っていないのでまだあるのかどうかわからないけど。

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 ボクが初めて行ったのは、そのピンクラオのタウンハウス内のイサーン・ディスコだった。そこは食事席とダンスエリアが分かれていた。1998年1月のことで、このころのピンクラオはそういう設計がほとんどだった。

 4人も乗ればいっぱいの小さなエレベーターにエレベーターボーイが座っていたことも衝撃だったし、トイレも狭いのに肩もみ係が数人待機していた。小便しながら肩を揉まれたって気持ちよくないだろうに。

 海外旅行が初めてで、当然ながらタイも初めてなわけだ。タイ語なんてまったくわからなかったが、生バンドが入って奏でられる音楽がタイの田舎臭いものだということはわかった。いわゆるルークトゥンという、日本で言うなら演歌のような曲だ。踊り方も独特で、つい見入ってしまった。今考えてみると、外国人がひとりもいないあんな店によく行ったなと思う。

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 パタナカーンのイサーン・タワンデーンはそれよりはもうちょっと洗練されている。ステージがあり、そこでダンサーや歌手のショーを観ながら食事をして、踊りたい人はその場で立ち上がって踊る感じか。

 この形態はタイのディスコの原点的なものなのかなと思う。カフェーと呼ばれる飲食店はステージで歌手が歌い、札束でできた花輪をかけてあげるとそれが予約を意味し、歌い終わると歌手が席に来て一緒に食事ができる。基本的には店から連れ出すことができないのだが、そこで歌手と客の話し合いで店外デートもある。

 このカフェーの店外デートをなくして、女性でも気兼ねなく遊びに行けるようになったのがイサーン・ディスコなのかな。そして、そこでかかっている曲を流行曲に置き換え、かつ料理も本格的なものは供さないものがタイ式ディスコになったのでしょう。たとえばパタヤにあるハリウッドなどがそれだ。大概箱が巨大なので、ボクは体育館系ディスコと呼んでいる。バンコクのハリウッドはかつてはラチャダー通りソイ6にあったけれど、今もあるのだろうか。

生肉を喰らう6

 イサーン・ディスコがいいのは、ルークトゥンを中心にした音楽がガンガンにかかっている中で、生粋のイサーン人たちが踊り狂い、さらに彼らに向けた本格的なイサーン料理が楽しめることだ。もっと言えば、そういった地方出身者向けの店なので、安い。コスパが無茶苦茶いいのがメリットだろう。

 せっかくタイに来たのだから、タイらしい遊びがいいじゃないか。そういったときに、こういうイサーン・ディスコはおすすめだ。ただ、タイ人向けの店なので、酔客たちのいざこざも多い。外国人が狙われることはないが、注意するに越したことはないだろう。

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