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タイ出国時のスワナプーム国際空港

 2020年10月ごろの話になるが、タイから出国した。ボクの場合は婚姻ビザなので、いつでも戻ってこられるしと気軽に出たけれども、やっぱりボクのように外国へと移動をする人は少なく、空港はガラガラだった。スワナプーム国際空港はオープンしたばかりのころは天井の照明を間接照明にしていて妙に薄暗かったが、利用客がとてつもなく少ないことと、ボクは深夜便だったので平時でも人が少ない時間帯で、薄暗いどころか普通に暗いターミナルになっていた。

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 見送りには妻が来てくれた。といっても、運転して送ってくれ、そのままボクを降ろすとさっさと帰っていった。何か月か会わなくなるわけで、なにか会話があるかと思えばなにもなし。その点は全然ブレない。ボクの妻は、たとえばボクが取材旅行で1か月くらいいなくても、用事がない限りなんの連絡もしてこない。嫉妬深い人が多い東南アジアの女性にしてはさっぱりしていて、ライターの妻としては最適ではあるけれども。まあ、あの時点では空港が最も感染者が出ている場所だったというのもあるので、いたくなかったってのもあったのでしょう。

 日本は全日空と日本航空が毎日飛行機を飛ばしているのでいいのだが、国によっては一切飛んでいないところもあるわけで、利用客が少ないのは当然だ。タクシーも出国する人がいなのだから、来ることもほとんどなければ、待機もしていない。ちなみに、日本のフライトは毎日あるけれども、あの時点では日本からの往路はカラで飛んできて、復路は出国する人を乗せて帰る。

 普段なら、出国フロアの前の道路は渋滞していて、思ったところで降りることができない。でも、今は車がほとんど走っていない。ターミナルに入るためのドアも2番(だったか?)のひとつしか開いていない。

 今タイの空港は完全禁煙になっているが、一応、スワナプームはこの道路にひとつだけ喫煙所を置いている。ここも大混雑で、3月にベトナムに行くときは入れなくて、外に溢れていた。しかし、このときには誰ひとりここでタバコを吸っている人がいなかった。

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 ターミナルに入るとこんな程度しか人がいない。ほかのフライトを待つタイ人や欧米人などがわずかにいる程度。そういえば3月のハノイのノイバイ空港もこんな感じだったな。当たり前だけれども、飛行機がなければ空港に来る人がいないのである。

 階下の飲食店フロアを見に行った。店は開いているには開いていた。でも、当然客はほとんどいない。さらに下のエアポートリンクのフロアにも行ってみた。時間的に最終電車までは遠いのに、しんと静まり返っていた。両替所もほとんど閉まっているし、飲食店もやっていない。

 チェックインに関しては特になにもなかったかな。ANAはいつもちゃんとしているし、日本人が日本に行くのだから、それほど問題ないというか。むしろ3月のベトナムの方が、わざわざアプリでベトナム政府かなにかのサイトにログインして登録しないといけないとか面倒だった。

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 出国もなんら問題はない。出てってもらうのだからイミグレもささっと。

 ただ、3月の非常事態宣言から9月下旬まで無条件でビザが延長になっていたこともあって、外国人はみなオーバーステイの窓口に出国後に並ばされ、パスポートをチェックされる。

 この自動延長を利用していた人はパスポートにコロナによる自動延長のため、みたいな感じのスタンプを押され、オーバーステイではないことを書かれていた。

 出国してすぐのところにあるオブジェも、当たり前だが誰もいない。いつも人だかりでなかなか写真を撮れないが、このときは撮り放題だった。

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 免税店も大半が閉まっていた。夜中のスワナプームをあまり利用しないのだが、こんなに暗かったっけと思うほど。人もいない、店もやっていない、明かりは暗い。なんだか廃墟に来たような気分になる。

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 キングパワーは一応やっていた。でも、誰もいない。店員も最小限なのか、静かな店内だった。

 コロナとは全然関係ないけれども、免税店で買い物をするってなんの意味があるのだろうと、いつも思う。タイの場合、ベトナムもそうだけど、免税店より市内で買った方が安いものがいっぱいあるし。

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 バンコク市内のキングパワーで買ったものを受け取る窓口や、VATリファウンドの窓口も誰もいなかった。いつもなら中国人が山ほど並んでいるのに。

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 搭乗ゲート手前なんかは完全に照明が消えているし。ちなみにスワナプームは心霊スポットとしても有名。だから、こういうところはワクワクするけれども、下手なことをして捕まっても嫌だし、ここはおとなしく。

 いや、だってこんなに暗くて広いところだもの。なんか、奇声を上げながら全速力で走り回ったら、周りの人、怖がると思うんだ。可能ならやってみたい。

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 飲食店はいくつかはやっていた。このコーヒースタンドもやっていた。って、もうちょっと明るくやればいいのに。暗すぎてやっているのかいないのかがわからない。

 いずれにしても、東南アジアの空港は中に入ると異様に高いから嫌だ。マックとかも市中の倍くらいする。たぶんコーヒーもお高いんでしょう?

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 真っ暗だから、なんかすごい状態。しかも人がいないからなおのこと不気味な空間になっている。宇宙船の中のような。フライトもほとんどないから、内側も外側もとにかく静か。

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 ソーシャルディスタンスで一応ひとつおきに座るようにしているけれども、そんなの必要ないくらいに人がいない。でも、モバイルの充電スポットは使い放題だったからよかったな。それだけはありがたかった。

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 トイレに行ったついでに階下を見てみると、椅子が大量に並んでいた。入国の検査の待合なのでしょう。やっぱりこれを見ると、ベトナムから帰ってきたタイミングは絶妙だったなと思う。文字通り、滑り込みセーフだ。

 フライトは乗客が少ないので、あっという間に終了。ゲート前のベンチも薄暗くて、この世の終わりみたいだった。

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