チムって結局誰も知らないのか!?【ベトナム料理】
ベトナムが外国からのフライトを禁止したというようなニュースを見た。特に変異種が見つかった国はダメみたいだね。なかなか容易に旅行ができる世界にはならないもので。ベトナム、早く行きたいな。屋台に座って、通りを眺めながらビールを飲みたい。
そんなベトナムに最後に行ったのは、2020年3月15日からの5日間だ。たぶんこの日付は一生忘れないわ。入国できるかどうか微妙だった中、なんとか入ることができた。しかし、帰り際にタイに帰れなくなりそうだったところをギリギリの滑り込みセーフで帰国。ベトナムもボクの出国直後に完全鎖国にした。そのときに出られなかった外国人に対して、今も滞在許可を延長しているらしい。あのまま、ベトナムにいてもよかったな。
その最後の滞在のとき、ハノイに駐在している友人にいろいろと食事に連れて行ってもらった。その店で「Chim」(声調記号はあったかどうか憶えていない)を頼んだのだが、よくよく聞くと実に東南アジアらしさがあっておもしろいエピソードとなった。
そこはハノイの食堂街というか屋台街。ほかにもChimを真っ黒の油で揚げている店などもあったが、寒かったので食堂に入ることにして食事を始めた。
こういった牛肉の炒めものなど、よく見かける料理などと一緒にベトナムのビールを堪能する。最高のひと時。特に入国できるかどうかすらわからなかったので、ビールひと口目のひと安心ったらなかったな。
こういった麺類も頼んだ。これはメニュー名を全然憶えていないが、ベトナムではポピュラーな麺らしい。インスタント麺のようなもので、ハノイでは鍋物のあとなどに必ず入れるくらい一般的らしい。スーパーなどでは鍋や炒めもの用にこの麺だけを売っている。粉末スープなしのインスタント麺を売っているみたいで不思議な光景だった。
この麺料理に入っていた肉はなんだったかな。細かいことは全然憶えていない。たぶんそのときは憶えていたと思うが、その数日後の大波乱で全部忘れた。
さて、これがChimだ。普通にチムと呼んでいるが、ベトナム人はもしかしたら発音が違うかもしれない。チムは要するに鳥、あるいは鳥の肉を指すらしい。この店のメニューは英語併記で、英語ではハトと書いていたので、この店のチムはハトのローストというわけだ。
ところが、友人曰く「ここはハトだけど、ほかはそう書いていない」のだそうで。日本でトリ肉といえば鶏だが、Chimと書いた場合は鳥肉ということになるわけだ。ウズラだとかキジだとかいろいろあろうが、そのどれかがわからない。ベトナム人に訊いてもわからないという答えしか来ないという。
数日後、タイやベトナムのいずれかでいつも飲みに行く先輩がこのときはハノイにいたので食事をした。そのときに交際されているベトナム人女性も来た。色白でかなりの美人だった。しかも、日本語がベラベラ。これはChimについて訊かなければ。
ということで訊いてみたら、驚くべきことに、というか案の定というか、Chimがそもそもなんの肉かをやっぱり知らなかった。「チムはチム。鳥の肉でしょう。鳥は鳥なんだから、それ以上知る必要がある?」と。いや、知る必要あるでしょう。
必ずしも全員というわけではないとは思うが、でも多くの一般ベトナム人がChimが結局なんという鳥の肉なのかを知らないで食しているようである。
そんなチム、ここではハトのローストだが、そのまま食べてもおいしいし、このボクが勝手にベトナム万能ダレと呼ぶムオイ・ティエウ・チャンで食べてもいい。岩塩とコショウ、トウガラシに完熟のライムを絞っただけなのだが、すべての肉料理に合う。小粒の完熟ライム(そもそも完熟ライムかどうかわからないけど)はタイにはないので、ベトナムでしか食べられない(カンボジアにもあった気がするけど)。
ああ、こういう料理をハノイの街中で食べたい。ベトナム、行きたい行きたい行きたい。
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