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コンセプトが極端と感じるタイの氷点下エンタメ施設

 ここのところずっとタイが日本観光ブームになっているのは、日本政府がタイ人への短期査証を免除にしたからだ。2013年7月からで、2週間程度の観光ならビザなしでタイ人も日本に来ることができるようになった。

 ただ、実際的には日本観光ブームの方が先で、日本政府がタイ人への観光ビザを免除にしたのは金になるからと見たからに違いない。同年かその前年2012年の後半にタイ航空がバンコク-札幌の直行便を就航させている。これによって富裕層が2013年の雪まつりに出かけ、それがタイのテレビで紹介されると、雪のないタイからしたらいつかは行ってみたい場所として刺激され、日本観光ブームが始まった。

 東京などで雪を見ると確かにテンションが上がるが、そこまでして見たいとは日本人は思わないでしょう。それは結局のところ、冬になれば気軽に見に行くことができるからだ。やはり雪のない国の人からすると、雪が降り、そして積もるということが不思議でならない。

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 タイ国内にはいくつか雪などが見られるエンターテインメントの施設があった。常設もあるし、イベント的なものもある。ランシットの方にある遊園地にも雪の施設があると聞いている。それから、エカマイの商業施設も一時期雪をテーマにしたエリアがあった。

 BTSがまだベーリン駅までしかなかったころ、駅前に中国の最北端の省である黒龍江省の省都ハルビンの氷祭りを模した施設があった。最初から期間限定だったのかもしれないが、あっという間に消えてなくなった。2014年のことだ。

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 2014年ということはすでに日本のビザも免除になっている。それならば日本の名前を冠しておけばよかったのにと思わなくもない。ハルビンを知っているタイ人は少ないはず。

 ここは雪の施設ではなく、氷の彫刻などがメインになった施設だった。ちなみに、まだ営業しているかどうかわからないが、パタヤにも氷の施設があったりする。中はマイナスの世界で、雪を通り越していることがなんというか極端だ。

 こういった施設は料金に含まれる形で一応上着などの貸し出しはあるが、このハルビンの施設は靴はなかった。だから、サンダルで来た客は上着は借りるけれども、足元は素足のサンダルという地獄のような施設だった。

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 息子がまだ小さいときに連れて行った。長女が学校に行ってたので、その間に取材を兼ねて来た。でも、滑り台を滑っても、息子の顔が全然晴れやかにならない。ちなみにパタヤの氷の施設はこの数年後に行ったが、このときも全然楽しそうでなかった。

 ボクもそうだが、寒さに不慣れなのでマイナスの部屋に5分もいれば顔の筋肉が凍りそうになる。だから、命の危険を感じてしまい、全然楽しくないのだ。もうちょっとやわらかい内容にすればいいのに、極端に寒いことにするからこうなる。

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 そして、それに追い打ちをかけるように、氷のコップでジュースを出される。取材で行ったので無料で出してくれたのだが、ホント、地獄でしかなかった。一応温かいココアもくれたが、ジュースの撮影をしている間に凍ってしまったし。

 ランシットの遊園地内の雪施設がまだあるのかわからない。エカマイの雪エリアは1年くらいでなくなったのかな。ここハルビンはとっくにないし、いずれにしても、これだけ雪に憧れのあるタイ人の間でさえそれほど話題にならないのが現実だ。タイ人は雪に興味があるけれども、人工的なものでもいいから見たいわけではなくて、実際に降る雪を見たいのだ。そこを間違ってはいけないようだ。

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