【ベト飯】ハノイでヤギ焼肉を食す
タイでは食べないがベトナムではヤギ肉をよく食べるようだ。ハノイにもヤギ肉料理店がたくさんあり、ボクが好きな店は旧市街の中心でもあるドンスアン市場そばにある「ラウ・ゼ・ニャット・リー」である。チェーン店なのだが、店内はきれいだし、ベトナム人にも人気のようでいい店なのだ。
店名のラウ(LAU)は鍋という意味で、ゼ(DE)はヤギという意味だ。すなわちヤギ鍋の店なので、ベトナム人は鍋か鍋&焼肉を頼む。ボクは焼肉一択で楽しむ。
とりあえず、この店は少々ハードルが高い。というのは、英語が全然通じない。一応卓上にちょっとだけ写真がついたメニューがあるが、正直、なんのこっちゃわかりはしない。
毎回ジェスチャーで注文するのだが、今回は在住の友人と一緒に行ったので、いろいろと知ることも多かった。さらに、友人はメニューを撮った上で勤め先のベトナム人従業員にメニュー内容を訳してもらったそうなので、それをそのまま転載したい。感謝。
DE UOP NUONG:タレつきBBQ用ヤギ肉
BE SUA:乳房
TIM,GAN,CAT DE NUONG:ヤギのハツ、レバ、腎臓のBBQ
DE TAI CHANH:ヤギ肉のライムサラダ(?)
DE HAP:蒸しヤギ肉
DE XAO SA OT:ヤギ肉のレモングラスとトウガラシの炒めもの
CHAO DE:ヤギのおかゆ
RUOU NGOC DUONG:睾丸酒
RUOU BA KICH:桑木の根の漢方酒
RUOU NEP CAI HOA VANG:もち米の酒
こうして画像を見ると、一応英語と韓国語が書いてあるね。最後に来たとき(2017年12月)はなかった。今回このように英語が一部には記載されているが、ただこのメニュー、卓上のものなので、かなり小さい。友人はアップで撮影しているので大きく見えるが、実際はかなり小さい。
ボクが最も好きなのは「BE SUA」だ。ヤギの乳房である。ところが、メニューを見てわかるように、ここにはヤギを示す「DE」がない。どうもヤギの乳房は食用として流通するには少ないため、実際には豚の乳房なんだとか。それならタイにもあるのに。正直知りたくなかった事実である。
これが乳房なのだが。ずっとヤギのだと信じていたのに。まあ、おいしいからいいのだが。ちなみに、ここではタレが2種類あり、ゴマダレっぽいものと、岩塩に完熟ライムを搾ったものが自動的に供される。ゴマっぽいのはあくまでもゴマっぽいものでゴマではない。かなりまずい。おすすめは万能塩ライムだ。
これら肉類はそのままタレにつけて食べてもいいし、生春巻きの皮に包んで食べてもいい。太いオクラも焼いてくれて、それらと包んでこの万能ダレにつけるともう最高だ。
ヤギ肉は臭いにクセがあると言えばあるし、ないと言えばない。少なくとも、マトンを臭いと思わない人なら全然問題ないと思う。
そもそも「焼肉」である。焼肉には酒でしょう。ビールでしょう。友人撮影のメニューを見てもらえばわかるがちゃんとビールがある。また、ほかにもRUOU、すなわちアルコール類も充実している。
ビールもおすすめだけれども、ハノイに来たらハノイ式の飲み方がいい。そう、ハノイ・ウォッカだ。本場ロシアのものよりもたぶん飲みやすい。
同名のブランドもあるけれど、この店にはこの「Men' VODKA」がある。このサイズで7万ドンなので安い。約350円くらいか。ちなみに、これが空港の免税店で購入すると、価格はなんと7万ドンである。免税店と飲食店が同じ値段って・・・・・・。
ハノイの若者は仲間と集まればこういったウォッカで飲むらしい。2011年ごろに取材で来て、宿の家族と食事に行った際はやはりウォッカを飲んだ。ちょっと甘い印象で、かなり飲みやすい。とはいえ、空腹にはかなり酔いが回りやすいけれども。
あと、友人によれば、会社の集まりなどではみんなが各々自家製の酒を持ち寄り品評会になるようだ。元々ベトナムはアルコールが安いが、持ち寄ればさらに安くなる。ベトナム人は、特に農家とか田舎の人は自分たちでいろいろなもので酒を造るのだとか。
この「ラウ・ゼ・ニャット・リー」にも似たような酒があった。こんなの、ベトナムのことを知らなければわからない。友人がいたから頼めたものだ。
この「RUOU NEP CAI HOA VANG」だ。もち米から醸造した酒で、結構アルコール度が高かった。むしろハノイ・ウォッカよりも胃が熱くなるレベルだ。NEPがもち米という意味で、CAI HOA VANGはもち米の品種なのだとか。
このRUOU NEP CAI HOA VANGが恐らく自家製と思うのは、オリジナルのロゴ入り瓶を使っているわりにはフタがゆるゆるでちゃんとハマっていなかったからだ。この「ラウ・ゼ・ニャット・リー」はハノイ市内に何軒かあるみたいなので、セントラルキッチン方式になっている可能性もあるが。
アルコールメニューの中にワインというのもあるが、「RUOU NGOC DUONG」もかつて試したことがある。これはヤギの睾丸を漬け込んだ酒のようで、獣臭が半端なかった。でも、ボクはわりと好きだったけれど。その下にある「RUOU BA KICH」よりもよかった。これはムラサキの苦い酒で、草を食べているような味だった。睾丸は金色の酒で、草よりは飲みやすさがあった。
ちなみに、RUOU BA KICHのBA KICHはインディアンクワとかの一種らしい。てっきりモリンガかと思っていたが「モリンダ」という英語名らしく、全然違うのだとか。これも友人が教えてくれた。
「桑木の根。こういうものらしい。漢方やね。これを家庭で酒に漬けて飲むことはわりとポピュラーらしい。消化をよくするとか」
ちなみにGoogleで調べると、こんな感じらしく。
悪く言えばかなり騒々しい店だが、よく言えば活気がある。全然英語が通じないが、上記メニューの翻訳を参照してもらえれば注文しやすいだろう。
以前行ったときは写真も英語もなかったので、おっぱい焼きを頼むためにジェスチャーで表現した。手を胸の前に持って行き、揉み揉みする動きである。揉む必要は今考えるとないのだが。
海外でひとり焼肉の上に40過ぎたオジサンがおっぱいのジェスチャーっていうのはなかなかメンタルに響く。この友人が送ってくれた訳がそんな悲しい目に遭わないアイテムになってくれることを祈って。