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【タイ飯】グン・チェー・ナンプラー【海鮮】

 今でこそタイ人もいろいろな国の料理を楽しみ、中でも和食を好んで食べる人が多くなった。しかし、2010年以前は和食は富裕層くらいしか食べず、中流層は家でも外食でも、基本はタイ料理だった。

 そんな中流層の人の中には、和食は味が薄いとか、刺身は気持ち悪いとか言う人が少なくなかった。東北部や北部でゴイなどといった生肉料理があり、かつ血を混ぜるものなどもある。そちらの方がどう考えても気持ち悪いものだが、タイ人はその存在を忘れて刺身を批判したものだ。

 もっと言えば、タイ料理にも海鮮の生ものだってある。そのあたりはどうお考えなのか、小一時間、刺身批判のタイ人たちに訊きたいところだ。

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 そんなタイ料理の海鮮系生ものでおすすめというか、ボクが好きなものは「グン・チェー・ナンプラー」だ。グン=エビ、チェー=漬ける、ナンプラー=魚醤なので、本来は「エビのナンプラー漬け」といったところか。実際には漬けるというよりも、殻を剥いた生のエビにナンプラー、あるいはシーフードソースをかけている。日本のタイ料理店ではエビのたたきと訳す飲食店が多い。

 シーフードレストランなら必ずあるし、普通のタイ料理店でも結構見かける。ただ、鮮度は店によって違うので、おいしいかどうかは店というよりも、そのとき次第だ。

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 ここはタイなので、エビの管理が微妙なところなので、店によってだいぶ味わい以前に、危険度が違う。生肉料理もそうだが、そもそも生食用にしているとは限らないし、まな板などの清潔感も不明だ。そのあたり、自己責任になるが、問題ないと思うならこのグン・チェー・ナンプラーを楽しんでほしいところだ。

 ボクがおいしいと思ったのは2箇所あり、ひとつはバンコクのヤワラーにある海鮮店だ。緑のシーフードとも日本人から呼ばれる、緑色の制服を着た店員がいるシーフード店「T&Kシーフード」がよかった。

 ただ、ここは入荷のタイミングになると思う。おいしい日と普通の日の落差が大きい。おいしい日はエビの身も大ぶりで、ぷりぷりの食感になっている。

 もうひとつは、チャチェンサオ県の飲食店だ。スワナプーム国際空港から東に行った辺りにある。この近辺は海ではないのだが、汽水の養魚場があって、バラマンディだとかエビだとかが養殖されている。ここで捕れたばかりのエビが入荷されるので、わりと新鮮だった。

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 店名は「アードゥアン・アハーンパー」だ。意味合いは「ドゥアンおじさんのジビエ料理店」といったような。ジビエといっても、タイは法的に本物のジビエ肉は商売で出せないので、鹿肉やイノシシの肉などではあるものの飼育された肉を使っている。

 エビの鮮度もいいのだが、普通グン・チェー・ナンプラーというと生のニンニクがつきものであるところ、ここはニンニクの漬けものになっているので、ちょっと味わいが違うというか。

 ほかにもグン・チェー・ナンプラーがおいしい店がたくさんある。大手で人気の店だと回転率が高いので、鮮度がいいエビであることが多い気がする。メニューで見かけたらぜひ試してほしい逸品だ。

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