子どものころに謎の音が聞こえた靖国通りのある場所
先日、大阪のイベントで「亜細亜熱帯怪談」(晶文社)を手売りするため、出版社に書籍を引き取りに行った。神田の本屋街にあるのだが、ふと子どものころにこの近辺で超音波というのか、信号音なのか、謎の音が聞こえ、つらかったことを思い出した。
この靖国通りと、お茶の水の駅に向かう通りの交差点はボクにとって思い出深い場所だ。三省堂には子どものころからいつも出入りして、本に特に夢中だった時期はここで抱えるほど本を買って帰ったものだ。
バイク便のバイトをしたこともあって、この交差点で待機してポケベルの呼び出しを待っていた。当時、交差点の角にパン屋があったはずで、そこで買ったパンを食べながら、バイクに座って三省堂で手に入れた本を読んで仕事を待った。
この交差点から秋葉原方面に向かった側はスポーツ用品店が並んでいる。今はだいぶその数が減ったような気がする。10代のころだったか、インラインスケートをしていたことがあって、足立区にそんな洒落た店なんてないものだから、わざわざここに来てパーツを買ったりしたもので。
問題の音が聞こえたのはこのスポーツ用品店の界隈だ。確か、こちらの側にあんぱんまんなどの絵本を売る店があり、その隣辺りにミズノのショップがあった。ジョギングシューズだったかな、登山用具だったかな。あるいはスキー道具だったか。なにを揃えていた店かは憶えていないが、とにかくその店の周辺に来ると変な音が耳に聞こえてきた。
年齢的には幼稚園、小学校2年くらいまでだろうか。もうちょっと上のときも聞こえたかもしれない。耳にピンピンピンピン、あるいはキンキンキンキンというような、超音波的な信号音というか、不快な電子音のような音が聞こえて、だんだん頭が痛くなってくる。
最初は視覚障碍者向けの信号の補助音かと思ったけれども、あれって通りゃんせとかの音楽だしな。
いずれにしても、大人にはまったく聞こえない。親に言っても相手にされなかった。たぶん音で頭が痛くなって首を振ってたりして、それを笑う店員もいた。全然聞こえていないようだったし、時代も時代で、子どもの話なんて聞いてもらえないというか。まあ、うちの親はいいか悪いかで言えば、わりとひどい部類に入る親というか家庭だったので仕方がないのだけれども。
そんなことをこの前久々に神田に行って思い出した。小学校高学年のときにはその音は聞こえなかったと思う。何年か前に取材用にマウンテンシューズを買いに行ったときはまさにその辺りのショップだったが、今になって思い出したということは、そのときは感じもしなかったわけで。
結局あれってなんだったのだろうな。同じような経験をした人に会ったことがない。だから、なんだかわからずじまいでいる。
マウンテンシューズで思い出したけれども、本格的な登山靴ではなくて、いわゆるマウンテンシューズ、あるいはトレッキングシューズってのはなんであんなに弱いのだろう。海外取材とか他県の取材などでは便利なので、一時期は好んで使っていたが、ちゃんとしたアウトドア用具メーカーのものなのに、だいたい2年ももたない。バンコク取材時は履かないから、年に計1ヶ月分も使わない。だから、実質2ヶ月で使えなくなる。使うときは1日8時間歩き続けるとか酷使するけども、それにしても弱い。
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