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「天赦日+一粒万倍日」にピンク・ガネーシャで知られるワット・サマンに行ってきた
昨日、6月20日は天赦日と一粒万倍日が重なる、2020年トップクラスの吉日だったそうだ。現在は世界的規模で経済的にも厳しい状況になっているので、ボクに残されている道は努力ではなく神頼みしかないと思い、寺院に行ってみようと思ったわけだ。タイも今月15日からかなり規制緩和が進んでいるので、こういった寺院参拝も問題なくなっている。
そこで選んだのがピンク色のガネーシャ像が有名なチャチェンサオ県の寺院「ワット・サマン・ラッタナラーム」(以下ワット・サマン)だ。九星気学の方位を見たらちょうど自宅からも吉方位に当たるので、家族と行ってみた。
ワット・サマンはバンコクから見て東の方向、チャチェンサオ県内にある。バンパコン河にある島になった部分に建立されていた。近隣は果樹園や田畑が多く、かつこの辺りの河は季節によっては海水が流れ込んでくるので、魚介類も豊富だ。
バンコクからはスワナプーム国際空港の北側を走るモーターウェイを東へと走っていく。そして、チャチェンサオの出口で降り、365号線で右折していく。バンパコン河を一度渡り、上記地図だと島の下に架かる橋に戻ってくる。
島内に入るとあちこちに宿泊施設や飲食店が見えてくる。特にシーフード料理店が多くあった。
タイはすでに雨季に入っているが、この日は快晴で暑かった。吉日でもあり、また自由に外に出かけられるようになったからか、10時ごろには駐車場も満杯だった。
寺院敷地内にはコンビニもあれば、カフェやアイスクリームショップもある。さらに市場も併設されているので、地元民も食べものや服を買いに訪れる。それくらい賑わっているのだが、タイの地方では寺院はエンターテインメント・スポットのひとつなので、ワット・サマンのこの雰囲気は別に特別なものだというわけではない。
ほかにも寺院内には子どもでも楽しめるアトラクションが目白押しだ。たとえばボートトリップがある。
船は寺院の川縁にあるレストラン脇から乗ることができる。2種類あって、大型船と6人まで乗れる小型ボートだ。ワット・サマンがある島は水門があるので、大型船は寺院周辺を走るだけ。小型はぐるりと島を回るのでおすすめだ。
小型船の所要時間はおよそ40分くらい、1艘あたり300バーツとなる。島の周囲、両岸はマングローブ林になっていて、野鳥や小魚の群れ、漁師がエビやカニを捕っているところが見られる。
それから寺院につきものである魚の放流がある。数種類の魚があり、それぞれにご利益が違う。また、生まれた曜日によって放流する数が違うらしい。
このワット・サマンにおいては自分の生まれた曜日が重要な情報になるので、事前に調べておこう。タイ人は自分が生まれた曜日をしっかり憶えている。いずれにしても出生証明書にも曜日が明記されるので、タイ人は忘れないようだ。
川縁では各所に魚のエサも売っている。ひと袋10バーツだ。この日はまだ川の水が海水なので、寄ってくる魚がたぶん海の魚なのか。形はカワハギのような魚であった。
駐車場寄りの池では鯉というか金魚みたいな魚がたくさんいて、なぜかほ乳瓶でエサを与えていく。結構力強く吸うのでしっかり持っていないとあっという間にほ乳瓶を持っていかれてしまう。
こういった魚のエサはただ置いてあり、横の箱に小銭を入れていく。タイ人はこういうときにごまかしたりしないので、そのあたりはエラいと思う。ただ、タイは善人ばかりではない。寺院内でも窃盗をする輩もいるので、財布やカバンには注意しておくべきである。
ワット・サマンはこのように河に沿って建てられている。各所に見どころがある。まずは北側、画像でいう右奥にある建物から見ていきたい。
ちなみに、ワット・サマンがいつどのように建てられたのか記述しているサイトがなく(単にボクが見つけられていないだけかもしれないが)、よくわからない。ワット・サマンは特に金運に強いとされ、即効性が高いことからタイ人に人気があった。タイの仏教徒は主に来世のことを祈るために来るのだが、ワット・サマンはバリバリの現世利益向きといったわりと珍しい寺院なのかもしれない。
北側の棟には様々な仏像が置かれ、僧侶も座っているので、読経してもらうことができる。
ここには青い肌をしたガネーシャの像があった。タイ語でガネーシャはプラ・ピッカネートと呼ぶ。仏教はわりとヒンドゥー教に共通する部分が多いが、日本と違い、タイの場合はヒンドゥー教で描かれる神のまま像が置かれて崇拝される。とはいえ、ワット・サマンほどガネーシャが前にあるのも珍しい気がする。
ちなみに、ボクは今月に入ってシヴァ神にムチャクチャ怒られる夢を見た。それもあってシヴァ神の息子でもあるガネーシャが思い浮かんだので、ワット・サマンに来たという理由もある。さすがにタイの寺院でシヴァ神を祀るところは聞いたことがないので。
また、ガネーシャの頭が象である理由は神話にあるのだが、いくつかある説の中のひとつに、シヴァ神がガルーダ(インド神話の火の鳥のような)に乗ってなくなってしまったガネーシャの頭を探しに行くというものがある。ボクが首に提げているタイのお守りはガルーダだ。だから、なにか縁があるような気がしてならない。
この青いガネーシャの存在はまったく知らなかったので、ここまで歩いてきてこれを見つけたとき、ああこれに呼ばれたのか、と思った。
青いガネーシャの棟の前には河にせり出し、蓮の花を想起させる祭壇がある。この周囲に仏像が置かれているので、桟橋横でコインを借り、ひとつずつに入れていく。器ひとつで20バーツだったはず。
さて、メインのピンクのガネーシャだ。ガネーシャは金運、財運の向上のほか、折れた牙はペンになったとかで学問の神でもある。要するに、いろいろな現世利益を望める。このピンクの像は高さ16メートル、幅22メートルと大きい。
この像の前、画像でいうと河に面して小屋があるのがわかる。お参りセット40バーツを借り、ここでまずは祈る。ロウソクと線香に火を灯し、ロウソクを台に立てる。これが結構難しい。
そのあとに線香と花を手に挟み祈り、金箔を仏像に貼る。5枚くらいあるので、置いてあるメインの仏像すべてに1枚ずつ貼れる。花は外の台に置く。
ガネーシャの周辺には各種の色がついたネズミがいる。色は曜日に合わせているそうだ。下記が曜日の色になる。
日曜日=赤
月曜日=黄
火曜日=ピンク
水曜日=午前中生まれは緑、午後生まれは黒
木曜日=オレンジ
金曜日=青
土曜日=紫
あるいは金色のネズミはどの曜日でもかまわないらしく、ネズミの耳に願い事を言う。そのとき、もう片方の耳を塞ぐこと。そうすると、ネズミがガネーシャに願いを届けてくれて、通常の3倍速で願いが叶うのだとか。
こういったゾーンもあった。よくわからないのだが、ミャンマーの聖地にも岩が落ちずに乗っかっている山があったはずで、そのレプリカなのか、上座部仏教ではよくあるものなのか。
この岩のオブジェの下にはルーシー(仙人あるいは老師)と、日本の座敷童子に相当するクマントーンの像があった。
画面の端にいくつか見えるが、日本のアニメキャラクターなどのオブジェがワット・サマン境内にたくさんあった。ドラえもんなどが壁画に描かれる寺院がタイ国内にあって、そこは子どもたちに興味を持ってもらいたいからという理由で、ゲームに隠されたイースターエッグ並みに探さないとわからない程度にドラえもんが散りばめられている。しかし、ワット・サマンのアニメキャラはこれでもかというほどに設置してあって、日本なら一発退場レベルのアウト案件だ。
これもよくわからないのだが、ワット・サマンには同じ敷地内に中国式の廟もあった。その横には巨大な中国式観音菩薩が立っている。廟の中も中心は観音菩薩だった。
中国寺院の隣には巨大な像があった。これはバンコクのセントラル・ワールド近くにあるエラワンの祠と同じ、ブラフマー神の像だ。日本だと梵天とも呼ばれる。
先のピンクのガネーシャの土台の中はお守り店になっている。ちなみにボクはシヴァ神の金色のブロマイドを借りた。そして、このブラフマー神の土台の中でもお守りを借りることもできるし、特別な仏像の博物館のようにもなっている。
いろいろな像があったが、このナーラーイの像にボクは惹かれた。なんか全部を盛り込んだ感じですごい。
ナーラーイは日本だとナーラーヤナ、あるいは那羅延天(ならえんてん)と呼ばれている。ビシュヌ神の化身で、ビシュヌはシヴァ、ブラフマーと共にトリムルティー(三神一体)のひとりだ。
寺院の南側の端には小さな仏像が立ち、その近くに2頭のナーガが河を見ている。
画像中央あたりに見える桟橋が船着き場になるが、その隣にはシーフードレストランがあった。
結構安めで、エビの炭火焼きが1キロあたり900バーツだ。大体12匹くらい。画像は半分の数だった。このあたりで養殖しているエビを思われ、まあ新鮮でおいしかった。
生エビのタタキであるグン・チェー・ナンプラーだ。エビの身が大きくて、食べ応えがあった。
それから、シーフード料理店で最近は定番のワタリガニの青パパイヤ・サラダであるソムタム・プーマーもあった。ワタリガニは生である。
しかし。エビの炭火焼きはおいしかったが、ほかの料理は値段相応で、大したことはなかった。寺院内の飲食店なので、おそらく固定客がいない。その点では以前下記でボクが書いた行ってはいけないタイ料理店の条件を満たしていたのかな。
ほかにも普通のタイ料理の屋台街みたいなのもあった。そこでも少し食べたが、こちらはそんなにまずいとは思わなかった。特においしくもなかったけれど。
ほかには市場のようになっていて、屋台などもたくさんあった。宝くじ売りもいて、バンコクより安い、1枚80バーツであった。
帰り道の話だが、こんな店もあった。ドリアンが1個あたり100バーツだ。バンコクと比べたら格段に安い。ただ、100バーツ「から」であって、中には130バーツなどもあったけれど。ほかにも数種類の果物があった。
ドリアン売りがよくドリアンを叩いている。細い棒でポクポクして食べ頃かどうかを判断する。手の空いている店員がいたので、叩いてわかるものなのか訊いてみた。
すると、食べ頃とまったくそうでないものを出してくれ、叩いて見せてくれた。確かに違う。本当の食べ頃がわかるには経験が必要だが、食べられないものの音はわかった。訊いてみるもんである。