第三十八回:ウォーレン・バフェットの「システィーナ礼拝堂」の比喩から学ぶ──自分を信じ、投資という絵を描き続ける
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
2008年、ウォーレン・バフェットが語ったとされる言葉があります。
まずはどうぞ。
このエピソードは一見、「芸術家のこだわり」のようにも聞こえます。しかし投資家目線で読み解くと、バフェットが伝えようとしたメッセージには重要なヒントが詰まっています。
本記事では、この言葉から学べる「自分を信じること」の大切さや、投資家としての姿勢について考えてみましょう。
それではどうぞ!
1. 外野の意見に左右されない姿勢
バフェットの発言の中で印象的なのは「自分の絵に対して、周囲から『もっと赤を使った方がいい』などと言われても気にしない」という点です。
投資の世界では、メディアやアナリスト、友人、SNSなど、あらゆるところから「これは買いだ」「いや売りだ」といった意見が飛び交います。
もちろん多面的な情報収集は必要ですが、それに振り回されすぎると、自分自身の投資哲学がブレてしまいがちです。バフェットは「自分の描く絵(投資スタイル)をしっかり持て」というメッセージを伝えています。
2. 本質的な価値を重視する
彼は「その絵にいくらの値がつこうが気にならない」とも述べています。これは短期的な株価の変動よりも、企業の内在価値や長期的成長ポテンシャルを重視するバフェット流の投資哲学そのものです。
株価が上がったり下がったりするのは市場の“評価”ですが、本質的な価値が一夜にして大きく変わるわけではありません。
だからこそ、投資対象の企業のビジネスモデルや経営陣を自分の目で納得いくまで調べ上げる。そのうえで「この企業は成長し続ける」という確信を持てたなら、短期的な価格の乱高下に動じずに“絵を描き続ける”ことができます。
3. 投資は「終わりなき創作活動」である
「描くことは決して終わらない。それが素晴らしいところ」という言葉は、投資家の行動にも通じます。人生そのものです。
株式投資をはじめ、資産運用の世界は常に市場や経済環境が変化していきます。一度投資を決めた後も、新たな情報や状況を踏まえ、ポートフォリオの調整や銘柄の見直しなど“描き足す”作業が続きます。
大事なのは「自分の描きたい絵は何か?」を常に意識し、多少の修正をしながらでも描き続けることです。焦って途中で投げ出してしまえば、中途半端な作品になってしまうでしょう。
4. 結局は「自分を信じる」ことが要
バフェットは長年にわたり、“自分の流儀”を貫いてきた投資家です。その過程では周囲から批判的な声があがったり、市場全体が悲観的になった局面も数え切れないほどありました。
しかし、彼は常に「自分の理解できる企業」に集中投資し、ブレない姿勢を貫いてきました。
この「自分を信じる」姿勢こそが、彼の成功の最大の理由です。
どんなに大きな変動があっても、自分が描くビジョンや企業価値への確信を持つ。そこに投資の醍醐味と成功のカギがあります。
まとめると
周囲の声に振り回されない
メディアや他者の意見に惑わされず、自分の投資哲学をしっかり貫く。本質的な価値にフォーカスする
短期的な株価よりも、長期的に持続可能な企業価値を見極める。投資は終わりなき創作活動
市場環境や企業状況に応じて、常に学び・考え、ポートフォリオを改善する。最後は自分を信じる
自分で調べ上げ、理解し、納得した企業に投資する。自分で描く投資ストーリーを大切にする。
バフェットの「システィーナ礼拝堂」の比喩は、自分なりの投資スタイルをもって、周囲の声に惑わされずに長期的に“絵を描き続ける”ことの大切さを教えてくれます。投資家であれば、ぜひこの言葉を胸に刻み、ブレない信念と共に資産運用を続けていきたいものです。