投資全般に関わる:政策金利が下がると市場に何が起こるか?歴史から学ぶ投資家向けガイド
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
最近の連邦準備制度理事会(FRB)による大幅な政策金利の引き下げは、市場にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
さらに、歴史的なデータを基に、金利が下がると株式、債券、その他の投資にどのような影響があるのかを見ていきましょう。
投資家にとって重要なポイントをわかりやすく解説します。
政策金利引き下げ後の株式市場の動向
FRBが金利を引き下げると、通常、株式市場はポジティブな反応を示します。
過去のデータを見ると、利下げが始まってからの1年間でS&P 500は平均して約9.9%のパフォーマンスを記録しています。
具体的な事例を挙げると、
1984年、1989年、1995年、1998年、2001年、2007年、2019年の各利下げサイクル後、S&P 500はプラスの成長を遂げた期間が多かったのです。
特に中小企業が多く含まれるRussell 2000指数は、S&P 500を上回るパフォーマンスを示すことが多いです。
これは、中小企業が変動金利の負債を多く抱えており、金利引き下げにより直接的な借入コストの削減という恩恵を受けやすいためです。
債券市場への影響
金利が下がると、10年国債の利回りは歴史的に緩やかに上昇する傾向があります。これは、投資家が将来の金利水準を予測し、国債に対する需要が変動するためです。
ただし、2008年の金融危機のような異例の状況では、FRBが金利をゼロに引き下げる必要があり、利回りは大幅に低下することもあります。
また、社債のスプレッド(高リスクと低リスクの債券利回りの差)は、通常、金利引き下げ後に縮小します。これは、健全な経済状況下で企業の信用リスクが低下し、投資家がより低リスクの社債を好むためです。
しかし、景気後退時にはスプレッドが拡大するリスクも存在します。
通貨と金への影響
金利引き下げは米ドルの価値を下げる傾向があります。これは、外国人投資家が他の通貨に対するドルの魅力を失うためです。
ただし、2001年の9月11日の同時多発テロのように、特定の状況下ではドルが逆に強くなることもあります。
一方、金はしばしば避難先やインフレヘッジとして認識されており、金利が低下するとその価格が上昇する傾向にあります。
これを書いている2024/09/25現在はまさにそれに当てはまる部分があります
金は収入を生まない資産であるため、低金利環境下では投資家が金を魅力的な投資先と見なすのです。
経済全体への影響とリスク
大事なことなのですが、金利引き下げは必ずしも株式市場や債券市場にのみプラスの影響を与えるわけではありません。
金利引き下げが経済成長を促進できない場合、企業利益が期待通りに伸びず、投資家が不安を感じることで市場全体が下落するリスクも今後存在していることになります。
例えば、ドットコムバブル崩壊や2008年の金融危機の際には、金利引き下げにもかかわらず市場が急落しました。
まとめ
FRBによる金利引き下げは、歴史的に見て株式市場にとって好材料となることが多いですが、経済全体の状況によってその影響は大きく異なります。
投資家は金利動向だけでなく、経済成長や企業利益の見通しにも注目し、リスクを十分に評価することが重要です。
過去のデータを参考にしつつ、今後の市場動向を慎重に見極めましょう。