米国株1月最初の5日間ルールとは?投資家が知っておきたいアノマリーを解説
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
アノマリーの話ですが、1月の最初の5営業日の株式市場のパフォーマンスが、その年全体の市場の方向性を予測する「米国1月の最初の5日間ルール」は、投資家の間で結構よく知られるアノマリーです。
でもこのルールが実際どのように利用され、どの程度重要とされているのでしょうか?
少し調べてみました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
1月の最初の5日間ルールとは?
これは年初の最初の5営業日間の市場の動向が、その年全体の市場パフォーマンスを予測するとされるルールです。
このアノマリーによれば、1月の最初の5日間で株式市場が上昇すれば、その年全体も上昇する確率が高いとされます。特にS&P 500など主要指数の動きが注目されます。
なぜ注目されるのか?
このルールが注目される理由の一つに、新年の市場心理や資金流入が挙げられます。投資家が新しい年の始まりにポートフォリオをリバランスし、積極的に資金を投入することで、短期的な市場の動向に影響を与えることがあります。
また、過去の統計データでは、このルールがある程度の信頼性を持っているとされていますが、決定的な指標ではありません。
過去の具体例をいくつかあげると
1987年
1月最初の5日間でS&P500が2.1%上昇し、その後の年間パフォーマンスもプラス。10月のブラックマンデーによる暴落で結果的には上昇幅は縮小。
1991年
湾岸戦争の終結もあり、最初の5日間でS&P500が4.6%上昇。
その年全体でも市場は好調を維持。
2003年
1月最初の5日間で約3%の上昇を記録し、その後の年間リターンは26%に達しました。この時期はITバブル崩壊後の回復期で、楽観的な投資家心理が大きく影響しました。
2019年
最初の5日間で1.3%上昇し、年間リターンは約29%を記録しました。
前年末の市場調整からの反発で、投資家心理が大きく改善した結果です。
一方、2008年のリーマンショックや2020年のCOVID-19パンデミックのような特殊なケースでは、このルールが当てはまってません。
2008年は年初から下落トレンドが続き、2020年は年初のパフォーマンスは良好でしたが、パンデミックの影響で市場は一時的に暴落しました。
このルールの実際の活用方法
短期的なモメンタム指標として、特に短期トレーダーやヘッジファンドにおいて参考にされることがああるとのことです。
年初の市場動向を見て、リスクオンの姿勢が強まっているのか、あるいは慎重な姿勢が見られるのかを判断する手がかりとして利用されている様子です。
しかし長期や積立投資の方にとっては、このルールはあくまで参考程度に過ぎないと考えます。
市場の長期的な方向性は、企業のファンダメンタルズやマクロ経済のトレンド、地政学リスクなどに大きく依存するため、このアノマリー単独で投資戦略を決定することよくないと考えます。
投資のプロフェッショナルの視点
プロの投資家にとってもこのアノマリーは「一つの手がかり」に過ぎず、完全に無視するわけではありませんが、決定的な投資判断材料として扱うことはありません。
短期的な市場心理や資金フローを確認するためのツールとして利用される程度であり、特に年初は投資家心理を読み解く重要な時期でもあります。
このルールの信頼性と限界
過去のデータでは、1月の最初の5日間がプラスの場合、その年のS&P500がプラスで終わる確率は約70%とされています。
しかし、これはあくまで統計的な傾向であり、現代の市場では他の要因の影響も強く、このルールの信頼性が低下しているとの指摘もあるそうです。
結論
ここまで書きましたが、絶対的な普遍的なアノマリーなど存在しません。
確かに1月の最初の5日間ルールは、市場心理や短期的なトレンドを測る上で興味深い指標だと個人的にも思います。
ただし、過度に依存するのは避けるべきです。
長期投資においては、企業のファンダメンタルズやマクロ経済の動向、政策リスクなど、より広範な視点を持つことが重要です。
2025年も1月初旬の市場動向に注目しつつ、自分の投資戦略にどう活かせるかを冷静に見極め活用できれば幸いです。
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