S&P500投資で知っておきたい!均等加重 vs 時価総額加重メリット・デメリット
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
S&P500に連動するインデックスファンドへの投資を検討している皆さんへ向けてのブログとなります。
S&P500は米国を代表する株価指数ですが、実はその構成銘柄の重み付け方法によって、投資成果が変わってくることをご存知ですか?
今回は、S&P500のインデックスファンドで採用されている主な重み付け方法である「時価総額加重」と「均等加重」の違いについて解説していきます。
それではどうぞ!
時価総額加重とは?
時価総額加重型ファンドは、各銘柄の時価総額(株価 × 発行済み株式数)に応じて、S&P500インデックスにおける重み付けが決まります。
つまり、AppleやMicrosoftのような時価総額の大きい大企業ほど、インデックスへの影響力が大きくなるということです。
メリット
S&P500全体の動きを反映しやすい
一般的な市場トレンドに沿った投資ができる
デメリット
大型株の影響を受けやすい
時価総額が大きくなった企業は既に成長している可能性が高く、割高になっている可能性もある
均等加重とは?
次に均等加重型ファンドですが、簡単に言えばS&P500の全銘柄に同じ重みが与えられるということです。
つまり、時価総額に関係なく、すべての企業がインデックスに均等に貢献します。
メリット
大型株の影響を受けにくい
中小型株にも投資機会が与えられるため、成長の余地がある企業に投資できる可能性がある
大型株に偏ったポートフォリオのリスクを軽減できる
デメリット
S&P500全体の動きを正確に反映しない可能性がある
リバランスコストが高くなる傾向がある
じゃあどちらが良いのか?
そうなると当然
「結局、どっちを選べばいいの?」という疑問が湧いてきますよね。
これは、あなたの投資スタイルやリスクの許容度によって異なります。
市場全体の動きに連動させたい、安定的な投資をしたいという方は、時価総額加重が良いでしょう。
中小型株にも投資機会を広げたい、リスクを取ってリターンを狙いたいという方は、均等加重が良いでしょう。
過去のパフォーマンス比較を確認
Equal-Weighted(時価総額加重)が上のオレンジ色
Market-Cap-Weighted(均等加重)が下の黄色
上記はあくまで過去のパフォーマンスであり、将来の成果を保証するものではありません。均等加重型が時価総額加重型を上回るパフォーマンスを示している時期もあることがわかります。
時価総額加重(時価総額ウェイト)のリスク
時価総額インデックスは一見すると市場全体の動向を反映しやすく、流動性や取引コストの面でも有利に見えます。
しかし、いくつかのリスクや欠点が存在します。以下に主要なリスクを詳しく説明します。
なぜなら、一見時価総額が良さそうに見えるからです。
1. 集中リスク(コンセントレーションリスク)
時価総額加重インデックスでは、先にも書いたように大型株の影響力が大きくなるため、特定の企業やセクターに過度に依存する傾向があります。
例えば、
S&P 500ではテクノロジーセクターの大型企業(Apple、Microsoft、Amazonなど)が指数全体に大きなウェイトを占めています。
これにより、これらの企業やセクターのパフォーマンスが悪化すると、インデックス全体に大きなマイナス影響を与える可能性があります。
未来永劫この企業群が伸び続けるのでしょうか?
歴史はそう簡単にはいかないことを教えてくれます。
2. セクター偏重(セクターバイアス)
時価総額加重は特定のセクターが市場全体を支配する場合、そのセクターの動向に強く影響されます。
例えば、テクノロジーセクターが市場を牽引している時期にはインデックス全体のパフォーマンスが良好ですが、逆に特定のセクターが不調な場合にはインデックス全体が下落しやすくなります。
これは、セクター間のバランスが取れていない場合に特に顕著です。
3. 限定的な分散効果
時価総額加重では、大型株に重みが集中するため、ポートフォリオ全体の分散効果が限定的になります。
中小型株や成長性の高い新興企業の影響力が相対的に小さくなるため、これらの企業の高成長の恩恵を受けにくくなります。一方で、均等加重や他の加重方式では、より多くの銘柄にウェイトが分散されるため、異なる成長機会を捉えやすくなります。
4. バリュエーションリスク(評価リスク)
大型株は市場での評価が高くなりがちであり、時価総額加重インデックスではこれらの株のバリュエーション(評価倍率)が高い場合、インデックス全体の評価が割高になるリスクがあります。バリュエーションが高い状態が長期間続くと、株価調整時に大きな下落リスクを抱えることになります。
5. 成長株とバリュー株のバランスの偏り
時価総額加重では、成長株が多く含まれるセクター(例えばテクノロジー)が指数に大きく影響するため、バリュー株(割安株)の比率が低くなりがちです。
バリュー株が経済の変動に対して防御的な役割を果たす一方で、成長株は高リターンを追求する傾向があるため、ポートフォリオ全体のリスクとリターンのバランスに影響を与える可能性があります。
6. 流動性リスク
特定の大型株が市場全体を支配する場合、それらの株の取引量が多いため流動性が高い一方で、中小型株の流動性が低くなる可能性があります。
流動性が低い株は、価格の急激な変動や取引コストの増加を引き起こしやすく、インデックス全体の安定性に影響を与えることがあります。
7. 市場の歪み(マーケットディストーション)
時価総額加重インデックスは、市場の全体的な評価に基づいて構成されるため、市場の過熱や過小評価がそのままインデックスに反映されやすいです。例えば、バブルが発生しているセクターや企業が指数に大きく組み込まれている場合、その後の調整時にインデックス全体が大きな下落を経験するリスクがあります。
8. リバランスの必要性
時価総額加重インデックスは、市場の動向に応じて自動的にウェイトが変動するため、定期的なリバランスが必要ありませんが、その反面、大型株の影響力が強まることで上記のリスクが増大します。
投資家が自己でリバランスを行わない限り、インデックスの構成比率の偏りを是正することが難しくなります。
まとめ
均等加重型と時価総額加重型、それぞれにメリット・デメリットがあります。先のグラフを確認しますと、一見時価総額が良さそうに見えますが、
グラフ自体が長期ですので、短期で見た場合はボラティリティが大きい時期もあります。
投資家はそこを注意してください。
個人個人の投資スタイルやリスク許容度によるのはそのためです。
ご自身の投資目標やリスク許容度をしっかりと見極め、最適なS&P500インデックスファンドを選ぶことが大切でしょう。
何にせよ、一生安泰な投資対象などありません。長い目で見て総評として良いのが米国株だという事であり、絶対に資産が増えるとか、一生勝てると言っているわけではありません。