専門用語満載!1株当たりの有形簿価から貸倒れ引当金まで、金融の基本用語について
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
銀行決算時に聞きなれない言葉が多いと思います。私も最初はさっぱりでした。
役に立つかわかりませんがご参照いただければ幸いです。
よく出そうな固有名詞と、あとは長くなりすぎないように、ググればもっと出てきそうな説明は省きました。
それではどうぞ!
1株当たりの有形簿価
1株当たりの有形簿価は、企業の資産価値を1株あたりで表した指標です。具体的には、企業の簿価を発行済み株式数で割ったものであり、1株あたりにどれだけの有形資産が存在するかを表します。
非金利収入と準金利収入
どちらも金融機関の収益を構成する重要な項目ですが、それぞれ異なる性質を持っています。
⑴非金利収入
貸出金利息や預貸金手数料以外の収益を指します。具体的には、以下のようなものが含まれます。
証券業務収入: 株式や債券の売買、投資信託の運用などによる収益
為替業務収入: 外貨の売買による収益
手数料収入: 各種金融サービスの手数料
保険料収入: 保険商品の販売による収益
不動産収益: 不動産の賃貸や売買による収益
非金利収入は、金利収入に比べて変動性が大きいため、金融機関の収益の安定化に貢献する役割があります。また、近年では、金利収入の伸び悩みから、非金利収入の重要性が高まっています。
⑵準金利収入
金利収入と非金利収入のいずれにも分類されない収益を指します。具体的には、以下のようなものが含まれます。
貸出金利息収入の返済利息: 貸出金利息収入の回収金利
売買差益: 有価証券の売買による差益
外貨建資産評価損益: 外貨建資産の為替レート変動による損益
確定損益: 過去の取引の確定損益
普通株式ティアワン比率
普通株式ティアワン比率は、銀行などの金融機関の自己資本健全性を示す重要な指標の一つです。具体的には、銀行が自己資本として保有している普通株式等の額を、リスク資産の額で割った比率を表します。簡単に言えば、銀行が自己資本として保有している普通株式等の額が、リスク資産の額に対してどのくらい大きいのかを示す指標です。
カード・ネット・チャージオフ比率
カード・ネット・チャージオフ比率は、クレジットカード会社にとって重要な経営指標の一つであり、一定期間中に貸倒引当金計上された債権残高を、その期間末の貸出金残高で割った比率を表します。簡単に言えば、クレジットカード会社が出した貸付金のうち、どれくらいが焦げ付いているのかを示す指標です。
オーバーヘッドレシオ
オーバーヘッドレシオ(OHR)は、金融機関の業務粗利益に占める経費の割合を示す指標です。簡単に言えば、金融機関が1円の粗利益を稼ぐために、どれだけのコストをかけているかの割合を表します。
純金利イールド
純金利イールド(Net Interest Yield, NIY)は、金融機関が貸出金に対して稼ぐ金利収入と、預金などの負債金に対して支払う金利支出の差、つまり金利の純利益を、貸出金残高で割った割合で表す指標です。簡単に言えば、金融機関が貸出金で稼いだ金利から、預金などの負債金で支払った金利を引いたものを、貸出金で割った割合です。
貸倒れ引当金
貸倒れ引当金は、企業が将来発生する可能性のある貸し倒れ損失(貸したお金が返済されなくなる損失)を事前に見積もり、計上しておくためのものです。
簡単に言えば、将来の債権の回収不能リスクに備えて、あらかじめ損失を計上しておくための費用です。
貸倒れ引当金は、貸借対照表の負債の部に計上されます。
貸倒れ引当金の計算方法には、大きく分けて個別評価と一括評価の2つがあります。
貸倒れ引当金の計上によって、以下の効果があります。
損益計算書の精度向上: 将来発生する可能性のある貸し倒れ損失を事前に計上することで、損益計算書の精度を向上させることができます。
財務体質の健全化: 貸倒れ引当金を計上することで、企業の財務体質を健全化することができます。
税制上の優遇措置: 貸倒れ引当金を計上することで、法人税などの税制上の優遇措置を受けることができます。
ROE株主資本利益率
企業が株主に対してどれだけの利益を還元しているかを示す指標です。
具体的には、当期純利益を自己資本で割った比率で表されます。
つまり、1円自己資本あたりにどれだけの利益を稼いでいるかを意味します。
ROEが高いということは、企業が効率的に利益を創出していることを示唆します。
一方、ROEが低いということは、企業が十分な利益を稼げていない可能性があります。
ROA総資産利益率
ROAは、企業が総資産全体をどれだけ効率的に活用して利益を稼いでいるかを示す指標です。
具体的には、当期純利益を総資産で割った比率で表されます。
つまり、1円総資産あたりにどれだけの利益を稼いでいるかを意味します。
ROAが高いということは、企業が総資産を効率的に活用して利益を稼いでいることを示唆します。
一方、ROAが低いということは、企業が総資産を有効活用できていない可能性があります。
ROEとROAは、利益を評価する視点が異なります
ROE: 株主への利益還元に焦点を当てている
ROA: 総資産全体の活用効率に焦点を当てている
つまり、ROEは株主目線、ROAは経営者目線の指標と言えるでしょう。
金融専門用語その他
有形簿価: 減価償却前の資産価値
自己資本: 負債を差し引いた純資産
リスク資産: 貸出金や有価証券など、将来の損失が発生する可能性がある資産
貸倒れ損失: 貸したお金が返済されなくなる損失
金利収入: 貸出金に対して稼ぐ金利
金利支出: 預金などの負債金に対して支払う金利
貸出金: 顧客に貸し出したお金
預金: 顧客から預かったお金
貸出金利: 貸出金に対して課す金利
預金金利: 預金に対して支払う金利
貸出リスク: 貸出金が返済されなくなるリスク
法人税: 企業が納める税金
減価償却: 固定資産の取得価額を耐用年数にわたって費用として計上すること
まとめ
今回は、1株当たりの有形簿価、非金利収入と準金利収入、普通株式ティアワン比率、カード・ネット・チャージオフ比率、オーバーヘッドレシオ、純金利イールド、貸倒れ引当金などの金融用語について解説しました。
これらの用語は、金融機関の決算や財務状況を分析する際に使われるケースがとても多いです。
金融業界にいなければ難しいですし、私も未だにこれがこれで〜と確かめながら見ています(笑)
すぐに理解できずとも、少しづつ理解していけばそのうち見えてくると思います。業界ごとに特殊な名前があり、ややこしいのですが、毎期見ていればなんとなく理解できるので面白いと思います。
人の作った計算や用語ですから必ず理解できるでしょう。
補足
本ブログ記事は、あくまでも参考情報であり、投資判断の材料として利用することは推奨できませんのでご理解ください。