【投資初心者向け】この30年間でどう変わった?米国株で注目される指標の変容
こんにちは!個人投資家のTAKA Chanです。
近年、米国株投資が日本でも大変人気になっています。
投資界隈ではこの30年間で米国株投資のスタイルや注目ポイントは大きく変わってきていると感じます。
と言いましても私は12年ほどの個人投資家なので30年前は学生ですからわかりません。
しかし現代では過去を調べることは意外に簡単にできます。
近年ではITやSNSなどの情報インフラが進化したことも大きな要因ですが、
今回は、「30年前と今とで、どのように米国株の指標関係の見方が変わったのか」を初心者の方むけにまとめました。
参考にしてみてください。知っておく程度でいいと思います。
それではどうぞ!
債券利回りと株式の関係
この30年間で金利水準は大きく上下しました。
30年前は10年物米国債の利回りが6~8%と高めだったので、安全資産である債券が非常に魅力的でした。
債券利回りが高いほど
「配当利回りの低い株より債券のほうがいいのでは?」という考え方になりやすかったわけです。
一方、最近は長引く低金利時代が終わりつつあり、10年物国債利回りが4~5%前後に上昇しています。債券が再び株式と競合できるリターンを取り戻しつつあるため、株式を買うときは「配当利回り」と「国債利回り」の比較を意識することが重要になっています。
FRB(アメリカの中央銀行)の発表の影響
この30年間で情報伝達のスピードが格段に上がりました。
FRBの政策金利(利上げ・利下げ)は昔から注目されていましたが、今ではFOMCの発表やFRB幹部のコメントがSNSやニュースサイトを通じて瞬時に伝わり、株価が一気に動きます。
投資初心者の方も、「次の利上げはいつ」「どれぐらいの幅か」といった点をこまめにチェックする必要があります。
企業の評価指標が多様化
30年前はPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった伝統的な指標が重視されてきました。
しかし、この30年間にハイテクグロース系企業や新興企業が躍進し、まだ利益が少ないけれど将来性が大きい会社が増えました。
そこで、EV/EBITDAやPSR(株価売上高倍率)など、売上やキャッシュフローを重視する指標を用いて評価する動きが一般化しました。
AI関連やクラウドサービスなど、成長期待の大きい分野ほど、これらの指標が意識されやすい傾向にあります。
アルゴリズム取引・インデックス投資の増加
この30年間で取引の形態も大きく変わりました。
高性能コンピューターを使ったアルゴリズム取引や高頻度取引(HFT)が普及し、ニュースが出た直後に株価が大きく動く場面が増えています。
投資初心者の方は、予想外の急騰・急落が起きることを頭に入れておくとよいでしょう。
さらに、ETFやインデックスファンドが普及したことで、S&P500などの主要指数をまとめて買う投資家が増えています。
そのため、大型ハイテク株や市場を代表する銘柄に資金が集中しやすい構造になっています。
VIX(恐怖指数)などボラティリティの指標
30年前はボラティリティ(価格変動の大きさ)を示す指標を気にする投資家はそれほど多くありませんでしたが、VIX指数(恐怖指数)が広く認知されました。
VIXが急騰すると「相場が不安定」「近々、大きく下落するかも」といった見方をされるため、確かに投資系ニュースでも頻繁に報じられます。
初心者の方も「VIXが上がってきたら要注意」くらいの認識を持っておくと役立ちます。
株主還元策:配当と自社株買い
配当利回りは昔から投資家にとって注目のポイントでしたが、この30年間で自社株買い(Buyback)を積極的に行う企業が増えました。日本も多いです
自社株買いを行うと株数が減るため、一株あたりの利益(EPS)が増加して株価が上がる可能性が高まります。配当と自社株買いの両方を比べて、総合的に株主還元を判断するのが現代の主流と言えます。
ESG投資やテーマ株への注目
30年前は、環境・社会・ガバナンス(ESG)といった視点で銘柄を選ぶ投資家は多くありませんでした。しかし、この30年間で世界的にESG投資が普及し、企業のサステナビリティや社会貢献度が投資判断に大きく影響するようになりました。
また、AIや電気自動車、再生可能エネルギーなど、テクノロジーの進歩に伴う「テーマ株」への注目も大きく高まっていますし上がる上がらないにかかわらず、投資家も期待するようになったのは事実です。
このようなテーマ株は期待値が高いため株価が大きく動く反面、調整局面も激しくなる傾向があります。情報収集とリスク管理が大切です。
市場全体の“過熱”や“割高”を測る指標
この30年間でウォーレン・バフェット氏が使うといわれる「株式時価総額÷GDP(バフェット指標)」などマーケット全体が割高かどうかをシンプルに見る指標も有名になりました。
(ただし、海外売上比率などを考慮しない単純な数値なので、参考程度に活用するのが良いでしょう)。
また、証拠金取引の借入残高(マージンデット)が増えているかどうかも、過熱感をはかる指標の一つです。
借入が急増すると、下落時に強制的な売りが出やすくなるため、相場の乱高下につながることがあります。
まとめ
この30年間で米国株式市場は、情報伝達のスピードや金融商品の発展、ハイテク産業の躍進などを背景に大きく変わりました。
下記のポイントが最近の重要項目です。
・金利(債券利回り)と株式の関係を常にチェックする
・FRBの政策発表や要人発言に相場が瞬時に反応するようになった
・PERやPBRだけでなく、EV/EBITDAやPSRなど新しいバリュエーション指標が重要に
・アルゴリズム取引ETFにより短期的な価格変動や資金の流れに変化がある
・VIX(恐怖指数)をはじめとしたボラティリティ指標や投資家心理を測る方法が浸透
・ESGやテーマ株への投資が注目を集める一方、変動幅が大きいのでリスク管理が必要
昔も今も変わらないのは「企業の本質的な価値を見極めること」と「リスク管理の重要性」でしょう。
初心者のうちは、あれこれと手を広げるよりも、一つずつ指標やニュースの意味を理解しながら、少額で経験を積むのがおすすめです。
この30年間の投資家の変化を意識しながら、米国株投資に挑戦してみても面白いかもしれません。でも指標は何度も言いますが本当に参考程度に活用すべきだと思います。
投資初心者向け、マガジンを始めました。よければフォローしてください。一部を除きほぼ無料で公開しております。