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講演会聴講:陰謀論・フェイクニュースとどう向き合うのか

基本データ

中央大学文化講演会
「陰謀論・フェイクニュースとどう向き合うのか SNSと民主主義の未来について」
講師:中央大学副学長・法学部教授 橋本基弘氏

日時:2024/09/20 14:00〜15:30
場所:北海道経済センター8F Aホール


今回見に行った理由

たまたま北海道経済センター前を通りがかった時に宣伝の看板があって、気になったため。
陰謀論やフェイクニュースの話の見解を、法学の観点からどのように話されるのかも知りたかった。
(裏の理由:ちょうど、さっぽろオータムフェストで上ノ国町のてっくい天丼がやってくる日だった。美味しかった。)

てっくい天丼(平目の天丼)

おおよその内容

※実際の内容はもっと濃いので、もしご近所でこのテーマの講演会が開催されたら是非聴きに行ってください。

知的好奇心として「陰謀について話すこと」と「陰謀論」は異なる。陰謀論を信じる人は、自分の不幸な境遇から、自分に都合の良い陰謀論を信じるに至っている。
また、フェイクニュースはSNS時代に拡がりやすいもので、悪意から作られた偽情報のみならず、ネタ的なものまで、SNSユーザーの出来心などを介してまことしやかに拡散されてしまう。

本来であれば「正しさを判断してから信じる」ところが、これらを信じる人は「信じるから正しい」になっている。全てのものに明確な答えがあるわけではないので、事実が少しでも含まれていればフェイクでも信じる。また、人間には不都合な真実を信じにくい性質もある。

憲法における「信じる自由」「表現の自由」は、直接的な被害者のいない陰謀論・フェイクニュースを信じ拡散する自由をどこまで保証して良いのか、やはり規制はすべきなのか。
(勿論、陰謀論から誹謗中傷などの明確な犯罪に発展したら、その罪に対しての裁きは可能。)

陰謀論やフェイクニュースは共同体を破壊し分断を深刻化させる作用がある。これが政治に及べば、妥協や協調を前提としていた政治を打倒と屈服、そして支配へと変えるものにもなる。それは結局、信条と表現の自由を破壊してしまう。

陰謀論やフェイクニュースが蔓延る現状は、これまで考えられてきた信条と表現の自由に対する挑戦ともいえるのだ。


感想

中央大学の宣伝もあるのわかってていうけど、これ無料で良かったんですか

自由主義的な憲法を掲げる国において、明確にどうにかできるのは刑法に引っかかった時くらいしかなく、陰謀論・フェイクニュースを押さえつけるにもそのウソを誰が正しく判断できるのか?という問題がつきまとう。プロバイダー責任制限法のような規制のある法律はやはり各国考えているっぽいんだけど。

憲法学の先生が何故この話題を選んだのだろうと思ってたけど、めっちゃ憲法の根幹にかかわる問題だったんだなと…。

アメリカでは陰謀論・フェイクニュースが半ば野放しだそうで、これもまた「自由」に対する見解の差なんだろうね。よりによってプラットフォームとなっているGAFAもアメリカの企業なんだよな。そういう繋がり方するんだ。

あとやっぱり…マスメディアの質の低下も大きいよねという話にもなった。質疑応答で、やはり今の学生さんはテレビを情報ソースとして使ってないという話もあった。まず単純にテレビがつまらないこと、そして、ニュースに対する見識のなさが挙げられていた。

陰謀論を信じる人達の素朴さ(褒めてない)や、ネタをネタと信じてもらえなかった事故は、それ自体はどうにもならないよね。現状は地道にファクトチェックをやって止めていくしかない、というのもそのとおりだと思った。

人の自由を諦めたくないのに、人に自由を持たせると大変な結果がおきるというバグ。その構造が理解できて有意義でした。

改めて、橋本先生と中央大学学員会札幌支部様に感謝申し上げます。

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