葡萄

揺れる荷台から落っこちた 誰かに剥かれる葡萄が
坂道を転がって 囃し立て追いかけ
途中で見失って どうでもよくなる

そんなことして遊んでいたら 約束の時間も過ぎて
ポラリスも目を伏せ 一人さみしく どうせ忘れる夢をみる

物語はまだ始まっていないと信じている
この高鳴りは 恥知らずが故 勇敢が故

負け惜しみと呼べば はい それまで
どうにもならぬこともある
これが君の分と 与えられたものが
他と違っていたら そら不安も当然じゃんね

物語は まさかもう終わっているなんて言わないでね
ひとつでいいんだ 閉じた目を開け続ける意味をおくれ

物語はまだ始まっていないと信じている
この高鳴りは 恥知らずが故 勇敢が故

できるだけ仲良くしたいだけ それはそんなに我儘じゃないよね
偶にある優しい それはそれは優しい
眠りに絆され どうでもよくなる

#503  2023.9.5

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