【分析素人の挑戦 #13】ローデータの取得コストは、近い将来きっとゼロに近づく
こんにちは。TKB84です。
分析に関しては素人だった自分が、サッカーをアナリスト視点で分析できるようになるべくスポーツコードを使いながら奮闘する(はずだった)、#分析素人の挑戦 シリーズですが、大変ご好評いただいた前回に引き続き、
今回も特定の試合ではなく、ちょっとしたコラム仕立てでお送りしようと思います。たまたま触れた情報がかなり衝撃的だったので…
既に界隈では語られていることなのかもしれませんが、さっと書いてみます。
サッカーのデータベースサービス
以前もご紹介したことがあるかもしれませんが、WyscoutやInstat, Scout7といったサービスをご存知でしょうか?
世界中の試合の映像を閲覧でき、さらにスタッツも集計されており、プレー集の作成にも使えるようなサービスです。世界中で爆発的に伸びている分野です。
最新の事情
偶然、知人にInStatを見せていただく機会があり、いろいろ触らせてもらっていたら、衝撃を受けたのです。(それが、この記事を書こうと思った原動力でもあります)
下のページなどにサンプルのレポートがあるのですが、
めちゃくちゃビジュアライズされているし、めちゃくちゃ詳細なデータがあるし、これはPDFのレポートですが、実際のWEBサービス上だとめちゃくちゃインタラクティブに確認できるわけです。(選手毎、エリアごと、時間毎の絞り込みフィルタなど)
↓一例。ボールロストの位置。(引用元はリンクはってあります)
これだけでも十分すごいと思ったのに、さらにびっくりしたのは、映像ベースでのトラッキングデータも提供しているということ。(同じく、引用元はリンクはってあります)
映像とももちろん紐付いているのでそのシーンの映像もすぐに確認できるし、イベントデータもトラッキングデータも保有しているし、ビジュアライズもできるし、こんなのあり…?ってのが正直な感想です。笑
ローデータの取得コストは逓減していく
こういったサービスが、年間数十万円(プランにも拠りますが)程度で手に入るのが今のサッカー界の現実です。
今後市場のプレーヤーも増えていくのでしょうし、ローデータ(生データ、加工されていない状態のイベントデータやトラッキングデータ、の意)の価格競争的な側面は強くなっていくでしょう。
無償になる日は遠いかもしれませんが、もっと手に入りやすい価格で、もっとたくさんのデータを手にすることができるようになる日はそう遠くない未来にやってくると思います。
なお、ちょっと宣伝すると、
弊社Hudlは自チームのタグ付けだけであれば
年間72,000円
で試合数無制限でタグ付けを行っています。
もちろん上記ほどリッチな内容ではありませんが…笑
http://hudl.jp/toptheme/hudl-assist-release
いわゆるオープンイノベーション的に、市井にフルオープンになったらそれもおもしろそうですけど。
タギングソフトの価値とは?
そうなったときに、じゃあ僕たちのスポーツコードも含めて、人力でタグを付けていく数多あるサービス、ソフトたちの価値はどこにあるのか?座して死を待つしか無いのか?
きっとタギングソフトの役割はまだ無くなりません。タギングソフトの価値とは、大きくは下の3つではないでしょうか。
1. 独自の指標
データ会社が用意しているベーシックな内容とは異なった指標でチームを評価したいときには、自分たちでタグを付けるしかありません。
2. チーム内の基準に沿った修正や編集
データ会社は提供するデータの一律性を保つために基本的には会社で定めた基準でタグを付けます。その基準がチームの基準と異なる場合もあると思います。
例えば、「ポゼッション」の定義。
そういった際に、データ会社から提供されたデータファイルをもとに、タグの位置や長さを編集する必要があるので、タギングソフトが必要になります。
3. リアルタイム分析
データ会社は試合後にデータを提供するのが一般的です(Tracabはリアルタイムですが)。そうなると、試合中にリアルタイムでのデータや映像をチェックしたいとなると、タギングソフトを使用する必要があります。
※リアルタイム分析機能が備わっていないものもありますが
アナリストの職務は変わっていく
では、そんな世界になったときに、アナリストは何を求められるのか?
従来の「映像の切り貼り屋さん」では無いことだけは間違いないですよね。だって、既にほとんどの映像は切りとられた状態で手に入れられるようになるわけですから。
それを考えて、実践できる人が次代のアナリストとして上り詰めていくのかな、なんて思いました。
最後に
あまりにも最新のInStatに衝撃受けて、勢いで書ききってしまいました。笑
なお、InStatの回し者ではございません。。。他のサービスでも同じような機能は実装されているのではないでしょうか。
こういう現実と未来予測がこれからアナリストを目指す方たちに届いて、今後の行動の一つのヒントとなればいいなと思います。
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