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「奇跡の回復と新たな挑戦:写真家Takaaki Sanoが切り取る『Berlin 15 days』の軌跡」

今年の8月、私は15日間にわたるベルリンの旅を通じて、ストリートフォトアルバム『Berlin 15 days』を写真展に向けて制作しました。合計550枚のL判写真を収めた2冊組のこのアルバムは、私の体験した日々を時系列で追いかけ、皆さんをベルリンの街へと誘います。この作品は、ベルリンで出会った人々や、荘厳な建築物、日常に在る美や、思わず笑ってしまう瞬間、そして異教徒との平和を願う対話に至るまで、15日間で起こった出来事を独自の視点から切り取った、私自身の写真家としての新たな挑戦を記録したものです。

実は、この旅の背景には深いストーリーがあります。今年5月、私は突然の体調不良に見舞われ、緊急入院を余儀なくされました。担当医からは退院まで3ヶ月を要するだろうと言われ、8月に予定していたベルリン行きは突然実現が困難な状況に陥ったのです。しかし、私は諦めませんでした。どうしてもこの旅を実現させ、将来ベルリンでのアーティスト活動を果たしたいと強く願ったのです。

なぜベルリンだったのか。写真家として活動を始めて10周年を迎え、日本国内での活動に限界を感じ始めていた頃、私の作品をオンラインストアで多くのヨーロッパの方々が購入してくださり、ヨーロッパでの活動の可能性に目を向けました。そうして貯めた売上金で、ベルリン行きの往復チケットを購入しました。さらに、ベルリンは、私が影響を受けた花代(写真家)さんや故フジコ・ヘミングさんといったアーティストのゆかりの地でもあり、ぜひ訪れてみたいと感じたのです。

しかし、チケット購入後すぐに訪れた入院という事態。私にできることは、自分の体を癒すことだけでした。病棟内では、ひたすら休み、絵を描き、日記を綴り、アートや読書、散歩に専念する日々を送りました。結果、1ヶ月という奇跡的なスピードで退院することができたのです。

その後も渡航の許可や薬の手配で苦労しましたが、ついにベルリンへたどり着きました。コネクションも人脈もなく、ただカメラを手に、2週間にわたり毎日歩き続け、街の息吹を撮り続けました。そこで出会った人々、感動した建築物、私の作品に対する現地の人々からの評価、すべてが私にとって大きな励みとなりました。

10代の頃、7年も引きこもり、人と話すこともできなかった私が、ベルリンという異国の地で、自分の夢に挑むことができた。このアルバムには、そんな私の成長と挑戦の記録が詰まっています。ぜひこの『Berlin 15 days』を手に取り、私が見たベルリン、感じたベルリンを、550枚の写真から感じ取ってください。

写真展会場では、このアルバムをご覧いただけるほか、1枚ずつのバラ売りも予定しています。ぜひ在廊日にLiikeにお越しください。心よりお待ちしております。そして、私を再びベルリンへ連れて行ってください!

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