週刊AI #2
話題となっている生成AIに関する情報を毎週厳選し、私的な見解を交えてコメントします。締め切りは、11月8日(金)です。
[10] ClaudeがPDF解析機能を強化
https://docs.anthropic.com/en/docs/build-with-claude/pdf-support
<概要>
Anthropicは最新のClaude 3.5 Sonnet(claude-3-5-sonnet-20241022)で、PDF解析機能をベータ版として提供開始した。これにより、PDFファイル内のテキストや画像から効率的に情報を抽出できる。
使用例には、財務報告書の分析(グラフや表の理解)、法務文書からの重要情報の抽出、構造化された形式への文書情報の変換が含まれる。
<解説>
この機能は、企業が自社のドキュメントを活用してAIと効率的に対話するための重要な前処理手段となるだろう。
従来、テキストの抽出は比較的容易であったが、画像や表、グラフからの情報取得は困難であった。今回の機能強化により、データ抽出に要する時間と労力を大幅に削減でき、企業内データのより効果的な活用が期待される。
[9] Claude 3.5 Haikuが登場
https://www.anthropic.com/claude/haiku
<概要>
Anthropicは低コストかつ高速なHaikuシリーズから、次世代モデル「Claude 3.5 Haiku」をリリースした。新モデルは、従来の「Claude 3 Haiku」と同等の速度で動作しながら、精度と知能が向上しており、いくつかのベンチマークにおいて前世代の最大モデル「Claude 3 Opus」を上回る性能を示している。
<解説>
Claude 3.5 Haikuは、バランス型のSonnetシリーズと比べると低コストであるものの、従来のHaikuシリーズに比べて価格が約4倍に上昇している点が特徴的である。
となると、「賢さ」の向上度合いが注目点となるが、ユーザーの一部からは、出力が長くなると情報が省略される傾向があるという指摘が挙がっている。Claude 3.5 Sonnet v2同様に、効果的なプロンプト設計が高精度な回答を引き出すカギとなる可能性がある。
[8] Amazon Bedrock Prompt Managementが一般提供開始
<概要>
Amazon Bedrockのプロンプト管理機能が一般提供された。この機能により、プロンプトの作成、評価、バージョン管理、共有が簡便化され、さらにAmazon Bedrockの各種APIとの統合も強化されている。
<解説>
今回の一般提供で、InvokeModel APIやConverse APIとの連携が強化された点が注目される。プレビュー版ではこれらのAPIからのプロンプト管理機能は未提供であったが、今回のアップデートにより正式に利用可能となり、AWS環境での生成AI活用がさらに柔軟に進められるようになった。
プロンプト管理の煩雑さが解消されることに加え、API統合の強化でシームレスなAI活用が可能になるのは非常に実用的である。特にAWS内でプロンプトを中心としたAIソリューションを開発する企業にとって、プロセス全体がスムーズになり、開発効率や実用性が一段と高まると言える。
[7] OpenAIがPredicted Outputsを発表
https://platform.openai.com/docs/guides/latency-optimization#use-predicted-outputs
<概要>
「Predicted Outputs」は、モデルの応答を事前に予測することで応答速度を向上させる機能である。あらかじめ提供した予測コンテンツと一致する部分については生成をスキップするため、処理速度が向上する仕組みだ。
<解説>
この機能は、FAQシステムなどの繰り返し利用される応答に効果的であり、ユーザー体験を改善するための処理時間短縮に役立つと考えられる。一方で、新規の内容や複雑なタスクでは予測が難しく、性能向上効果は限定的になる可能性がある。将来的にはRealtime APIの文脈でも活用がされそうである。
[6] OpenAIが今後の開発計画に関する情報を明らかに
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