7月31日(金)マーケット情報〜米4-6月期GDPマイナス32.9%と高止まる失業保険継続受給件数〜
米実質金利低下(金利史上最低圏・期待インフレ率上昇)
米4-6月GDPコンセンサス通り史上最悪(市場折込済み)
トランプ選挙延期発言、権限なし
米共和党追加経済対策
Fed買い入れ
GAFA決算
1面:世界経済V字 回復困難 米GDP4~6月32.9%減
新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きな傷痕を残している。米商務省が30日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比年率換算で32.9%減少した。感染再拡大で7~9月期の回復力も疑問符がつく。コロナ感染と経済停止という複合危機は出口が見えず、雇用支援策などを続けられるかが当面の焦点となる。(関連記事国際面に)
米国など各国は4、5月に相次ぎ経済活動を再開し、回復期待が高まった。各国とも7~9月期には前期比年率換算で2桁のプラス成長の見通しだ。
ところがコロナ感染が再拡大し、経済活動は急速に停滞感が強まっている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は「クレジットカードのデータからみると、個人消費は6月下旬から減速している」と明言した。
7~9月にプラス成長に転換するとはいえ、コロナ前の水準には届かない。仏BNPパリバの見通しに基づくと、米国の同期のGDPは危機前(19年10~12月)より6%小さい。
総合1:香港民主派の立候補認めず 活動家の黄氏ら12人
香港で民主派への逆風が一段と強まってきた。選挙管理当局は30日、9月の立法会(議会)選挙で黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏ら民主派12人の立候補を認めない決定を下した。政府は新型コロナウイルスを理由に選挙の延期を検討しており、立法会選で躍進を狙った民主派は厳しい立場に追い込まれた。
政治:菅氏、秋解散に否定的見解 「コロナ専念が国民の声」
菅義偉官房長官は30日のTBSのCS番組収録で、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に全力を挙げる必要があるとして、今秋の衆院解散・総選挙に否定的な見解を示した。秋の解散可能性を問われ「なかなか難しいのではないか。コロナ(対策)に専念し、これ以上の拡大は何としても避けてほしいというのが国民の声だろう」と述べた。
国際:FRB、9月会合で追加策示唆 ゼロ金利・緩和を維持
米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策と量的緩和政策の維持を決めた。大量の緩和マネーを流し込んだが、新型コロナウイルスの猛威で景気のV字回復は困難だ。パウエル議長は9月の次回会合で追加策を決定する可能性も示唆した。
「6月に感染者が再び増えて以降、ホテルの稼働率は下がり、飲食店にも消費者が行かないようになった。経済活動は鈍化するリスクがある」。パウエル議長は29日の記者会見で、景気回復のもたつきに強い懸念を表明した。
FRBは3月にゼロ金利と量的緩和を復活させ、金融政策は既にフル稼働だ。にもかかわらず、景気の回復は遅れ、追加策が不可欠になってきた。パウエル議長は具体策として、量的緩和の拡充と、ゼロ金利政策を長く続けると確約する「フォワード・ガイダンス」の導入に言及した。
FRBは3月に再開した量的緩和で、米国債を月800億ドル(約8兆4千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)も同400億ドルのペースで買い入れている。購入規模は既に2008年の金融危機後の量的緩和第1~3弾を上回っており、現在の買い入れペースを大きく引き上げる余地は小さい。ただ、足元では短中期債の購入割合が大きく、これを長期債に切り替えて長期金利を押し下げていくことが可能だ。
フォワード・ガイダンスは、長期にわたってゼロ金利を維持すると確約して、企業家や投資家に安心して資金調達してもらう仕組みだ。FRB内には「物価上昇率が2%を上回るまで、ゼロ金利を解除しない」と公約する案がある。
FRBは物価上昇率が2%に戻るのは23年以降とみており、同案ならゼロ金利は少なくとも2年半以上続くことになる。失業率に数値目標を設けて、達成まで利上げを見送るアイデアもあり、FRB内で具体策を詰める。
FRBは3月に量的緩和とゼロ金利を復活させた以降、社債・コマーシャルペーパー(CP)の購入など、市場の資金繰り対策を優先させてきた。景気の立て直しに動く前に、企業倒産のような「出血」をまず止める必要があるからだ。量的緩和など金融政策の拡充は「非常時対応が必要なくなってから」というのがFRBの考えだ。
実際、市場への大量の資金供給で、FRBの保有資産量は7兆ドルとコロナ危機前から3兆ドルも増えた。一時急騰した社債金利は再び低下し、金融システムリスクは和らいでいる。全米破産協会の調査では、再建型の連邦破産法11条の適用申請は増えているが、清算型も含めた4~6月の企業倒産はむしろ前年比25%減と少なく済んでいる。
「止血」が確認できれば7月29日の今回の会合で、金融政策の拡充に踏み切る考えだったが、新型コロナの再拡大で様子見が必要になった。企業の倒産や労働者の失業が再び増えれば、特定の市場を狙い撃ちした非常時対応が再び必要になるためだ。
FRBは3月以降、中小・中堅企業に融資する「メインストリート貸出制度」など2兆ドル規模の資金供給策を用意したが、米議会は4兆ドル規模の資金枠を認めている。新型コロナの拡大で金融システムが再びぐらつけば、FRBの政策運営は緊急資金供給に軸足が戻る可能性もある。
マーケット総合1:日銀「変調」市場謎解き ETF、買いの戦略翻弄
日銀の上場投資信託(ETF)買いが市場関係者の関心を集めている。5月以降、それまでとは異なるパターンで買い入れる日が散見され、2カ月がたった足元でも「謎解き」が続いているためだ。ただでさえ方向感の乏しい相場の中で、買い入れを見越して先回りする短期筋の動きが鈍り、売買の少なさにつながっているとの見方も出てきた。
今年度の日銀買いを巡って、市場関係者が最初に異変を感じたのは5月15日だった。日銀は「買い入れ基準は開示していない」(金融市場局)が、「前場のTOPIXの下落率が前日終値比で0.5%」というのが市場の暗黙の前提だった。しかし、この日は前場が0.32%安にとどまったが、日銀は1005億円分のETFを買った。
7月20日の昼すぎにも前場が0.32%安で日銀の買いが入った。従来のパターンに合わない取引は4回。5月と6月に1回ずつ、7月に2回だ。「また日銀内の基準が変わったのではないか」(外資系証券トレーダー)との見方が広がる。市場関係者は新基準を探そうとするが、決定打はない。
一つの仮説は、TOPIXの続落が条件に加わったとの見方だ。東海東京調査センターの鈴木誠一チーフエクイティマーケットアナリストが検証したところ、4回ともTOPIX続落翌日に前場がマイナスという点が共通する。続落すると翌日に条件が緩くなるというわけだ。鈴木氏は新基準を「0.25%下落」とみる。
市場にはほかにも「続落日数が1日増えるごとに、0.1%ずつ基準が切り上がっていく」といった説もある。ただ続落をどこから計算するのかなど疑問は残る。日銀が一定の基準でETFを買うのは市場の共通認識だが、足元では「日銀の裁量がある程度加わっていると考えるのが自然」(野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミスト)との声もある。
マーケット総合2:株売買、特定銘柄に集中 上位20社で全体の3割 業績で選別加速
東京株式市場で投資家の売買が一部の銘柄に集中しやすくなっている。東証1部の売買高上位20社が全体に占める割合は3割強と、4カ月ぶりの高水準で推移する。新型コロナウイルスの感染拡大の長期化が意識される中で、本格化する2020年4~6月期決算の業績の好悪を手がかりとした銘柄選別の売買が、過去と比べて活発となっている。
Five Things You Need to Know
Big tech didn't disappoint, as Apple, Amazon, Facebook and Alphabet have weathered the pandemic well enough. Apple crushed consensus and announced a 4-for-1 stock split. Amazon topped sales estimates last quarter and for the current period. Profit blew away expectations. Facebook's sales beat the highest estimates. Monthly active users came in at 2.7 billion, compared with the 2.63 billion estimate. Alphabet's sales declined for the first time ever, but it wasn't as bad as Wall Street feared.
The U.S. recession is deep. Second-quarter GDP plunged 32.9% on an annualized basis after the prior period's 5% slide. That was better than consensus for a 34.5% drop but still the worst outcome since at least the 1940s. And the labor market improvement has reversed. Initial jobless claims rose to 1.43 million last week from a revised 1.42 million, with continuing claims also increasing to 17 million from 16.2 million.
Hong Kong blocked 12 pro-democracy candidates from running for the legislature for opposing the new national security law—a rationale that may make it impossible for any opposition politician to stand for election. Those barred include former protest leader Joshua Wong and moderate Kenneth Leung, who's seeking to represent accountants. Public anger may intensify, making governance harder, political scientist Joseph Cheng said. The U.S. could also take action under sanctions laws.
Donald Trump floated the idea of delaying the election, something he has no power to do. The president claimed without evidence that mail-in voting will make 2020 "the most INACCURATE & FRADULENT" election in history. Coming as he trails in the polls nationally and in several battleground states, the tweet will heighten speculation Trump will refuse to concede should he lose to Joe Biden on Nov. 3. Changing the date requires an act of Congress. Both Democratic and Republican politicians rejected the suggestion out of hand.
Shell and Total opened Big Oil earnings with surprise profits on trading gains from contango plays. Shell took a $17 billion impairment charge and said the demand outlook is mixed. China and Russia recovered strongly, while India is a concern. In other commodity earnings: Vale is restarting dividends and ConocoPhillips's adjusted loss per share was wider than the most bearish estimate.In other industries, UPS rose after profit and revenue beat with home delivery in demand; Mastercard's purchase volume beat as gross dollar volume fell 10%; and Eli Lilly's EPS beat was driven by a strong non-operating income.
Chart of the Day
Hong Kong's retailers continued to struggle under difficult conditions in June as retail sales by value fell 24.8% from a year ago to HK$26.5 billion ($3.4 billion)—a 17th straight monthly decline. It's the longest stretch since a 24-month period from 2015 to 2017. While the June results furthered a trend of relative improvement, the respite is likely to be short-lived. A third wave of infections accelerated in July, putting more pressure on an economy already deep in recession.
By the Way
Coca-Cola is ready for another. The soft-drink giant will offer an alcoholic version of its popular Topo Chico mineral water in "select cities" in Latin America later this year and the U.S. in 2021. The hard seltzer version will be Coke's first expansion into the booze market since it started selling a canned alcoholic beverage in Japan in 2018. The Mexican brand has risen to cult status in the U.S. for its use in cocktails and mixed drinks.