野良デザイン#111-115|コンクリートブロックのドアストッパー
本来の用途を超えた道具の活用「野良デザイン」。
路地に生息する、作り手の想定を超えた創意工夫に、マーケティングデータには表れない生活のリアルや、道具の可能性を探る試みです。
野良デザイン#111|コンクリートブロックのドアストッパー
2階のカフェへとつづく、鉄板でできた屋外階段。その門として機能する扉には杭が据え付けられており、地面の穴に差し込み固定するように作られています。
地面の穴の代わりに、コンクリートブロックの穴が杭の差し込み先として活用されている。なるほど、コンクリートで固めた地面に穴を開けただけでは、雨水が溜まってしまい、杭を痛めてしまう。意図してか、偶然あったから使ったのか。フランクなつくりの店先は、お客さんの足をお店へ向かわせるのでしょう。
野良デザイン#112|ドアノブの札掛け
自治会館として使われている建物の軒先で出会った野良デザイン。もはやクラシカルなステンレス製のドアノブが、”防犯当番”の札を掛けるフックとして機能しています。
そういえば、ホテルのルームサービスのコミュニケーションも、ドアノブが札掛けとして活用されてますね。
入場時に必ず目に付くドアノブ。そこは間接的なコミュニケーションの一等地なのかもしれません。
野良デザイン#113|ペットボトルの重石
とある集合住宅の前に建てられたゴミ捨て場にて。コンクリートブロックを積んで着色した簡素なつくりの小屋の開口部にネットを掛けることで、獣害対策を施しているようです。
そのネットの足元をみると、3本のペットボトルが重石として活用されていました。
人が日常的に持ち、カラスには持ち上げられない。絶妙な重さを感じます。
野良デザイン#114|配管の看板掛け
いろいろな店舗が入る駅ビルのピロティー。上階の雨水やインフラを通すための太いパイプは、看板を立てかけるのに頼もしい存在。
太ももほどの太さの樹脂製のパイプに、2本の針金を通し、縦長の看板を固定しています。
野良デザイン#115|配管の傘立て
同じくピロティの柱に走る配管にて。比較的細身の配管は、柱の窪みに収められており、その窪みと配管の隙間が、傘を挟み立てるにちょうど良い空間が出来上がっています。
おそらく落とし物と思われる傘。親切な方が広い、こちらに立てかけたのでしょう。それにしても、よくこんなベストマッチな場所を見つけましたね。いや、意外とこうした隙間ってものを置いちゃうかも。
親切な行為が自然と見つけた収納スペースかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
では、また次の記事でお会いしましょう。
眞木孝明