野良デザイン#41-45|バケツの重石 他
こんにちは。
街に溢れる匿名の創意工夫「野良デザイン」の蒐集。
本来の用途を超えた自然発生的な製品の活用に、道具の可能性や生活のリアルを発見する試みです。
野良デザイン#41|バケツの重石
アパレルショップの軒先に置かれたマネキン。
風や多くの人通りに晒される屋外のディスプレイには、ちょっとした重石が必要なようです。
こちらのお店では、金属ポールに刺さった簡易的なマネキンの足に水を張ったバケツを乗せることで、マネキンの耐風性を高めています。
わずかに傾斜がついた円錐状の台座に、プラスティック製のバケツが乗せられています。
バケツの取手がないのも、省スペース。運搬頻度よりも長時間置かれることに特化したバケツの進化を感じます。
一手間かかる展示ですが、ストリートなコーディネートは屋外の日の光の下で映えますね。
野良デザイン#42|カラーコーンの看板
街には道路などのパブリックスペースと、個人が所有するプライベートスペースがひしめき合っています。
柵を設けたり地面に段差をつけたり、素材を変えたり。物理的な区分けがある一方、看板を立てて場の所有を主張する概念的な区分けもお馴染みの風景です。
こちらの看板は、オーソドックスなカラーコーンにベニヤ板が固定され、掲示物として機能しています。
裏側はこんな感じ。
ベニヤ板の上部に木片が付けられ、金属ネジを使ってカラーコーンの頂点に固定されています。
よく見るとベニヤの他の3辺も木片で縁取られています。風に煽られ破損しないように強化されているようです。
また、ベニヤ板の下部に打たれたネジに針金が引っ掛けられ、カラーコーンにぐるぐると巻き付けられています。これも風対策でしょう。
看板の向きに対して、カラーコーンの四角形の台座が45度の角度がつくように固定されているのも、見た目が自然で良いですね。
一見簡易的なつくりの看板ですが、大変手の込んだつくりが見られます。
野良デザイン#43|モップ立てフェンス
汚い料理屋は外れない。とは言いますが、やはりいつも店内を清潔にしているお店も素敵です。お店の仕込みに営業と忙しい中、私自身 掃除不精の身であることもあり、本当に脱帽です。
街の飲食店の店裏では、掃除道具がかけられている風景をよく目にします。
このお店では、裏の駐車場のフェンスにモップを掛けて干しているようです。
面白いのはその掛け方。
濡れたモップの髪の毛?をフェンス上部の凹凸に掛け、立て掛けるというよりも、吊り下げるような固定がなされているのです。
日当たりも申し分なく、また次の清掃も気持ち良くできそうですね。
野良デザイン#44|排水管の箒立て
お店を清潔に保つには、モップだけでは不十分。ほうきやブラシなど、多くの道具が必要です。
こちらのお店では、店先の大柄な排水管に、箒やデッキブラシを立てかけて保管しています。
駅の待ち合わせの時、ついつい大きな柱を背にしちゃうように、箒の他にもゴミ箱などの用具たちが柱に集まっている感じが自然で、なんとも愛らしいです。
排水管の両脇を、箒なら箒、ブラシはブラシで固めて置かれている感じ、お店の方の几帳面さが伺えます。
野良デザイン#45|ドアノブのカバン掛け
駅の大小に関わらず、その運営や維持管理には多くの関係者が関わります。
一般の利用客の動線とは別に、こうした関係者用のバックスペースが設けられ、その入口は他の利用客向けのそれとは雰囲気が異なります。
こちらのドアは、JR新大阪駅の校内で見かけたものです。
向こう側の世界が見えず排他的で、無味無臭な効率最適。どこか業務的で、プロフェッショナルな気風も漂います。
ドアノブには駅で働くバックオフィサーの荷物が掛けられています。
ドアの向こうの関係者ゾーンではなく、一般動線側に保管しているのも少し不思議ですが、カバン掛けとして機能するドアノブが面白い。
ドアの上部にかけられたポーチから覗くペットボトルも、中で働かれている方の気配が感じられてなんだか良い感じです。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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また次の投稿でお会いしましょう👋