野良デザイン#76-80|雨樋漏斗の脚カバー
こんにちは。
本来の用途を超えて活用される道具「野良デザイン」。
街に溢れる工夫の数々に、生活のリアルや、道具の可能性を探る試みです。
野良デザイン#76|雨樋漏斗の脚カバー
ビル街に点在する飲食店。都会の夜の舞台となる店々は、背の高いビル群に囲まれ、賑わいの時間を待っています。
敷地面積が限られるこの手のお店は、路地とエントランスが非常に近いことが特徴。
よくよく観察すると、その短いアプローチの中にも、それぞれの特徴や個性がみられます。
このお店は、路地に対してエントランスを斜めに配置することで、三角形の小さなスペースを作り出しました。
そして、そこには赤いコカコーラのベンチが一台。入店待ちのお客さんや、タバコを一服する方が腰を休められる空間になっています。
ところが、問題はそのスペースの狭さと、路地と敷地間の段差。
どうしてもベンチが脚1本分はみ出してしまう狭小地の制約を、ベンチの脚にカバーをつけることで解決したようです。
けれども、どこかで見覚えのある顔。
あ、雨樋の漏斗だ!
屋根から落ちる雨を処理する雨樋。その仕組みの一部に使われる漏斗状のパーツを逆さまにし、ベンチの脚に装着。制約の多い環境でみごとベンチが機能することに成功しました。
黒いテープが巻かれた歴戦の面持ち。もしかすると、オーナーさんやスタッフの自宅で不要になったものを活用したのかもしれません。
野良デザイン#77|野菜コンテナのプランター
樹脂でできたコンテナに詰められた野菜や果物。商店街の八百屋さんの店先の煩雑さって、なんだか玄人っぽくて、かっこいいです。
この野良デザインは、路地裏の住宅地で見つけたもの。
野菜の流通で汗を流してきたコンテナが、第二の人生として歩むは、プランター。
程よく肉抜きされたスリットが水捌けにぴったり。
植わっているのはなんだろう?
コンテナの内部には菜園用のネットが敷かれ、土が溢れ出ないようにされています。
天気によって室内外、場所を簡単に移しやすいのも、コンテナならではの良さですね。
野良デザイン#78|プランターのプランタースタンド
プランターといえばこの野良デザインも。
大きな鉢の中に、小さな鉢が重なるようにスタックされています。
親子亀ならぬ、親子プランター。
場所が限られる軒先菜園では、時に心躍るスペース活用の工夫に出会うことができます。
野良デザイン#79|電柱の用具ホルダー
ごみ置き場を見ると、その地にどんな人が暮らしているか、想像することができます。
このゴミ置き場の洗練された佇まい!きっと近所には整理整頓の達人が住んでいるに違いありません。
また、この綺麗な状態を維持できること、地域の方々の気持ち良い暮らしが容易に想像できます。
烏よけのネットを入れておくバケツや。
ガラス・ビン回収用のコンテナ。
それらごみ収集に必要な共用物を、収集場所の目安とする電柱に括り付けられるよう、針金やフックが掛けられています。
まるで電柱本来の用途と思わせられるような、高度な設計を目にしました。
野良デザイン#80|金網フェンスの荷物掛け
街中の駐車場。その周囲には必ずと言っていいほど金網フェンスが張られています。
スーパーの品卸スペースとして活用される路地。そこに張られた金網フェンスは、スーパーに従事する方々の荷物掛けとして活用されているようです。
入荷した野菜などの仕分けに汗を流すスタッフたち。
路地と敷地がグラデーションでつながっている感じがとても心地よい風景でした。
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これからも、野良デザインの研究を続けながら、第1・第3日曜に記事を更新してまいります。
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