野良デザイン#161-165|タイヤのノボリ立て
本来の用途を超えて活用される工業製品。路地に生息するそれらを、設計室から生じたデザインに対して「野良デザイン」と名づけ、蒐集しています。
これは、生活のリアルや、道具の可能性を探る試みです。
野良デザイン#161|タイヤのノボリ立て
頑丈な車用のゴムタイヤ。リング状に成形されたその中央の空洞をモルタルで埋め、3cmほどの穴が開けられている。
おそらく、ノボリ旗を立てる土台として作られた野良デザインでしょう。
野良デザイン#162|オイル缶の
公園の脇に立て掛けられた掲示板。掲示物が上揃えに整然と貼られており、とても美しいです。管理されている方の丁寧さが伺えます。
その2本の足元に目を向けると、オイルが入っていた円筒状の缶にモルタルが詰められ、脚として活用されていました。
野良デザイン#163|緩衝材のハンドルグリップ
物品の輸送時の保護や、最近では店舗で購入した重めな商品の持ち手にさっと巻かれる、かまぼこ板状のスポンジ。
それらを自転車のハンドルに巻き、輪ゴムで固定することで、グリップとして活用されています。
ブレーキレバーにも同様に巻かれていますが、固定方法がビニールテープであったり、異なる色の緩衝材が使われていたり。もしかするとハンドルと異なるタイミングで増設されたものかもしれません。
野良デザイン#164|メタルラックの鉢置き
マンションの脇に置かれた植木鉢。その足元には、小ぶりなメタルラックの棚パーツが台座として使われています。
鉢が雨水に浸らないよう、地面から高さを設け、かつ台座自体にも水が貯まらない、合理的なつくり。
強い風に煽られ飛んで行かないよう、レンガを添えて。
野良デザイン#165|車止めポールの布巾掛け
街で見かける金属製の車止め。地下に格納できるようになっており、ポールの天面の把手を引くことで、必要な時に車止めとして機能する便利な製品です。
その把手に布切れを挟むことで、ポールが布巾掛けとしても機能しています。
車の清掃に使うのでしょうか。布巾を掛けることで、格納機能は使いづらくなるため、このポールは常時車止めとして地上に置かれているのでしょう。
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暑い日が続きますが、お体にお気をつけて。また次の投稿でお会いしましょう。
眞木孝明