野良デザイン#184|塗布剤容器の把手
家の軒先に出されたゴミ箱。足元のペダルを踏み込むと、天面の蓋が開く便利なタイプだ。
その蓋には見慣れないパーツが取り付けられている。どこかで見覚えがあると思いきや、肩こりや炎症を抑えるために使用される塗薬の頭である。
炎症やコリの解消のため用いられる市販薬。手の届きにくい個所への塗布を容易にすべく、塗面がL字に折れ曲がっているデザイン。その折れ形状を切り取り、テープで固定することで、蓋開閉のための把手として利用しているのだ。
コンクリートブロックの不安定な足場ゆえ、本来のペダルによる蓋の開閉がうまく機能しづらかったのだろう。ゴミ出しの労力削減のための、工夫の変遷を物語っている。
雨樋のパイプに針金で括り付けられた様子もまた、工夫の変遷を物語る。
Habitat|Osaka, Japan