野良デザイン#106-110|ハンガーのサンダルホルダー
本来の用途を超えた道具の活用「野良デザイン」。
路地に生息する、作り手の想定を超えた創意工夫に、マーケティングデータには表れない生活のリアルや、道具の可能性を探る試みです。
野良デザイン#106|ハンガーのサンダルホルダー
日も延び、青々としげる木陰から初夏の足音が聞こえてくるようなこの頃。
衣替えのシーズンです。
夏を前に、あるご家庭の軒先には、家族のビーチサンダルが並んでいました。
クリーニング屋でもらう針金を加工して作られた簡素なハンガー。その三角形の形状を逆T字になるように歪め、2足のサンダルを保持できるように2次加工した道具。いやいや、農作物に例えるなら3次加工でしょうか。
軒先のブロック塀を物干し台として活用する様子もさることながら、サンダル(シューズ)ハンガーとして設計された道具と並んで、このハンガーのサンダルホルダーが並んでいる光景も面白い。
野良デザイン#107|物干し台のハンガーラック
靴やお箸、私たちの暮らしの周りに、2つで1セットのものは沢山ありますが、洗濯物を干す物干し台も、そのひとつ。
物干し竿を保持する金属のパイプと、そのパイプを保持するコンクリート製の台座。
元々2人で1つの物干し台の片割れが路地裏にポツンと。勝手口の脇に傘を保管する傘掛けとして新しい役割を全うしていました。
よく見るとホウキも掛けられていますね。勝手口の脇に、日頃つかうどうぐを掛けるにちょうど良いハンガーラックなようです。
野良デザイン#108|ワイヤーフェンスの傘掛け
路地裏には駐車場が点々と。駐車場の敷地は、フェンスで覆われていることが多いように感じます。通り抜けされないための工夫でしょうか。
針金を交差させて作られる鋼線フェンス。その菱形の網目は、ものを掛けるのにちょうどいい塩梅なよう。
前のお店の従業員のものか、傘が2本掛けられていました。
野良デザイン#109|台車のプランター台
軒先の緑化には野良デザインが多く宿ります。
このご家庭では、配達員さんが使うような立派な台車に、大型のプランターが2つ。
野良デザイン#110|ガス管の荷台掛け
飲食店の裏も、野良デザインの主な生息地。
このお店は、店の外壁と同色に塗装されたガス管を、台車を保管する荷掛けとして活用しているようです。
配管にS字型の金属製のフックが掛けられ、台車が吊らされています。
ビールや食材を仕入れる際に使用するであろう台車。勝手口ですぐに使えるよう屋外に台車を掛けておくにはぴったりな場所かもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
では、また次の記事でお会いしましょう。
眞木孝明