野良デザイン#71-75|コンクリートブロックの雨樋
こんにちは。
記事をご覧いただきありがとうございます。
本来の用途を超えた使われ方を与えられた工業製品を、路上で生まれた「野良デザイン」として収集し、月2回の頻度でnoteへ投稿しています。
工業デザインのお仕事の肥やしとして取り組み始めたライフワークですが、街に溢れる野良デザインたちは、そこで暮らす人のリアルな生活感を映し出す役割があると感じています。
いつも歩く近所であっても、新たな発見は散策の醍醐味。皆さんもよければ、一緒に身近な野良デザインを探してみましょう!
野良デザイン#71|コンクリートブロックの雨樋
以前高知の山奥で泊まった温泉宿では、外観を整えるため雨樋のない屋根のデザインが施されていたことを思い出しました。
高い屋根から滴る雨はまるで滝のよう。
その先を見ると、地面が滝に削られ、溝が掘られていました。
一粒一粒は小さな雨。されどその力はとても大きいのだと感心したことを今でも覚えています。
雨の仕舞いは、都市部の住宅でも課題の一つ。
専用の器具も売られていますが、コンクリートブロックの肉抜き穴を雨樋として活用する面白い野良デザインに出会いました。
雨水の流れ方など、雨の日にも改めて見てみたくなる野良デザインです。
野良デザイン#72|コーンストッパーのチリトリ置き
工事現場や駅で見かけるカラーコーン。その重石として設計された黒いゴム製のコーンストッパー。
その堅牢さから、チリトリ置き場としてセカンドキャリアを迎えたコーンストッパーに出会いました。
手前は他のものが置かれていたのか。チリトリの相棒に思いを馳せます。
野良デザイン#73|コンクリートブロックの柵足
先ほどの雨樋と同様、その肉抜き穴の構造を利用して、支柱の土台として活用されているコンクリートブロック。
3つのうち真ん中の穴に支柱を立て、隙間をモルタルで埋めた本格派。
その支柱に網を張ることで、植栽が動物に荒らされないよう保護しているようです。
よく見ると、ブロックの質感もゴツゴツやザラザラ、年季の入ったものと多様で可愛らしい。
野良デザイン#74|街灯のベンチ留め
路地裏にひっそり置かれた木製のベンチ。人一人がやっと座れるくらいのこじんまりしたベンチは日向ぼっこのためにこさえられたのでしょうか?
その誕生の物語に思いを馳せます。
ベンチはどこかへ飛んで行かないよう、傍らの電灯の柱にバイクロックで留められています。
連行される犯人とノッポな刑事を彷彿。
野良デザイン#75|蛇口の線香掛け
蚊にモテる体質故、この時期の寒さは身に染みますが、蚊に刺されないのは嬉しいです。
近頃は電気式の虫除けや、スプレータイプのものなど選択肢が広いですが、蚊取り線香の匂いは夏休みを思い出せて好きです。
板金製の線香ホルダーのストラップに麻紐が通され、玄関前の蛇口にかけられています。
直置きのように雨水に浸る心配もなく、しっかり効いてくれそう。