野良デザイン#136-140|コンクリブロックのボトルホルダー
私たちの日々の暮らしを支える工業製品の数々。それらの多くは、作り手や 組織によって設けられた、明確な用途を持って世に出されている。
しかし、街を歩いていると、本来の用途を超えて活用される道具で溢れていることに気付かされます。
私は、それら路地裏に息づく道具の活用を、オフィスワークから生じた「飼い慣らされたデザイン」に対比し、「野良デザイン」と称して蒐集しています。
これは、本来の用途を超えて活用される工業製品の生態から、道具の可能性や、現代生活のリアルを探る試みです。
よろしければ、皆さんも一緒に楽しんでいただけましたら嬉しいです!
野良デザイン#136|コンクリートブロックのボトルホルダー
路地裏に放置されたコンクリートブロック。砂とセメントと水でできた塊には3つの穴が空いており、それは軽量効果のほか、鉄筋を通したり、モルタルを詰めるといった構造強化の機能がある。
その穴の一つに、空の瓶がすっぽり入れられている。道端に投げ捨てるのは忍びなかったのか、かつての瓶の持ち主は、ちょうど良いボトルホルダーを発見したようだ。ぴったり嵌まるって気持ち良いですよね。
穴に氷を詰めてみたりすると、ボトルクーラーになったりするのかな。
でも、ポイ捨てはダメよ、絶対。
野良デザイン#137|コンクリートブロックのステップ
裏道に面したこちらの勝手口は、路面から50cmほど高い位置にあり、その高低差を2段の階段で昇降するつくりになっている。
モルタルを固めて成形された階段にはコンクリートブロックがポツンと置かれ、昇降を補助している。
0.8段目といった具合でしょうか。段の高さの細分化よりも、1段目の幅の狭さを解消した工夫のように見受けます。
野良デザイン#138|レンガのドアストッパー
路地に面したガラス張りのファサードが素敵な雑貨屋さん。その入り口は、心地よいガラスと金属枠でつくられたローテクな扉。ドアというより扉という感じ。
その扉は開けられ、店内に心地よい風と光を取り込んでいます。
シンプルなヒンジの扉は、レンガの重みで開放状態が保たれています。
野良デザイン#139|買い物カゴの宅配ボックス
留守時にも宅配物を受け取ることのできる宅配ボックス。集合住宅ではない戸建ではあまり見かけることのない設備でしたが、コロナ禍で普及がぐんと広まった感覚があります。
こちらのお宅では、スーパーでお馴染みの樹脂製の買い物カゴを玄関前に置き、荷受け場所として活用しています。
スリットのあるつくりは、雨水を逃すのに好都合。また、スーパーの名称が印刷されることの多い側面中央の平面箇所も、荷受け人の苗字を記すのにぴったり。
野良デザイン#140|プランターのプランター台
路地を色とりどりに飾るプランター。場所の限られた軒先では、省スペースのための工夫が散見されます。
この野良デザインは、酒屋さんの裏手で発見したもの。
2つのプランターを土台に、2段目のプランターが置かれています。敷地から路地にかけてかかるわずかな傾斜を、高さの異なるプランターをつかって、巧みに2段目の水平がつくられている。
水やりも、シャンパンタワーのように下段へ水が降りて行くかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございます。
また次の投稿でもお会いしましょう!
眞木孝明