野良デザイン#175|ポリタンクのプランター
下町風情が残る住宅地。路地の両脇には、各戸の敷地と路面を区切るブロック塀が並びます。その塀のほとりには、銀色の見慣れぬプランターがずらり。
寒いシーズンでは石油、最近ではキャンプなどのアウトドアシーンでも活躍を見せる、ポリタンク。その頭頂部を切断し、土を詰めてプランターとして活用しているのです。
ポリエチレン製の容器に、大口のキャップ口が備えられた設計が特徴的なポリタンク。その特徴の一つを切り捨て、丈夫な容器としての一面に焦点を当てた、明快な活用です。
塀と排水溝の間のスペースにも、ちょうど収まっていますね。計8つのポリタンクは、このために購入されたのかもしれません。一般的なプランターは、上下に成形のための勾配が付けられており、中々塀の前のスペースに収まるプランターが見つからなかったことが想像できます。
緑は見当たらず、中を覗くと、粒の大きな土が詰められているだけでした。何かを植えていた名残か、準備中か。
ポリタンク側面の変形を防ぐ為に設けられた、X字のエンボス(凹凸加工)をもぶった斬った、豪快なつくりもおもしろい。