2024ハセツネ30K 完走記:目指せ500位以内の挑戦
暑くて厳しいレースとなった2024年ハセツネ30K
2024年3月31日 秋川渓谷リバーティオ 無事に完走できました。
50代男子 68/258位
総合順位 314/856位
完走率69.1%(出走者数1356名 完走937名)
男子完走者844名 女子完走者93名
久しぶりに、歴史あるトレイルランニングの大会、通称「ハセツネ」(第32回日本山岳耐久レース長谷川恒男CUP)の30k大会に参加しました。
この大会は、500位以内に入ることで本線の優先エントリー権を獲得できるという特別なチャレンジです。
長い間、このレースに挑戦することを夢見ており、2023年12月1日についにエントリーしました。自信はあまりありませんでしたが、500位以内に入れることができれば、次回の申し込みがスムーズになると考え、挑戦を決意しました。
ハセツネは、日本のトレイルランニング界では「クラシックレース」とされ、東京の奥多摩山域を舞台にした数少ない大会の一つです。今年で32回目を迎え、参加者は24時間以内に71.5kmの距離を走ります。スタート地点は五日市中学校で、コースはあきる野市、檜原村、奥多摩町、日の出町と、山間を巡ります。ハセツネの大会を通じて、東京にこれほど多くの山があることを初めて知りました。
トレイルランニングは、自然と向き合いながら、人間本来の動きを取り戻すスポーツです。少しの練習だけで全身筋肉痛になることからも、日常生活でどれだけ体を動かしていないかがわかります。練習を重ねることで、視力が向上したり、姿勢が改善したりと、二足歩行の動物としての私たちの能力を最大限に引き出す面白さがあります。
準備段階
大会に向けて準備したことで役立ったこと
1)試走の実施
2023年からコンセプトが一新され、以前にも増して厳しさを増したハセツネ30Kのコース。事前情報ではその厳しさを耳にしていましたが、実際に試走してみてその真実を身をもって知りました。予想をはるかに超える登りと下りの多さには驚かされました。初心者には決して優しくないこのコースの難易度を、試走を通じて肌で感じることができ、久しぶりに山を訪れる私にとって、この試走は大変貴重な経験となりました。
2)トレーニングの積み重ね
2023年3月3日に開催された東京マラソンで3時間20分を目指し、冬から継続したトレーニングがトレイルランニングの基盤となりました。トレイル専用のトレーニングは特に行っていませんが、マラソンの準備期間中に養った体力が役立ちました。直前の準備としては、高尾山でのトレーニングを一回実施し、トレイルシューズも新調しました。
3)ギアと補給の重要性
ハセツネの特徴的な点は、エイドステーションでの補給が提供されないことです。参加者はレース中に必要な水や補給食を自分で携帯する必要があります。私は、1,500mlの水を必須として、さらに700mlを追加で持参し、合計2,200mlの水分を携行しました。予想される暑さに備え、熱中症対策として水分を多めに持参することを決めました。また、ストックの使用が許可されているため、操作性の高いフラップタイプのストック(マウンテンキングとか)を推奨します。
短いアップダウンが頻繁にあるため、使用しない場合の収納が面倒に感じるかもしれませんが、試走を通じてコースの特性を理解することで、適切な装備選択が可能になります。
途中で暑い時には、水をかぶるためのコップもあればよかったとレース後に感じました。
大会当日
私のウエーブスタートは、ウエーブ2でした。全体で3つのウエーブに分かれていたため、こちらの2を頂けたのはラッキーでした。
秋川渓谷リバーティオ ウェーブ2
8時30分スタート
レースタイム参考
西戸倉登山口(210m) 30分
荷田子峠 (425m)1時間10分
臼杵山 (831m)1時間50分
市道山 (789m)2時間20分
小坂志林道(第一関門 334m)2時間30分
ゴロハチ林道入り口(394m) 2時間55分
イッポチ山山頂(799m) 3時間50分
入山峠(第二関門 618m)4時間40分
今熊神社(512m) 5時間05分
秋川渓谷リバーティオ ゴール 5時間28分18秒
2024年30Kコース
大会スタート前
ぎりぎりまで、カッパとバフで冷えないようにしていました。
スタート直前で、暑くなることがわかっていたのですべてしまってスタートしまいsた。
各区間ごとに振り返ってみます。
スタート→西戸倉登山口 約4km地点まで
スタートから約30分。
試走時には、迷ったこともあり1時間以上かかりましたが、本番は30分でした。激坂がありましたが、細かいジョグでなんとか走れました。
前半で、渋滞があると聞いていたから、苦しかったですが走れました。
西戸倉登山口から荷田子峠 (425m)への道のり 約7km地点まで
スタートから約1時間10分経過
この間はデーターを見直しましたが、ハイペースでした。
渋滞すると思われたのですが、ウエーブ2のこともあり、それなりに登れました。休憩したくなるのですが、休憩しても楽にはならないことがわかっているため、そのまま推し進めます。
平均心拍 168 程度
荷田子峠から臼杵山(831m)への道のり 約9km地点まで
スタートから1時間50分経過
この区間では、ウエーブCからスタートした非常に速い選手たちが私を追い抜き始めました。彼らはまるで別次元の速さで走っているかのようで、私が抜かれたとき、そのスピードの違いにただただ驚かされました。私自身の心拍数が170に達していたこともあり、無理をせず、むしろ少しペースを落として登りに臨んでいました。もし事前にこの区間を試走していなかったら、この時点で心が折れていたかもしれません。
臼杵山から小坂志林道(第一関門334m)まで 約14km地点まで
スタートから2時間30分経過(約13.5km地点)
10km〜14kmの区間
臼杵山を下った後、すぐに市道山への登りに挑みます。この区間は、杉の伐採地を横切る比較的急な下りがありましたが、残念ながら写真はありません。試走では、市道山手前からヨメトリ坂へと降りるこの道を走っておらず、試走時にはこのセクションを通過するのに約3時間30分かかっていました。レース当日は、市道山(789m)を2時間20分で越え、ヨメトリ坂を急降下して小坂志林道(第一関門 334m)へ。第一関門手前の水場で顔を洗い、2時間30分で関門を通過しました。
前半のこの部分で、特に上りでは、今年ほぼ2回目のトレイルでありながらも、力を入れすぎてしまいました。結果として、この後、脚の強烈な攣りを経験することになりました...
小坂志林道からイッポチ山まで 約19km地点
スタートから3時間50分経過
14km〜19kmの区間
ゴロハチ林道入口(394m): 2時間55分
イッポチ山山頂(799m): 3時間50分
この区間は特に厳しい挑戦でした。第一エイドステーションからイッポチ山の頂まで、約1時間20分かかります。ストックを使えるエリアで、この時点でストックの使用を開始しました。ゆったりとした登り基調の林道ですが、走ることが難しいことにすぐに気付きました。ストックを頼りにしながらも、ペースは7分半から8分半/kmまで落ち込みました。
ゴロハチ林道入口に近づく直前に、脚の痙攣が始まり、締め付けるような痛みで歩くことさえ困難になりました。これは完全な脱塩状態で、水分や電解質を摂取していたものの、急激な暑さにより塩分が追い付いていなかったようです。塩タブレットを持参するのを忘れてしまいましたが、幸い前日にトレーナーからもらったマグオンを持っていたため、それを飲むことで速やかに回復することができました。
その後も少し負荷をかけると再発する恐れがあったため、非常にゆっくりと登りを進めました。順位を大幅に落とすことになりましたが、この時点で目標を完走に切り替えました。何とか登りを乗り切り、1時間20分でこの区間を終えました。後遺症的に、少し負荷をかけすぎると再発しそうな状況が続きますので、この間は、かなりゆっくり登りました。
順位も大幅に落としましたが、この時点で完走できれば良いと目標を切り替えました。
なんとか、登りきり3時間50分時間が経過していました。
イッポチ山から入山峠まで 約23km地点
入山峠(第二関門 618m)4時間40分
この区間は、ハセツネのメインコースの一部です。
2週間前に行った試走のおかげで道を覚えていたため、下り基調のこの部分を比較的リズム良く進むことができました。水分補給については、この区間で背中に背負っていた1200ccと片側のボトル500mlを使用し尽くし、残りは500mlのみとなりました。前後には他のランナーが散見されましたが、主にウエーブ1とウエーブ2の選手が多く、もしかしたらまだ500位以内でいけるのかと、少し期待をもちながら下りました。
入山峠から今熊神社まで 約27km地点
今熊神社(512m) 到着5時間05分
試走していた感覚から、5時間以内で今熊神社に到着することを目指していましたが、登りのセクションで足が攣りそうになる感覚がありました。そのため、登りは慎重に、下りではややペースを上げて走ることで、何とか目標地点である今熊神社に到達することができました。
特に、神社への石段約30段を登る際は、足が攣りそうになるほどの負荷を感じました。足を股関節から高く上げ、内転筋やハムストリングに過度な負担をかけないようにしながら慎重に階段を上りました。
今熊神社からゴールまで
最後のセクションは主に下り坂でした。
発電所を越え、ゴールまであと数キロの地点で、嬉しいサプライズが待っていました。私のYouTubeチャンネルのリスナーの一人が、声をかけてくれたのです。思わず立ち止まり、一緒に写真を撮る機会を得ました。斉藤さん、ありがとうございました!
なんと、斉藤さんは昨年UTMFをYouTubeをご覧いただき挑戦して完走されたとのこと。
YouTubeをご覧いただき、本当にありがとうございます!
斉藤さんの応援のおかげで、最終的には平均4分45秒/kmのペースでゴールに辿り着くことができました。ゴール後、立ち止まった途端に脚が強烈に攣り、動けなくなりましたが、それもまた良い思い出です。笑。応援って本当に嬉しいものですね。
最終タイムは5時間28分18秒での完走でした。
今回のレースデータはすべて「カロス」を使って記録しました。
結論
トレイルランニングは、やっぱり面白いです。
試走の重要性、適切なギアと補給の計画、そして体と心の準備がいかに大切かを教えてくれました。特に、厳しい上り坂や下り坂、そして自分自身の限界を超えた瞬間には、人間本来の身体の使い方を思い出させられる成長がありました。
なんど走ってもレース中は、限界を越えるため多くの挑戦に直面しています。
それぞれの困難を乗り越えるたびに、自分の対話があり、自分を知る経験になります。今回は、ゴール直前でのリスナーの応援と、その後の完走の達成感は格別でした。
斉藤さんをはじめとする、大会サイドや応援者の声は、レースを通じて最も価値のあるものの一つでした。素晴らしい大会を作っていただきありがとうございます。
今回の経験はすべて「カロス」で記録していました。
身体的、精神的な状況を振り返ることができ、次回の挑戦に向けてさらなる準備を整えていくことができるのも面白いところです。
やっぱりトレイルランニングは自己発見の旅です。
その過程で私たちは自分自身の新たな側面を見つけ出します。ハセツネ30Kでの挑戦は、6時間ほどのレースですが、自分自身と向き合い、成長する機会であることを再認識させてくれました。
次回のトレラン大会は、
2024年9月にトルデジアン330km
2024年10月ハセツネ 71.5km
となります。
今後もこの素晴らしいスポーツを通じて、さらに多くの冒険
そして、人間本来の身体の使い方はどこまで成長できるのか
しっかり経験、研究していきたいと思います。
姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家
仲野孝明