【New Normal の兆しを掴む#001】市場トレンド変化レポート(就職活動・採用編)
スパイスボックスのSocial Data Labがお送りする、新型コロナウイルスからNew Normalの切り口が求められる社会の動きをソーシャルリスニングによって分析するレポートです。「市場トレンド変化レポート」編の第1弾として、「就職活動・採用」に焦点を当てて企業・市場のトレンド変化を分析します。
※調査概要
・SNSプラットフォーム:TwitterおよびFacebook
・キーワード:「コロナ」「おうち」を含むコンテンツやTwitter投稿(無関係のものは分析時に除外)
・期間:2020年1月1日〜2020年6月23日
・ツール:spiceboxのオリジナル・ソーシャルリスニングツール「THINK」
・対象業界:全業界の新卒、中途の採用状況、学生の就職活動状況より
学生の就業観の変化
「2020年卒マイナビ大学生就職意識調査」によると、学生の企業選択のポイントに関する調査について、「安定している会社」が、2001年卒の統計以来初めてトップとなりました。これまでは「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」がトップだったことから考えても、学生の就業観が大きく変化したことが明らかになりました。
ただ、「大手だから安心」「老舗だから今後も安泰」といったこれまでの捉え方ではなく、変化の激しいこの時代で、社会に求められ続ける企業とは? の視点で「安定している会社」を選定していることが考えられます。この流れは、毎年発表されている、「学生に人気の企業ランキング」にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。「ネームバリュー・ブランドの魅力」や、「新規性のあるサービス」、「働きやすい環境」ではなく、「本質的な安定性」を求める学生が、より増えていくのではないでしょうか。
内定切り問題と、採用活動の一時休止
新型コロナの影響を大きく受けた企業では内定切りも頻発しているようです。メディア等では、「第二(第三)の就職氷河期」と称されていることもあり、内定切りを経験したユーザーの声や、内定切りの恐怖を吐露する投稿が多数見受けられています。
影響を大きく受けている21卒の就活生に対する、就職氷河期の経験者からの激励コメントも。
また、エンタメ業界や、航空業界を中心に、採用の中止・休止を発表する企業も目立ちました。
ユニークな採用で、賞賛を集めている企業
そうしたなかで、内定取り消しを受けた新卒者向けの選考を行うことを明示した企業(団体)が登場し、ポジティブな声を集めていました。
採用活動のオンライン移行模索
就職活動の方法自体にも大きな変化が見られています。合同説明会の中止、説明会・面接のオンライン化は、学生の就職活動へも影響を及ぼしました。地方学生と東京の学生の就職活動のコストの差は、以前からも問題視されていましたが、オンライン化によって、これまで受けたくても受けられなかった企業の選考に挑戦する機会が増えたとする声が見受けられます。
ちょっとした仕草から滲み出る気質や、雰囲気は、オンライン面接ではわからないとする、ユニークな投稿も。
一方で、説明会に多数参加できることによる「事業理解」は進みつつも、「業務理解」の機会は減ってしまうことを指摘する投稿も見られました。加えて、リアルな面接で、実際にオフィスを訪れてモチベーションをあげたり、入社後の自分の働き方をイメージしたりすることが難しいなかで、オンラインでどこまでそれをまかなうことができるのか、対応が急がれます。
21卒同士の連携と、励ましの声
ここまでの切り口からもわかるように、21卒の就活生は内定切りのみならず、整備途上で慣れないオンライン上での就職活動に取り組んでいます。そうしたなかで、21卒同士のコミュニケーションや、リーマンショックのさなかで就活を経験したユーザーからのアドバイスが散見されました。
まとめ
採用市場においては、毎年新しいトピックがあがっています。多様性や、個人のビジョンを大切にする動きが高まっていたなかでの新型コロナウイルスの影響は、かなり大きなものになっていることは想像に難くないでしょう。
Social Data Labでは、今後もさまざまな業界・市場における企業のアクションや、生活者の声を取り上げながら、New Normalのあり方について、考察していきます。
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