柔軟性だけじゃない!野球での肩・肘・腰の痛み予防のための体幹の機能!小・中学生にやってほしいトレーニング
皆さん体幹トレーニングはやっていますか?
カラダの柔らかさには自信があるけど、
いまいちカラダが安定しない、力強いボールが投げられない
柔軟やケアはしっかりしているのに
怪我をしてしまう
といった選手はぜひ最後まで見てください!
カラダを支える力 安定を身につける
近年、特に小・中学生の選手で、
ストレッチはしててカラダは柔らかくなったけど
やっぱり怪我をしてしまうといった選手をよく見ます。
柔軟性は大切であり、
怪我の予防や改善、日々のコンディショニングとしては
欠かすことはできないものです。
しかし、人は柔らかいだけではうまく動きません。
少し人のカラダの構造についてお話させていただきます。
”Joint by Joint Theory -関節別の主な機能から障害の原因を探る- 本橋恵美”
人のカラダには
可動性を持つ関節(mobility joint)
と
安定性を持つ関節(stability joint)
があります。
可動性を持つ関節をしっかり動かすためには、
安定性を持つ関節が過剰に動かないように安定させておく必要があります。
実際、プレーの中で腕や脚を動かしていく際、
それらが動くよりも前に一番早く活動するのは
体幹のインナーとなる部分です。
このインナーが一番最初に働き、体幹部分を安定させた後に
腕や脚の筋肉が働きます。
この安定がなかった場合どうなるでしょう?
一度比べてみてください
①体幹部分を安定させた状態で腕を振る
次に
②体幹をクネクネさせながら腕を振る
どちらが力が入りますか?
おそらく①の方であったと思います。
動作というものはこのように
どこかを動かすために土台となる部分を安定させておく必要があります。
安定がないことでのさらなるデメリット
柔らかさばかりを伸ばし、安定を疎かにしてしまうと
先述した力強さだけではなく、
『怪我』のリスクにつながります。
柔らかさばかりに偏ってしまうと
本来安定させるべき関節にも過剰な動きを出してしまうことになります。
この影響で多いのが腰の怪我です。
腰の骨は本来動きは少なく安定させるべき関節です。
柔軟性が過剰になりすぎると動かないところまで大きく動かしてしまい、
関節や関節周りの筋肉などの組織にストレスをかけます。
小・中学生年代で代表的なものが腰椎分離症です。
これになるとかなり長期の離脱を余儀なくされます。
また、腰以外にも肩・肘への影響もあります。
投球において、
肩・肘には大きな遠心力がかかります。
遠心力が強くかかりすぎると関節周りにストレスがかかり、
肘の靭帯を痛めたり、肩の関節の組織を痛めたりします。
この遠心力を抑える働きで重要なものの一つが
体幹を安定させるための力です。
これがないと
肩甲骨周りが不安定になり
体幹から肩への動きのつながりや連動性も低下し
関節へのストレスが増加し怪我につながります。
これを防ぐためには何度も言いますが、
安定を身につけることが大切になります!
野球で必要な肩甲骨と体幹の安定とは?
野球では、
肩甲骨周りと体幹部分の安定性が大切になってきます。
まずは自分に安定性があるかチェックしてみましょう!
《チェック方法》
以下の写真のような姿勢になり3秒程度キープ(両方やってみてください)
出来なかった選手は次に進んでメニューを見て実践してください!
今回お伝えするメニューは2つ
①四つ這いトレーニング
②ローリングトレーニング
です!
では早速動画を見ながら実践してみましょう!
①四つ這いトレーニング
両手・両膝をついて前後に動く
*注意点
・腰がそらないように背中真っ直ぐ
・首をすくめないように
上のトレーニングが出来たら膝を浮かして前後に動く
*注意点
・腰がそらないように背中真っ直ぐ
・骨盤が左右に大きく動かないように
・首をすくめないように
②ローリングトレーニング
*注意点
・カラダが一体となるように
・腕と脚がバラバラにならないように
特に成長期の時期の選手には必須のメニューであると考えています!
カラダが柔らかいのに怪我をする、投球に力強さが出ない
という選手はぜひ今日から始めてください!
*引用文献
・Joint by Joint Theory -関節別の主な機能から障害の原因を探る- 本橋恵美 臨床スポーツ医学:vol.33. No.10(2016-10)
*参考文献
・特集/実践!上肢投球障害に対するリハビリテーション
N.投球障害撲滅に向けて,大規模検診の現状と未来 障害発生予防に対する取り組み 亀山顕太郎 MB Med Reha No.239 : 69-74 , 2019